松平家
三人を解放して、三河を目指す。
「大丈夫なの?」
ミユキが心配そうに聞いてくる。
「何が?」
「さっきの三人だよ、襲ってきたりしないの?」
「どうだろう?まあ、すぐに襲ってきたりはしないだろう。」
「でも!」
「大丈夫だよ、三河で酷いことをしなければいいんだし、する予定もないから。」
ミユキは納得していないようだが、
三人が此処にいた理由を考えてすぐに襲って来ないと考えていた。
本来なら元康と一緒に死んでいてもおかしくない側近の家臣が山中に潜んでいた。
これだけで充分に怪しい。
そして、そいつらが潜む理由など簡単だ、元康かその子供がいるんだろう。
まあ、元康は首実検されてるだろうから、その子供ぐらいか。
俺は周辺に猿を走らせると数十人の人が集まっている所を見つける。
なるほど、こいつらか。
元康の菩提を弔うとか言ってたからな、その寺にこっそり預けて、時が来るのを待つ気か?
松平さんの家臣は気が長いね。
その日の夜、俺は三人を呼ぶ、
「ヒロユキ殿、如何がした?」
「なに、三河に着いてからの話なんだが、三人にこれはと言う人材がいたら勧誘してくれないか?
どんな素性でもかまわないから、たとえ松平に連なるものでもね。」
「・・・なに?」
「隠さなくてもいいよ、子供が生きているんだろ?」
守綱は刀に手をかける。
「待て!こいつの考えを聞きたい、其処までわかっているなら、斬られるのもわかるだろう。」
正成が守綱を制止する。
「俺を斬ってどうする?此処からは逃げられないし、逃げれば捜索の手がのびるぞ。」
「くっ!」
守綱は悔しそうに刀から手を離す。
「まあ、俺は松平に恨みは何もない、別に何処で再興をはかっても問題ないのだが・・・
お前達はどうする気だ?三河の奪還を望むのか?」
「当たり前だ!三河は松平家の物だ!」
「それなら武田の中で手柄を立てて領地として望まないのか?」
「何?」
「武田が天下をとるのに貢献すれば、三河の1つや2つ貰えるとは思わないか?」
「そんなこと出来る筈がない!」
「本当か?国が広くなれば預ける人が必要だろ?その時に手柄があれば手に入るだろう、山に潜むよりは建設的だと思うぞ。」
「しかし・・・」
「本気で松平を再興したいなら俺についてこい、元康の子供が殺されないよう手はうってやる」
「何故其処までしてくれる?」
「勿論ただじゃない、代わりに働いてもらう。」
「武田も今川と同じように俺達を使うつもりか!」
「一緒にするな、別に前線に出て戦えとは言わん、ただ戦わない代わりに内政をやってもらう。三河が裕福になるためだ、悪くない条件だろ?」
「どうやって竹千代様を守るつもりだ?」
「寺に預けるのも一つだが、俺の養子という形をとってもいい。」
「養子だと!貴様ふざけているのか!」
「落ち着け、形だけだ、安全を確保出来たら独立してもいい。
信玄公も家臣の養子を殺そうとはしないだろう。」
「本当に形だけなのだろうな?」
「勿論、教育はお前達がやればいいし、武田に届け出だけの話だ。お前達の手柄がでかくなれば信玄公も再興を認めるだろう。」
「俺達の一存では決めれない、だが前向きに考えさせてくれ。」
「別に急いでないから充分考えてくれ。」
三人は部屋から出ていった。
後日、子供を連れて現れた。




