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MARCO POLO

作者: 桜月まき

 盆と正月が一緒に来たみたいだね。


 友達に話したら、そう言われた。


 盆と正月が一緒に来たみたい…ケータイの辞書で調べたら、「嬉しいことが重なる様子」と書かれていた。


 …まさに、その通り! なんだけど…。


 仕事帰りの電車の中で、美花は窓ガラスに映る自分の姿を見て、ため息をつく。


 …やっぱりお盆とお正月は別々に来て欲しい…。


 切実に、そう思う。




 コトの発端は一週間前、美花の誕生日、まずは仕事中に起きた。


「美花ちゃん、ちょっといい?」


 朝一番のお客様のジェルネイルを仕上げて、次のお客様が来店するまでの間、少し休憩しようとスタッフルームに向かおうとした時、店長に声を掛けられた。店長と二人でスタッフルームに入り、美花が二人分のコーヒーを入れて椅子に座ると、おもむろに店長は話し出す。


「他のスタッフにはまだ内緒なんだけど…実は来春、S駅前に姉妹店をオープンさせる予定なの。」


「えっ、そうなんですかぁ? 三店目ですね、すごーい!」


 その時はまだのほほんと話を聞いていた美花だが、そのあとの店長の台詞に、耳を疑うことになる。


「…で、美花ちゃんに、そこの店長やって欲しいの。」


 一瞬キョトン。…ソコノテンチョウヤッテホシイノ。…カタコトの日本語みたいなのが頭の中を横切ったあと、美花は声を上げる。


「えええっっっ?!! あたしが???!!!」


「そ。お願いできないかなぁ?」


 呆然としている美花に、店長は続ける。


「一応、ゆっくり考えてみて。急な話だし。でも美花ちゃんが受けてくれるなら店長のノウハウ教えなきゃだし、もしも受けてもらえなかったら他の人考えなきゃだから…そーね、十月末くらいまでに返事くれると助かる。」


「は…い。」


 ビックリしすぎてその場では頷くことしかできなかった。短大在学中からネイルにハマり、ネイリストになろうと決心して勉強を始めて五年…。もちろん一流のネイリストになるために一生懸命勉強してきたつもりだし、いつかは自分のお店を持ちたいという夢もあった。でも…こんなに早く実現するなんて思ってもみなかった…。


 少し落ち着いてくると、だんだん嬉しさがこみ上げてくる。今までで一番嬉しい誕生日プレゼントかもしれない。




 その日の夜、美花の誕生日なので、もちろん彼と食事の約束をしていた。付き合って半年…初めての美花の誕生日だ。十歳年上の彼・成田は、老舗のホテルの最高階の極上フレンチのお店を予約してくれていた。ベッタベタ…昔のドラマじゃないんだから、と友達には言われたが、素直に美花は嬉しかったし、なにより朝の店長の話がさらに嬉しさを倍増させていて、鼻歌スキップで待ち合わせ場所に向かってしまいたいくらいだった。


 彼と合流して、二人で夜景を見ながら極上フレンチ…。夢のような時間が過ぎていく。美花はデザートが運ばれてきたら店長の話を成田に話そうと決めていた。美花の夢をいつも応援してくれる彼…きっと一緒に喜んでくれる、そう思って。


 いざデザートのプレートが運ばれてきて、美花がそのデザートのレイアウトやデザインの美しさに目を奪われていると、成田が先に美花の名を呼んだ。


「美花ちゃん。」


「はい?」


 美花がプレートから成田に視線を戻すと、成田はいつになく真剣なまなざしで美花を見つめていた。


 …そのあと「盆と正月が一緒に来た」状態になり、頭を悩ませることになるとは、美花はこの時点では全く予想すらしていなかった。


「…僕と、結婚してください。」


「…え?!」


「急な話でごめん。来年度…四月からニューヨーク勤務が決まって…美花ちゃんに、一緒に来て欲しいんだ。」


 唖然としている美花に、成田は続ける。


「急だからビックリするだろうけど…真剣に考えて欲しい。準備とかあるから、できたら十月末くらいまでに返事をくれると嬉しいんだけど…。」


 …十月末。店長の話も、同じタイムリミットだ…。


「…考えてみます…。」


 結局その場ではそれ以上の返事はできなくて、店長の話も彼に告げることもできずに両方ともあいまいなまま帰宅したのだけれど…。




 …自分のお店を持つことと、結婚。


 どちらも単品では嬉しすぎる出来事なんだけど…。


 美花は何度目かわからないため息をつく。息で、電車の窓が少し曇る。


 この一週間、いろんな友達に相談に乗ってもらった。どちらも自分の夢ではあったけど、どちらかを選ぶとどちらかを諦めることになる。究極の二者択一…今のところ、友達の意見もフィフティー・フィフティー。自分の心の中も、どちらかを選ぶどころか、ますます混乱してきて、もう何が何だかわからなくなってしまっている。


 ふいに背後から美花の心の暗雲とは正反対の明るい笑い声がした。振り返ると高校生カップルが楽しそうにおしゃべりをしている。…美花の出身高校の制服だ。


 ああ、あの頃は何の悩みもなくて、楽しかったなぁ…。


 そんな年寄りくさい考えが頭をよぎってから、思わず苦笑してしまう。あの子たちと十歳も違わないのに。


 高校生カップルをぼんやりと眺めていて、ふと、しばらく見ていない顔を思い出した。…そうだ、アイツなら…。


 考えるより前にバッグからケータイを出して、その人物にメールをしていた。


 困ったときのアキヒロ頼み。ここ最近、してなかった。


 意外にもメールの返事はすぐに来た。今バイトの休憩中で、グッドタイミング、とのことだった。…バイトって…。美花の口元が緩む。アキヒロ、まだ大学生なんだ。何年留年してんのよ全く…。


 とりあえず『今どこ?』の問いに返信。するとまたすぐにメールが返ってきた。


『じゃ次の駅で地下鉄に乗り換えてK駅で降りて。Tea Room * LUPINUSって店でバイトしてるから、お茶飲みに来れば?』


 アキヒロにしてはご丁寧に、K駅からそのお店までの地図のリンクも貼ってある。…ちょっと落ち着いてきた自分に気づいた美花はさっきまでの思いため息とは違う、ホッと安堵のため息をつく。




 アキヒロとは学生時代に付き合っていた。要するに元カレ。


 高一のときに同じクラスになって、なんとなく気が合って、普段はいいかげんなのにいざという時には頼りになるところに惹かれ、美花から告白して付き合い始めた。


 高校を卒業して、美花は短大、アキヒロは大学に進学したそのあともしばらくは付き合っていた。が、アキヒロがバイトに明け暮れ、バイト代が貯まると趣味のバックパッカーで各国を飛び歩くようになって、美花はだんだん不満を募らせて、破局。


 でもそのあとも困ったことがあるとついなんだかんだと美花はアキヒロを頼ってしまう。バックパッカーで好き勝手に海外を飛び回るほどの、美花にはない自由奔放さが別れた原因なのに、悩むと結局その奔放さを求めてしまうのだ。今ではすっかり良い相談相手になってしまっている。ま、二度と恋愛対象にはならないけれど。


 この前会ったのは…そうだ、半年前。十歳年上の成田に告白されて、付き合うかどうか迷っていた時、アキヒロに相談したんだった。


 あれから半年。まだ、半年しか経っていないのに。




 アキヒロにメールをしてから約四十分後、地図のおかげで迷うことなくアキヒロのバイト先にたどり

着くことができた。


 音楽教室と写真屋さんの隣に、そのティールームはあった。ログハウスっぽい木の外装の、オシャレなカフェ。入り口のドアには流木を使ったドアノブと、さりげないプレートが掛かっており、そこに Tea Room * LUPINUS と書いてある。


 …アキヒロのバイト先にしてはオシャレすぎるなぁ…なんて思いながら、美花はそのドアノブを押して、店内に入る。


「いらっしゃいませー。」


 シャランシャランシャラン、と耳障りの良いウィンドベルの音と、明るい女性の声が美花を出迎えてくれる。カウンターにはウェーブした長い髪をひとつに束ねた爽やかな大人の女性と、その隣に少し照れくさそうにはにかんで笑いながら美花に「よっ」と手を挙げる見慣れた姿が立っていた。


「いいよ木下。ラストオーダーまであと五分だし、今日はもう他にお客様来なさそうだから。」


 アキヒロの隣の綺麗な女性が、そう言って笑う。きっとこの人がここの店長さんなんだな。アキヒロは「すいません」と彼女に頭を少し下げてカウンターから出てくる。


「座ったら?」


 アキヒロに促され、テーブル席に着く。美花は店内をきょろきょろ見回す。カウンター席が五席と、二人掛けの席が三組の、こじんまりしたお店だけど…明るいナチュラルウッドの椅子とテーブルは、手作り感のある温かみのあるもので、なんだか座っていてホッとする。椅子にはグリーン地にイエローの細かいストライプのクッション、木の枠がオシャレな窓辺と各テーブルには青みがかったピンク色のコスモスが一輪ずつ、小さなガラスの一輪挿しにちょこんと納まっている。センスのいい、インテリア…。


「アキヒロがバイトしてるって言うから、もっと怪しげなアジアンちっくなティールームかと思った。」


 美花がくすくす笑っていると、さっきの女性店長が笑いながらお水を持ってきてくれた。


「そーねぇ。木下のイメージじゃないわよねぇ。」


「…雇ったのは多嘉子さんでしょーが。」


 アキヒロに“多嘉子さん”と呼ばれた彼女は「そっか」とペロッと舌を出して笑う。その仕草、大人なのにすごく可愛らしい。素敵な人だなぁ。


「美花、なに飲む?」


 アキヒロがメニューを広げてくれる。美花はパラパラ…とメニューをめくってみるが、四・五ページにわたって紅茶の名前がいっぱい書いてあって、迷ってしまう。


「うーん…。」


 しばらくうなっていると、アキヒロが苦笑する。


「相変わらず優柔不断だなぁ。…多嘉子さんのオススメにするか?」


「オススメ?」


 聞き返すとテーブルサイドに立ってオーダーを待っていた多嘉子がにっこり笑って頷く。


「これだけ種類が多いと迷っちゃうお客様多くって…わたしの直感で、その人に合った紅茶を“オススメ”って言ってお出しすることがあるの。それでいい?」


「あ、はい。お願いします。」


 美花がそう言うと多嘉子は笑顔のまま頷いてカウンターに戻っていく。


「で、悩み事って?」


 テーブル席に向かい合って、改めてアキヒロを見る。普段はふざけているのに、こういう時はちゃんと真面目に美花の話を聞こうとしてくれる。美花はそのアキヒロの姿にいつも安心して悩みを打ち明けることができるのだ。


 美花は一週間前に起きた出来事を全てアキヒロに説明する。店長の話、結婚の話、友達の意見…全てのことを吐き出すように、話す。途中アキヒロは美花の話に口を挟むことなく、真剣な目で相槌を打ってくれる。


 …ひととおり一気に話すと、喉がカラカラになっていた。水滴のたくさんついたグラスを手にし、喉を潤そうとした時、ちょうど多嘉子がティーポットとティーカップを持ってテーブルに戻ってきた。カップに琥珀色の紅茶を注ぎ、美花の目の前にそっと置く。


「お待たせしました。マルコ・ポーロです。」


「マルコ・ポーロかぁ…なるほどねぇ。さすが多嘉子さん。」


 アキヒロが意味ありげに笑うと、多嘉子はふふ、とこれまた意味ありげに微笑んでテーブルにティーポットを置き、ティーコジーを掛けてカウンターに戻っていく。美花は一人意味がわからず疑問顔。マルコ・ポーロ? って、東方見聞録の?


 目の前の紅茶がふわぁんと深みのある甘酸っぱい香りを漂わせているのに我慢できず、とりあえず美花はそのマルコ・ポーロとやらを飲んでみる。香りと同じ、深くて甘い…実物は見たことないけどホテルのスィートルームにあるような、絢爛豪華に活けられた花やたくさんに盛られた果物を髣髴とさせる、ゴージャスな味。紅茶という名前そのものの、輝く紅い水色。上質のアンティークのような、初めて出会うのに懐かしさを覚えるような、そんな紅茶だ…。


「美味しい…。」


 呟くようにそう言うと、アキヒロが満足げに頷く。そして、おもむろに口を開く。


「…さて。まず第一声。」


 美花はカップを置いてアキヒロを見つめる。


「…盆と正月、なんでまず素直に喜ばないの? すっげーめでたいじゃん。オレ素直に美花よかったなぁ…って思うよ。」


「嬉しいよ。嬉しいけど…」


 美花が口を開くとアキヒロがすぐに遮る。


「次に。なんで二者択一度と思っちゃうの? どっちかを選んだらどっちかは諦めなきゃなんて、美花は極端すぎるんだよ。店長の話を受けて彼氏と結婚することだって、なんか方法はあるだろうし、結婚して今は店長の話蹴ってニューヨーク行ったって、将来自分の店持つことだってできるだろうし、どっちも選ばないことだってできるだろ? AかBか、どころか選択肢なんて無数にあるはずだぞ。」


「そうだけど…」


 アキヒロは美花に反論する隙を与えない。


「一番大切なのは美花、お前はどうしたいのか、ってことだよ。サトコがどう言ったとか、キヨミの意見はどうだとか、そんなことどーでもいいんだよ。お前自身が、本当はどうしたいのか、この一週間で少しでも考えてみたか?」


 あたし自身がどうしたいのか…? 考えて、なかったかもしれない…。


 アキヒロに言われて、美花は黙り込んでしまう。そうだ、あたしはどうしたいんだろう…人の意見ばっかり求めて、自分の意見には注目してなかった…?


「あたし…は、どうしたい、か…?」


「そう。自分が捜し求める答えは、他人の中にはない。結局自分の中にしか、ないんだよ。一回心を落ち着けて、自分自身に聞いてみな。本当に彼氏と結婚したいのかとか、本当にその新しい店の店長やりたいのかとか。」


 …混乱していた頭の中が、だんだん整頓されてくる気がする。美花はもう一度マルコ・ポーロを飲んで、さらに心を落ち着かせる。深く、体の中に染み渡る、心地良さ。


「…そーだ、旅に出てみるといいんだよ。マルコ・ポーロみたいに。」


「旅? 旅行?」


「いや、物理的にどっか行く…って感じじゃなくて、精神的な旅…心の旅、ってのかな。自分の心の中に、答えを見つけに行く旅。一回時間とって、一人でじっくり考えてみるといいよ。マルコ・ポーロは未知の海の向こうに旅に出て、いろんな発見をしただろ? 黄金の国ジパングとか…。美花もきっと、自分の心の中に、信じられないくらいいろんな発見があると思う。その中に、自分が一番幸せになる方法、必ずあるから。見つけたら、ちゃんと彼氏にも話すこと。自分はどうしたいか、どう思っているのか、プロポーズの答えより前に話さなきゃいけないこと、まだまだたくさんあるだろ?」


「うん…。」


 …旅、か…。バックパッカーで各国を渡り歩いてきたアキヒロに言われると、すごく説得力がある。アキヒロは、一人で旅をしながらいろんな自分を発見してきたんだろう。…確かに高校時代から思うと、落ち着いたというか…自由奔放は変わらないけど、この紅茶…マルコ・ポーロと同様、深みがあるっていうか…。


 美花はマルコ・ポーロをまた飲んで、その深さをまた実感する。紅茶と共に、アキヒロの言葉が自分の中に深く深く浸透して、心がどんどん落ち着いて…クリアになる。


「…わかった。一度ゆっくり考えてみる。一人旅、してみるよ。」


 そう言うとアキヒロはうんうん、と頷いて微笑む。


「宝物見つかったらオレにも教えて。しっかりガッツリお祝いしよーぜ。」


 うん。美花は頷いて微笑み返す。やっと心から笑えて、なんだかさっきまでのぐちゃぐちゃが嘘のようだ。


 …アキヒロのおかげだ。美花は思う。


 思ってから、あ、それともうひとつ、とつけ加える。…それから、この紅茶…マルコ・ポーロのおかげ。この二人のおかげだ。


 その時多嘉子がタイミングよく小さなお皿にクッキーを数枚乗せて持ってきてくれる。


「あ、これサービスね♪」


「わー、ありがとうございます。」


 美花はスッキリした気持ちのまま素直に喜ぶ。…素直に嬉しいと思うことって、気持ちい。そんなことをふと思う。


「よかったぁ。悩み、クリアになったみたいね。木下、やるじゃん。」


 多嘉子がそう言ってアキヒロをつつくと、アキヒロはふふん、と自慢げに笑う。


「惚れ直しただろ?」


 えっ、この二人ってそういう関係なの? 美花がビックリして多嘉子を見ると、多嘉子はしらーっとして答える。


「…惚れてもないのに惚れ直すことは不可能ね…。ありえない。せっかく今の悩み相談で木下の株上がったのに、今のひとことで急下落した。」


「大暴落かい…キビシーなぁ…。」


 二人のやりとりを見て、美花はくすくす笑う。そうかぁ、アキヒロの片思いなんだ。たーのしい。


 美花はクッキーをつまんでまたマルコ・ポーロを飲む。紅茶単品でも美味しかったけど、クッキーの甘さがさらに紅茶の美味しさを増やしている。美味しいもの同士…これも、お盆とお正月?


 …お盆とお正月、案外同時進行でも、楽しめるかも…幸せに、なれるかも。


 そう思うと少しワクワクしてきた。…あたしも、マルコ・ポーロのように漕ぎ出してみよう。自分の心の中の、海へ。


 改めて、美花は二人に感謝する。


 ありがとう、アキヒロ、そしてマルコ・ポーロ。







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