XXVII ヘブンアンドアース。
「やっぱり……って、ラミリル!? 説明してくれ、何もわからねぇ!」
遂に、理解の追いつかなくなったキミエルが叫び出した。
ラミリルも、それが当然の反応だよね、と思いつつ先程起こったことを説明した。
突然、霞が現れたこと。明確な目的はないが、未知を体験したいと考えて堕天してきたことなどを語った。
呆然と聞いていたイムシスとキミエルだったが、聞き終わるころにはへぁー、と緩慢に首を縦に振りながら、頷いていた。
「なんか、すげぇな」
「語彙力がないね」
「そうだな、っておい!」
「改めまして、私はイムシス。よろしく」
「いっきに話変えんな! 俺はキミエル、よろしくな」
小さいひと悶着をはさみ、如何にか全員の自己紹介が終わる。
中々に賑やかになってるなぁ、と思いつつ、ラミリルはニコニコとその様子を眺めていた。
これが、霞と天使たちの最初の出会いであった。
それから、天使たちのグループに霞が加わる形で共に行動することが増えた。
特に、霞とラミリルはグループ以外でも会うことが増え、ラミリルが天界に招かれることも有った。
霞は、プロテクトの分析などを日頃行っていると言い、ラミリルが天界に入ることが出来るようにした。
それから後、霞とラミリルの関係はより深くなり、イムシスはその様子を静観していた。
霞としては、友人というような関係になる事が最終目標だったわけだが、ラミリルはそれ以上を望み、結果として交際が始まる。
霞としても、願ってもみなかった展開に、驚きつつも涙を流して喜んだものであった。しかし、あのような悲劇も起こった。
考えても見れば、霞と出会ってから、かなり長い時間が経ったのだな、とラミリルは思い出しながら感じる。
過去を振り返っていれば、少し落ち着けた気がした。
『―、―――――――、―――。―――、―――――――――』
突然、ラミリルの顔が紅潮した。
今、思い出してはいけないことを、思い出した気分になる。思考が停止した。
しかし、この想起のために少々黙っていたからか、霞が訝し気な表情をしている。そろそろ、思考の闇から抜け出し、現実に戻らねばならない。
決断を下したのだ。後退ることなどはしないと。
ラミリルは、霞から一歩下がり、姿勢を正した。
存在しないはずの心拍数が、異常に高まっているのを感じる。
霞も、背筋を伸ばした。どんな言葉が投げかけられるのか、大方分かっているが、分かっているからこそ霞の緊張も高まるというものだ。
そう言えば、初めても、こんな感じだった。
お互いの緊張が、高まっていって、その最高潮となった時に、その象徴は紡がれる。お互いの感情の象徴、関係の象徴、そして選択の象徴だ。
本来なら、結ばれることの有り得なかった、天使と人間―――その、存在してはいけないはずの関係の、象徴をここに。
「霞、僕は君のことが、好きだ。どうか、付き合ってください」
「はい、喜んで―――」
霞の頬に、一閃の光が走った――――。
遂に、ヘブンアンドアース完結いたしました!!
ここまでご愛読してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
今作以外にも幾つか小説を投稿しています。是非、そちらもご覧ください。
完結後ですが、今作にまつわるSSを2つ、投稿いたします。
お時間があればそちらも是非、目を通してくださればと思います。




