8話 運命の選択
「ここで体を洗ってください。不便があれば、私ははそこに居てるので声をかけてください!」
ニワさんは、バーンと居てる時とは違った話し方をした。
敬語や気遣いをしている、そんな感じで。
違和感満載の言葉使いだったが、オルスはそれどころではない。
水浴びで中のセリフを考えるのに脳をフル稼働させているのだから。
(どうしよう。ツンデレと出会ったことがない。あの男、あの男を話題にしよう!あれ、あの男の子の名前、聞いていない。。まてよ。ここに住んでいる人の名前、誰も知らない。ん!?、なぜ、聞かなかったんだ俺は!)
オルスは、この世界に来てから、名前を知ったと言えば”ジン”くらいだと今になって気づいた。
自分は、絶対に自己紹介しているのに。
不公平だと思う。
正確には、ジン・〇〇程度しか知っていない。
フルネームは知らない。
「とりあえず、水を浴びよう、、あの庭師も俺が出てくるのを待っているわけだし。」
オルスは、案内された水浴び場で体を洗い始める。
・・・
「誰も来ねーじゃねーか!!」
「お呼びですか?」
ニワさんが来た。
「いえ、気持ちよくて、つい寝てしまい、、、あの、うなされていたというか、あまり思い出したくない思い出をですね、、、」
オルスは、必死に言い訳をした。
だけど、その焦り方がいい感じに雰囲気を醸し出していた。
歴戦の、孤独な凄まじい人生観を。
”この人は、仲間を失いながらも自分の使命を全うし、結果残ったのは孤独しかなかった、こんなことを求めていたのではない、楽しく冒険して、、それで満足するべきだったんだ。”と後悔するような。
そんな人物像が見えてくる。
そんな経歴はない。
そもそも友達すらいない。
ニワさんは、そんなオルスを見て、自分を見ているように感じるのであった。
(この少年も、若くして仲間を失い、自分を見失いそうになっている。ワシと似ているな。)
ニワさんは、そんなオルスを見て、想像を膨らませ、想像から抜け出せなくなっている。
それよりも、ニワさんの今までの人生が気になる。
だが、ニワさんは自分のことは話さない。
「そろそろ、城に向かおうか!」
ニワさんはオルスを城に連れて行きたそうにしている。
「行きましょう!」
オルスとニワさんは城の裏側に向かう。
城の出入口は1つではない。
表から見えるだけで8箇所はある。
内側からの逃走ルートとして確保している出入口はもっとあるだろう。
オルスとニワさんは、出入口に到着すると、バーンが待っていた。
怖そうな貫禄のある男性と一緒に。
「君、ここの庭師にならないか?」
すみません。お酒飲みすぎて酔いすぎて、この量で限界です。