登場装置・兵器 一覧
この項目では、本編中で登場した装置・兵器についてあいうえお順に紹介していきます!
内容は順次更新していきます。
ESA
…詞法陣を組み込んだナノマシンを詞素と一緒に金属に混入させた、構造材の一種。
正式名称は「Ein Sof Alloy」
なお、「Ein Sof」は「無限」「光」「神なるモノ」といった意味を持つ。
ナノマシン単体には断片的な術式しか内蔵されていない為実効的な効果を持たないが、高出力の超小型AIUを一定間隔で配置し核とすることで思念波を発振・増幅することを可能とし、非常に高い詞素伝導率を実現させている。
これは近年開発されたばかりの新技術であり、一応構造材として市販されてはいるが生産数自体が少ない。
グラムあたりの相場が貴金属の相場を遥かに超えているが、その汎用性の高さから多くの詞素学関係の企業が競って入手を試みている希少な生成物である。
主な使用用途としては、AIUやAMの構造材などがある。
cボックス
…詞晶石を保存し、また、再変換(再び粒子に変換すること)を目的として開発された保存装置。
正式名称はクリスタルボックス(crystal box)。
ウィスタリアで初めて開発された装置でもあり、現在では詞素学及び構成学分野の発展を担う要として様々な用途で利用されている。
スプレーガン
…荷電粒子へと転化させた詞素を広域に亘って散布する、AM専用の射撃兵装。
Cボックスから抽出した詞素を荷電粒子へと転化させつつ、銃口から粒子状のまま散布することに特化した構造をしている。その為、物理的な攻撃力はほとんどなく対人用の兵器としてはまず使用されない。
しかし詞素を広域に亘って散布できるという性質からハンニバル迎撃作戦に好んで配備され、小型から中型のハンニバルの牽制、及び殲滅用として用いられることが多い。
Harmonizer
…詞素の保存・供給の役割を担う小型AIU。
別名「粒子状防鎖」
機能自体は一般的に市販されているC(crystal)ボックスと大差ない。
ハーモナイザーの内部にはCボックス同様詞晶石が入っているが、結晶の再変換(詞晶石を再び詞素に戻す)速度と装置自体の柔軟性を向上させるべく粉末化されている。
十分な柔軟性を有した容器は、外見的には薄い箱に近い。
ただしハーモナイザーの内部には、詞晶石を再変換させる為の術式と、ハーモナイザーとHNSとを同調させる為の術式の二つの詞法陣が組み込まれており、厳密に言えばCボックスとは全くの別物である。
ハイパワー・フォノンライフル
…荷電粒子へと転化させた詞素をビーム状にして銃口から射出する、AM専用の高火力・長距離射撃兵装。
詳しい原理はフォノンライフルとほぼ同様である。
一度に撃ち出す詞素の量が多く、フォノンライフルのおよそ三倍程度の火力を有する。
しかし威力が凄まじい反面、連射性に劣り次発装填には二十秒近い時間を要する為、実戦での使用には仲間との協力体制を前提とした立ち回りを要求される。
HNS(ハーモナイザースーツ)
…ハーモナイザー装着用の戦闘用バトルスーツ。
開発責任者は雨宮襲。開発協力者は鳴神楠那。
素材は主に最新の人工筋肉で構成されており、見た目はパイロットスーツに近しいものがある。
スーツの人工筋肉の一部には、詞素を効率良く循環させる為にESAと呼ばれる詞素伝導率の高い超硬度特殊合金を細い繊維状にして編み込んであり、スーツの強度を高めると同時に、ハーモナイザーから送られてくる詞素と術者の思念波をHNS全体に行き渡らせる為の回路のような役割を担っている。
スーツの随所にあるプロテクターは、複数の衝撃吸収素材を重ねて階層構造を構築している為、この特徴を活かしてプロテクターの内部にも詞法陣が描き込まれている。
描き込まれている詞法陣の効力としては、詞素をスーツの周囲に展開しつつ立体格子状に結合させることで、スーツ表面に粒子の力場を生成。擬似的な『詞素装甲』のような効果を獲得する。
基本的に内部に組み込まれた装置が全自動で術の制御を行う為、装着者が術を意識して思念波を送信し続ける必要はない。
指定の周波数の思念波を送信するとHNSは起動し、その後は装着者の詞素呼吸に含まれる微弱な思念波で機能し続ける。
ただしスーツによって生成される力場は「詞素装甲」よりも若干強度が劣るものであり、放たれる余剰エネルギーも緑ではなく青の可視放射である為、内蔵されている術式としてはあくまでも「疑似詞素装甲」と呼称される。
フォノン・ガトリングガン
…荷電粒子へと転化させた詞素を立体格子状に結合させつつ回転する銃口より間断なく射出する、AM専用の射撃兵装。
Cボックスから抽出した詞素を結合術式を介して立体格子状に結合、詞素の弾丸を生成し、詞素の拡散時の運動エネルギーを弾丸の運動エネルギへと置換する形で詞素の弾丸を射出する。
なお、結合術式を用いる関係上、放たれる光弾は緑色に見えることが多い。
フォノンセイバー
…荷電粒子へと転化させた詞素をグリップ(柄)の延長線上に放出しつつ立体格子状に結合させ、刀身状の力場を発生させるAM専用の近接兵装。
近接戦闘においては最も取り回しの良い武器の一つであり、ハンニバルのみならず対人戦闘を始めとした様々な用途で用いられる。
外見的には「光の剣」そのものだが、その実態はビームではなく結合術式を介して形成された荷電粒子の力場であり、物理的な性質も色濃く持ち合わせている。
フォノンバレット
…詞晶石を弾頭に詰めた対ハンニバル用特殊弾。
着弾時の衝撃によって弾丸内部の詞晶石が乖離(詞晶石が熱エネルギーによって蒸発し、再び粒子状態に戻る)現象を引き起こすような仕掛けを有しており、着弾地点を中心として眩い爆発を起こすことで、ハンニバルの細胞組織を破壊することが可能。
しかしその弾丸の形状の特殊さ、重ね起爆性を有するという性質から通常の銃では使用できず、運用にはフォノンバレット専用の銃が必要となる。
構成術が使えない者たちにとっては、簡単に携帯できる武装としてはハンニバルに対抗する為の唯一無二の武器となっている。
フォノンミサイル
…大型の詞晶石を弾頭に搭載した、対ハンニバル専用誘導ミサイル。
着弾と同時にミサイル内部の発熱機関が詞晶石を加熱し気化させることで、凄まじい爆発を生じさせる。
誘導システムとしてはフリークス粒子による電波妨害を受けぬようレーザー追尾システムを搭載しており、射程距離は最大でも十キロメートル前後が限界。
主に中距離での流用を目的として開発、配備されている。
フォノンライフル
…荷電粒子へと転化させた詞素をビーム状にして銃口から射出する、AM専用の射撃兵装。
仕組みとしては、Cボックスから抽出した詞素を射出に適した性質へと詞法陣を介して転化させ、更に「偏向場」と呼ばれる詞素の運動べクトルを任意の方向へと偏向(変更)する術式を併用することで、高エネルギー状態の詞素に指向性を持たせると同時に収束・加速させ、銃口から射出する。
大雑把なメカニズムとしては重金属を用いた荷電粒子砲に近しいものがあるが、武器としての性能には雲泥の差があると言わざるを得ない。
詞素の運動を操縦者の思念波によってある程度制御できるという性質上、使い手の力量次第では大気中や水中でのビームの減衰が限りなく抑えられる上に、威力も射撃精度もフォノンライフルの方が数段上である。
対ハンニバル用の武装としても然ることながら、対人用の兵器としても非常に優秀であり、AMの兵装に措いては花形とも言える立場を確立している。
FLAME-P300
…対物ライフルの面影を随所に残した、ライフル型AIU。
実弾を詞素の被膜で保護しつつ弾丸の加速度を構成術によって強化することで、従来の兵器とは一線を画すほどの威力と射程距離を実現した。
なお、詞素そのものを武器として扱わず、実弾(12.7x9.9mm弾)を使用する点はAIUとしてはかなり異例だと言える。
フレイムの通称で呼ばれる対物ライフルの面影を残したこの兵器は、従来の対物ライフルと同様、実弾を用いることには変わりない。その一方で、弾丸を発射するメカニズムにおいては大きな相違点がある。
メカニズムとしては、銃身の下部分に装着した「Cボックス」からその内部に保存されていた詞素を銃身へと充填・圧縮し、拡散時の粒子の運動エネルギーを弾丸の運動エネルギーに置換するかたちで弾丸を射出する。
「荷電粒子砲」と呼ばれる兵器に類似した内部構造をしているものの、あくまでも粒子を「火薬」の代わりとして実弾を撃ち出す。その点、爆発的なエネルギーによって弾丸を撃ち出すメカニズムについて考慮すれば、従来の銃と大差ないと言える。
しかしながらも従来の火薬を扱った銃とは大きく異なる点もいくつかあり、その中でも詞素の運動、即ち拡散速度とその方向を制御することで、獲得したエネルギーの多くを弾丸へと伝えることが可能となっている。
これは運動エネルギーへの変換率が非常に高いことを示唆するものである。また、弾速をほぼ完全に射手側でコントロールすることが可能である。
(従来の火薬等の爆発によって生じたエネルギーは、燃焼として熱エネルギーに置換されるか任意の方向に伝わらない為、そのほとんどが弾丸の運動速度に変換されない)
フレイムにおける粒子の偏向器は銃身自体ではなく、銃身の内部を保護している「偏向場」である。「偏向場」は接触した詞素の運動方向を偏向することができる特殊な力場であり、詞素を圧縮し弾丸の射出に利用する過程をこの偏向場が担うことで、詞素を火薬のように扱うことに成功している。
また、活性化した偏向場が発光することで、弾丸を射出する際にフレイムの銃身が赤く発光することが知られている。
現在は対ハンニバルの主力武装として各陸軍に導入されており、歩兵兵装としては、コルメス奪還作戦において初めて実戦投入されたという経緯を持つ。
Lシールド
…軍事用に開発・導入された、盾形の防御装甲の一種。
正式名称はライトシールド(light shield)。
盾の前面の空間に、荷電粒子へと転化させた詞素を立体格子状に結合させることで生ずる「詞素光壁」と呼ばれる特殊な力場を展開することで、装備対象を保護する。
使用用途としては対人から対ハンニバルまでと様々であり、歩兵部隊の他に、AMの追加装備の一つとして巨大なLシールドが懸架されることもある。
生じた力場は物体だけでなく電磁波の大半も遮断することが可能で、現在では軍事関連のみならず様々な現場で利用されている。




