AIU
構成術の発動を補助する小型術式演算置。
構成相互変換演算器(affectus interactive unit)の略称。
尚、affectusとはラテン語で「感情」を指す言葉である。
そもそも構成術とは、ミーム粒子から生ずる思念波(ミーム波)を用いて詞素の高次元空間構造に干渉。つまり、M理論でいう「膜」の運動パターンをコントロールすることで、干渉した「情報体」及び生成した粒子(詞素)に応じた「結果」を獲得する技術である。
構成術における「構成」とは人間の「イメージ」そのものであり、数式で説明できるような代物ではないとされてきた。
しかし今から二十数年程前、構成学の第一人者フェルゼン・ミュラーの手によって思念波とそれを受けた詞素の間に「ある規則性」があることが発見され、それを数値化して制御する技術の基礎理論が提唱された。
これは現在では「フォノンコード」と呼ばれ、構成術に関わるあらゆる分野でその技術が活用されている。
これらの進歩によって詞素を用いた機械の開発が実現可能になるかと期待されていたのだが、残念ながらそうは問屋が卸さなかった。
そもそも詞素を用いた機械の開発に必要な技術は、主に二つある。
一つは詞素を保存する技術、もう一つは人工的に思念波を生成する技術である。第一条件の「詞素を物質化して保存する技術」こそ確立していた人類だが、残念ながら思念波を機械的に保存・生成する技術に関しては全くの手付かずであった(現在も、である)。
現状では詞素を用いた機械の操作には構成術師の手が必要不可欠となってしまい、その一方で、高度な機械構造を理解しそれを構成術で模倣するというのは非常に困難なことである。
そこで開発されたのが術式の演算を補助する為の装置。つまりAIUであった。
AIUには「詞法陣」と呼ばれる術式が内蔵されており、本来物理的干渉を受けない思念波に対する干渉力を付与させることで、術者よりAIUに送信された思念波を術式に沿った形で偏向、最適化する役割を担っている。
要約して述べると、AIUは本来ならば膨大な演算が必要となる構成術を、内部機構に組み込まれた詞法陣に思念波を加えるだけで使用可能とする装置なのだ。
詞素は構成によって様々な性質を持った素粒子に転化するが、その多くの生成粒子は物質間の相互作用。つまり、力を伝播するボース粒子としての性質を色濃く有する一方、物質を構成するフェルミ粒子の性質も有している。
こうした性質変化(構成学及び詩素学用語では「転化」という)を起こすこともAIUの役割のひとつであり、現状、多くの構成術士たちが構成術を行使するうえでAIUを使用している。
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いや本当に英語苦手なんです(涙目)。




