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14話 学園見学

  アーガイル家の庭園で二人の男性が話をしている。 

 一人はニワさん、もう一人はニワさんと同じ歳くらいのおじさん。

 二人は、仲良く昔話を話している。

 学園の時の話だ。

 女の子に振られたことや、当時地味だった人が騎士団長になったこと、ガンズ王の昔話など、たわいも無い話をしている。


 「ところで、あの男の子のことなんじゃが」


 ニワさんは切り出した。

 少し遠くに離れているオルスを指差して話し出した。

 オルスはニヤニヤしながら庭の植木を一生懸命切り刻んで、景観レベルを大幅に引き下げようとしている。

 オルスはワクワクして頑張っているだけなのだが。

 剪定により生まれたゴミを自分で焼却処分できるようになったオルスは、失敗作を燃やす。


 「アレはいち早く学園が引き取らないとな。先日、ダーブリ氏からも学園の庭師として推薦をもらっていることだしちょうどいい。」


 ダーブリ氏はあの肥満男。

 その名前は、ギンドリー・ダーブリ。

 

 ギンドリーこと肥満男は、会合が終わってからではなく、会合の合間に学園長に連絡をしていた。

 ニワさんと話しているのは学園長。

 偉大な魔法使いとして世界に名を轟かせている。

 その名前は、ダミウス・バレル。

 子供にダミウスという名をつける者もいるくらいだ。

 

 ダミウスは銀色の長髪。

 なぜか髭は剃っている。

 そのボサボサ感からして性格が伺える。


 「オルス君!!」(ダミウス)


 「はい、なんでしょう!?」(オルス)


 オルスはダミウスに呼ばれ、ゴミを処分してからダミウスの方へ向かう。


 「君、学園に興味があるかね?」(ダミウス)


 「はい!興味しかありません!」(オルス)


 「では、今年の春から学園で庭師として働かないかい?後1ヶ月後になるが、学園で働いてくれるのなら、今すぐにでも手続きをしようと思うんだが、どうかな?」


 ダミウスはオルスを学園に誘った。


 「明日にでも行けます!僕を学園の庭師として雇ってください!」


 オルスは即答した。


 「では、明日、学園に見学に来てみてはどうかな?ちょうど受験生が試験を受けていて、学内はほとんど見学できるぞ。」(ダミウス)


 「行きます!いえ、行かせていただきます!!」(オルス)


 オルスは、バーンやガンズが何と言うか分からないのに、何も考えずに承諾し、さらには明日、学園内を見学することとした。

 まぁ、ダミウスがガンズやバーンにお願いすればほとんどは承諾してもらえるので、何の問題もないが。

 案の定、学園の庭師として働かすことについて、ガンズとバーンは承諾した。

 

 ダミウスはオルスに学園の場所を教え、翌日の午前8時頃に学園に来るように言った。



ーーー翌日ーーー


 

 オルスは学園に到着している。

 その時刻は午前6時。

 わざわざ早起きした理由は、受験生に紛れ込もうと考えているからである。

 前日、ダミウスに試験時間を聞くのを忘れたため、午前6時に学園に向かったのである。

 しかも、オルスはアーガイル家の客部屋に泊めてもらっていたためガンズ王やバーンにもバレずに早朝に城を出ることができた。

 門兵も眠たそうに門外を監視しているので、オルスは門兵ごと門を飛び越え、誰にもバレずに城から出れた。

 オルスの計画は完璧だった。


 そして、学園の場所は、アーガイル家から徒歩で20分くらいの場所にあったが、オルスにとってはどうってことない距離である。

 

 オルスは学園に到着すると、そこには誰もいなかった。

 ″試験会場″という看板は立てられていたが、そこには午前8時と書いてある。

 試験時間は午前8時からだったのだ。

 オルスは眠ることにした。


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