ローマンコンクリート
「信繁よ、ヒロユキの戦略はどうだ?」
信玄は帰国してすぐに信繁を呼び出し、戦略の確認を行う。
「兄上、ヒロユキは美濃の調略を薦めておりました。あとは、道の整備を強く薦めてましたね。」
「調略と道か?」
「はい、東美濃の遠山氏は落としたいと。」
「うむ、幸隆を派遣しよう。」
信玄は調略が得意な真田幸隆を派遣することを決める。
「そして、道か?」
「はい、国内の道を整備することで流通を良くし、国力を上げるのが目的と、あと、軍の移動を早め、戦える日数を増やすと言ってました。」
「ふむ、一理あるな。
ワシも道については考えておった。
良し、整備をしようではないか。
信繁、計画を立てよ。」
「わかりました。」
信繁はまず飯田までの道の整備を決め、ヒロユキにも吉田、飯田間の道の整備をするよう伝える。
これにより三河までの道が繋がる事になる。
その為、流通量が増えた為に甲斐信濃の物価が安くなり、農民達の暮らしも楽になるのであった。
その頃、ヒロユキはリクと話していた。
「ローマンコンクリート?いや名前は聞いたことがあるけど作り方は知らないなぁ」
俺は元会社員のリクと話していると、リクからローマンコンクリートの製作を持ちかけられる。
「火山灰、石灰、火山岩、海水を混ぜ合わせて作るんだけど、作ってみない?」
「リクさんは知ってるの?」
「比率まではわからないけど、材料はあってる筈だ。」
「そうだね、実用できたら色々使えそうだ、でも、石灰ってどこで手に入るの?」
「近くの田原って所に石灰が取れる山があるんだ。」
「場所ってわかるかな?」
「元々地元だからね、たぶんわかると思う。」
「じゃあ、リクさんを責任者に任命するからローマンコンクリートの製作をお願いします。必要な予算や資材は手配するから連絡して。」
「任してくれ。マサムネ君みたいな強さはないぶん出来る事で、頑張らさせてもらうよ。」
俺はリクを責任者に石灰の採掘から始まり、ローマンコンクリートの製作を任せた。
上手くいけば治水など各種の建設は劇的に進むだろう。
その後、暫くしてリクはローマンコンクリートを完成させる。
しかし、大量生産するためにはまだ時間がかかるようだが、それでも、何の資料もなしに完成したリクの努力は素晴らしいものだった。
俺は恩賞を弾む事にする。
「リクさん、すごいですね。これ報酬です。」
「ありがとう、いや~これが恩賞・・・いいの?これ金だよね。」
「うん、金だよ、甲州金ってやつだね。」
甲州金を見たリクは目を丸くしながらもじっと見ていた。
「ふぇ~~~いいのもらって?」
「受け取ってもらわないと俺が困るし。」
「ありがたく頂戴するよ。」
リクは受け取る。
「量産の方も頑張ってね。」
「任せてくれよ。
なぁ、ヒロユキくん、量産出来たら可愛い女の子紹介とかしてもらえるかな?」
意外な質問に俺は戸惑う。
「えっ?」
「この世界だったら、手柄とか立てたら可愛い子とか選べないかな?」
「いやいや、せめて自分で見つけようよ。」
「見つけても身分とかあるだろ?それならヒロユキくんから紹介してもらったら可愛い子が来るかなと。」
「それもどうなのかな?」
「ほら、ヒロユキくん、この世界で英雄扱いされてるでしょ?その紹介ならね。」
リクはあくまでも紹介してもらおうとしていた。
「リクさん、好きな人が出来て、身分が問題なら言ってください、相手と話をしますから。
でも、紹介はちょっと出来かねますよ。」
「そんな御無体な!せめて出会う機会だけでも!」
すがり付くように懇願するリクに俺は折れた。
「わかりました、でも、俺が顔を調べたりしたら問題になりそうですから、ミユキさんにでも好みを伝えておいてください。
そんな相手がいれば教えますから。」
「わかった!伝えてくるよ!」
リクは報酬を持って走って行った。
難問を押し付けてしまったミユキさんに俺はそっと手を合わせて謝った。




