2.水浴び
「で、今日の収穫は」
「えーっと……」
二人は今の拠点である風化し崩れたレンガの建物がある場所まで戻ってきて、今日の探索の結果を話していた。
クミナは気まずそうに正座のままで俯いている。
「ごめん! ゼロ!」
「はー、まあクミナがいなかったらあそこで死んでただろうし今日は大目に見るよ」
そうサザリカが言うとクミナは顔を上げ明るい顔になる。
「ありがとうサザリカ!」
「じゃあ私の成果が今日の全てって事ね」
そう言いながらリュックサックを降ろして前に持ってくる。
そして中身を取り出しながら砂の上に並べていく。
「ネジ数十本、電池四個、小さい万力一個、キーホルダー三個、ノート一冊、水筒一本、硬貨数十枚、カッターナイフ一つ、瓶三本、ビニール袋いくつか、ドライバー二本、本三冊、野球ボール一つ、あと電子機器に使いそうなパーツがいくつか、これで全部」
「うわー凄い凄い」
喜ぶクミナ。
「これは置いておこうかな」
サザリカはカッターナイフ、ビニール袋、電池ををそのままにして残りをリュックサックに詰め直した。
それを持って、崩れた建物の側にある箱のようなものの前に立つ。
幅2m、高さ1m、奥行き1m程で中は丁度真ん中の位置で二つに仕切られている。
上には蓋があり、それも仕切りの位置で二枚に分かれている。
右側が三分の一程砂に埋もれて斜めになっていた。
色は真っ黒で、材質は金属のようだ。
箱の左上隅には液晶パネルが張り付いている。
サザリカは左側の蓋を開け、袋の中身をバラバラと入れた。
蓋を閉じて数秒が経つと、液晶画面が光り出す。
上には5046と表示され、その下に食料、雑貨の二つの字が表示されている。
「5046だって」
「うわーけっこういったねぇ」
「どうしようか」
サザリカが振り返りクミナに言う。
「あっ、そういえばさっき走り過ぎて靴ボロボロなんだけど……」
「じゃあ靴とマッチと下着と……あとは野菜と肉と塩と……あ、あと石鹸と」
そう言いながら液晶画面を押していく、表示された数字が減っていく。
「こんなもんでどう?」
サザリカが言うとクミナが立ち上がって液晶画面に寄ってくる。
「うん、これでいいよー」
「じゃあ」
サザリカは画面の右下に表示されている完了の字を押す。
「完了っと」
「んー、じゃあ水浴びしてくるねー、もう砂まみれだよー」
クミナが背伸びをしながら言う。
「わかった」
クミナは石鹸とタオルを持って、数十メートル離れた場所にある川にやってきた。
岩肌の中を水が流れている。
水深は浅く、深い所でも腰程度までしかない。
相変わらず砂ばかりの場所ではあるが、水の音が清涼感を与える。
上流の方には岩山が川を挟むように連なっている。
拠点付近よりは緑が見えているが、それでも少ない。
クミナは服を脱ぎ砂の上に投げ捨てると、鼻歌を歌いながら水の中に入っていく。
深い所を見つけると顔まで全身を水に埋める。
数秒後、勢いよく水から飛び出した。
「はーさっぱりした!」
長い髪が体に張り付く。
サザリカより数段は発育の良い体が晒されるが、誰にも見られることはない。
今度は平らな岩のある浅い場所を見つけ、そこに座り込んだ。
「あーきもちー」
その後、石鹸で体と髪を洗うとまた深い場所に浸かる。
洗い終わって川から上り、体を拭いて服を着ると、近くの背の低い草が密集した場所で横になった。
水浴びの後はいつもこうしていた。
しばらく遠くの景色を眺めていたがそのうち目を瞑る。
クミナが川に向かって数分後、黒い箱からピーと音が鳴る。
今日手に入れた物を点検していたサザリカが、箱に近づく。
右の蓋を開けて中を見ると、そこには食料と雑貨が乱雑に入っていた。
丸い野菜が3玉、葉物7束、芋が10個。
あとは肉の塊が1kg程。
雑貨はマッチ2箱に石鹸1個、下着は白や紐や透けてるものなどバラバラに6組。
箱を足場にして中身を取り出すと、肉は干し肉にするので鉄の板の上に置き、野菜と雑貨は建物に入りすぐ右の隅に置いてある種類別に並べられた木箱入れた。
戻り壁に突き刺した鉄棒にぶら下げてある包丁を手に取る。
建物に2階建てで、1階は10畳、2階は6畳ほどある。
天井にはトタンを置いた屋根があり、砂や作ったレンガで壁の穴が塞がれている。
外に出て肉の前に戻ってくると、肉を切り始める。
「あっ……包丁も追加しておくんだった」
全て切り終えると建物内に戻り、左奥隅に置いてあるドラム缶からその側に置いてあるプラスチック製のボウルに水を汲む。
そして木箱からビニール袋に入っている塩を取り出してボウルに入れる。
そこに肉を漬けて部屋の中央にあるレンガで作ったテーブルの上にボウルを置く。
「今の所こんなもんかな」
腰に手を当てふっと息を吐く。
そしてサザリカは雑貨用の木箱からボウルを取り、壁にぶら下げてあるもう一枚のタオルを見るとそれを手に取り、クミナの居る川へ向かった。
川に着くと、草の上に転がっているクミナがいた。
手を投げ出し口を半開きにして仰向けの状態でぐっすりと眠っている。
サザリカはクミナの顔の横にしゃがみ込むと顔を眺める。
「まーた寝てたんだ」
声を出してみるが起きる様子はない。
「……」
その様子を見たサザリカはクミナの胸に右手を置いた。
そしてそのままクミナの豊かな胸を揉み始める。
「なんでこんなにあるかねえ、運動の邪魔だろうし私に分けてもいいんじゃない?」
そう言いながら揉み続けているがクミナの反応はない。
「無防備だなあ、まあ他には私しかいないんだけど」
「んっ……あぅ……」
「おっと」
30秒程その柔らかさを楽しんでいたサザリカだったが、クミナが声を出すと揉むのを止める。
しかし起きる様子はなくまた寝息が聞こえてくる。
「んっしょっと」
それを確認するとサザリカは立ち上がり服を脱ぎ始める。
畳んで草の上に置くと、クミナの横に置いてあった石鹸を持って川に入る。
深い場所に入ると、ボウルに水を入れ頭からかぶる。
「ふー」
息を吐くと顔の水を拭って数回瞬きをする。
そのまま川の下流を見つめる。
「これってどこまで流れてるんだろ……」
サザリカは立ち尽くしたままぼーっと川の流れを見る。
目を閉じ、深呼吸をする。
数回深呼吸をすると目を開け、岩に置いていた石鹸で体を洗い始める。
途中、視界にクミナが入り、そちらを見る。
まだ気持ちよさそうに眠っていた。
「ははっ…」
その様子を見たサザリカが笑った。
「おーい、いい加減起きろ―」
洗い終わり服を着たサザリカはクミナの上に膝立ちになり両手で胸を揉んでいた。
冷たい金属ばかり相手にするせいがこうしているととても癒される。
「んんんんんんん……はぁっ……」
紅潮した顔のクミナがゆっくりと目を開く。
「えっ…」
目の前にあるサザリカの顔に驚いた様子になるクミナ。
「おはよう、いやこんばんは?」
そう言いながらもサザリカは揉み続けている。
「ちょ……っと……はっ……なにして……ぇっ……」
「話しかけても全然起きないからこうするしかないと思って」
「もう起きた! 起きたからもう止めてぇ……っ」
サザリカはやっと手を胸から離し立ち上がる。
クミナは仰向けのまま荒く息を吐き続けている。
「そろそろ帰るよ、暗くなってきた」
「えっ、あぁ……本当だ……けっこう寝てたんだねぇ私……」
クミナは息を整えゆっくりと立ち上がるとサザリカをじっとりとした目で見る。
「人が寝てるのをいいことにぃ」
「クミナの胸が悪いんだよ、柔らかすぎて気持ち良すぎるんだもん」
サザリカはまったく悪びれた様子が無い。
それをみてクミナはため息を吐く。
「はぁー、もういいや。じゃあ帰ろ」