詞晶石
詞素を物理的性質へと転化させ、結晶状に結合させた生成物。及びその生成技術の総称。
詞晶石あるいはフォノンクリスタルとも。
外見的にはアメジストのような紫がかった透明の鉱石であり、構成学推進国策都市「ウィスタリア」の語源ともなった。
そもそも物質とは異なる性質を持つ詞素は、本来、指令情報である思念波(残留思念)を失った瞬間から物質の分子間に吸蔵され始めることとなり、詞素単体としては三次元空間に長時間存在できない。
一方詞晶石は、物理的性質を獲得した詞素を互いに結合させることで他の物質への吸蔵を防ぎ、詞素単体を長時間保存できる構造を構築している。
(更にある程度の範疇であれば物理的応力によって加工可能であり、一部の工業分野では粉末化された詩晶石が利用されている)
物理的性質としては鉱物の類に近く、加熱することで鉱物同様溶融し鋳造することができる。だが更に高温になってしまうと金属のように蒸発し、元の粒子状態へと戻ってしまうという側面も持つ。
これを「再変換」あるいは「乖離現象」と呼ぶが、一度乖離してしまった詞素は大気中の気体分子に瞬時に吸蔵される。
その上で鑑みなければならないのは、物理的性質を持つ詞素は非常に“高濃度な詞素”である、という点である。
物質が分子の集合体であり莫大なエネルギーがとる形態の一つであるのと同じように、物理的な性質を持つ詞素は他の詞素に比べ四次元時空に現出させる際に要する干渉力、即ちエネルギー量(情報量)が大きい。また、詞素同士を結合させる際にも強い干渉力が必要とされる。
“高濃度”とはそういう意味合いであり、これは物理的性質を持つ詞素が乖離した際に、詞素単体が持つエネルギー量が多いことをも意味するものである。
以上の性質から、詞晶石は急速な乖離現象を引き起こした際に凄まじい爆発を起こす危険性がある。




