角砂糖のアソート3/4「マインスイーパー」
2015年度漫画研究会合同誌秋部誌に提出した作品です。
4つの短編を提出しました。
「マインスイーパー」
デスゲーム系にはやっている時に考えていた話。だが、自分にはこういったデスゲーム系は描けないなと思い断念。いつかリベンジしたい。
男と女と男が密室にいた。三人の目の前に扉がある以外、壁は装飾も一切泣く真っ白の壁。ところどころのくぼみからコンクリート製であることがうかがえる。そして三人の手元にはスイッチが一つずつ、そして紙切れが握らされていた。いつの間にかここにいて、いつここに来たのか三人とも覚えていない。
三人はそれぞれ紙切れを見てみる。そこにはこう書いてある。
「ボタンは爆弾であり、鍵である。あなた方は1つだけ爆弾の場所を知っている。鍵のボタンを押したのならこの部屋から出られるだろう」
紙切れを読み終えると、女はひどく取り乱した。
「ボタンは今この部屋に三つ、そして爆弾はこの部屋に二つあるってことよね?で、この部屋から出られるのは一人だけ…ってなるけど…」
女は知っている。片方の男が持つボタンは両方とも爆弾だという事を。つまり、女は男になんとかしてボタンを押させる必要がある。女は考えた。つまり私ともう一人の男のどちらかが爆弾を持っているということになる。全員で同時に押させるのもいいが、それだとあまりにリスクが高い。だが結局の所、運になってしまう。だから何とかして私が生き残る事を考えるのなら私はボタンを押さないように他の男の二人に押させるようにした方がいい。だがそれは相手も考えることは同じである。一体どうやって話を進めればいいのか。女は必死に考えた。
考えた結果、女はとりあえず、爆弾であると決まったわけでない方の男に「それは爆弾ですよ」という事にした。とりあえず、向こうの情報を聞き出していかないと埒があかない。そうすることにした。
しかし、女は男二人の顔を見た瞬間、異常を感じた。男二人の顔が明らかにおかしいのだ。目に生気がない。二人とも目に生気がなく、ただその二人で何かを分かり合っているような風に感じ取れた。
次の瞬間、男たちは理解しがたい行動に出た。突然ボタンを押したのだ。
勿論、男の片方が爆弾だという事は理解していた。男の体ははじけ飛んだ。片方の男がはじけ飛んだのを見てもう片方の男もボタンを押そうとしていた。
「待って!どうしてそんなことをするの!?」
女は叫んだ。男は女の方を見て言う。
「時期に分かる」
男はそれだけ言うとボタンを押した。その男の体も弾け飛んだ。白く塗られたコンクリートの壁は途端に赤色に染まった。女は震えた。震えながら、少し喜んだ。二人が爆発したという事は女のボタンは確実に鍵であるという事だ。
女は自分のボタンを押す。目の前の扉がゆっくりと開く。女は震えた足を動かして駆け込んだ。もうこんな狂った場所にいたくない。早く帰って普段の生活に戻りたい、女はただそれだけを望んでいたのだ。
女が駆け込んだ先は、また部屋だった。部屋の中心にはボタンがひとつだけあった。その部屋の壁には扉といえるようなものは無かった。
男の言葉の意味が分かった。あの男たち二人はゲームの最初に『ここに爆弾があること』を教えられたのだ。女は乾いた笑いをあげた。そうか、最初からこうなることが決まっていたのだ。心理戦や運など関係ない。脱出させる気がないのだ。
ひとしきり、のどがつぶれて咳が止まらなくなるまで笑った後、女は乱雑にボタンを叩いた。すさまじい衝撃を女が襲った。部屋は爆炎に包まれた。白い壁はまたしても赤く染まった。