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15話 受験チャレンジ

 学園内では受験生が溢れかえっている。

 学園の門は開いた状態になっており、いびつな形で列をなしている。

 アリさん行列が障害物を避けるような形に縦一列に行列ができている。

 障害物であるオルスは受験生から避けられ、「邪魔だよー。」って言う罵声を浴びても起きる気配が無い。

 とうとう一人の受験生がオルスを蹴った。

 ガキ大将みたいな受験生である。


 「おい、邪魔なんだよ!どこで寝てやがる!」


 ガキ大将がそう言うと、その後ろに立っている2人はケラケラと笑う。


 「邪魔邪魔ーwww」


 オルスは目を覚ました。

 強烈な目覚まし時計によって。

 そこに、受験案内人がやって来た。


 「受験生ですか?そしたら、うしろに並んでもらって、受付をしてください。」(案内人)


 「はい。すみません、寝坊が怖くてここで寝かせてもらいました。」(オルス)


 オルスは周到に用意していた言葉をそのまま使った。

 昨日の晩に何回も心の中で練習した言葉を。

 そして、オルスは列の最後部へと並んだ。

 受験票など持っていないのに。

 それを要求されれば「忘れました。オルスです。」って言うつもりである。

 それで受験できるか分からないのに、だ。

 アーガイル家の名前を出せば何とかなるだろうと安易に考えていた。


 「あ、オルスさん!」


 聞いたことのある声でオルスと言う人物が現れた。

 その人物は、他の受験生から怖がられている。

 そう、それはバーンであった。

 バーンもオルスが学園の庭師になることくらい聞かされていたし、今日学園の見学に来ることも知っていた。

 

 「オルスさん、受験する気なんですか!?」


 バーンはオルスの考えることを見破っていた。

 バーンは賢いのだ。

 賢いが故に、変な遊びを堪能できるのである。

 

 「受験できるんですかね?学園での生活に憧れていて、、、だめですかね。」


 オルスは、学園生活を楽しみにして、やっちゃ悪いことと分かっていても不正受験を試みようとしている可哀想な人を装った。

 バーンにも不正受験を手伝ってもらえるように。


 「受験できますよ!僕がいれば多分大丈夫です!」


 バーンは、権力を最大限に濫用しようとしている。

 その思惑は学園でオルスと遊ぶためである。

 6年間にも及ぶ学園生活を全てオルスに費やす覚悟である。

 それほどにまでオルスは価値のある玩具なのである。


 「ありがとうございます!受験します!」




 「では、受付を開始しますー!!!」(案内人)


 「いよいよですね」(オルス、バーン)


 オルスとバーンは同じタイミングで一緒に同じ言葉を言った。

 オルスはワクワク感、バーンは首席合格へのイキイキ感で。



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