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†聖剣伝説†  作者: 廃人弟子
殺戮兵器(キラーマシン)
7/10

招待状

俺は目の前の光景に言葉を失っていた。



突如襲いくる恐怖(キラーマシン)、そして、それを糸も容易く倒してしまったギルドのメンバー達にだった…。



「ジョン大丈夫!?!?」フレイが駆け寄る。


「ああ、心配ないよ!かすり傷だから。」ジョンの脚からは結構な量の出血をしたせいか、短パンは真っ赤に滲んでいた。


「ちょっと待ってて!!」フレイはそう言うと、持っていたポーチから赤と緑の液体が入った小瓶と透明な小瓶、それに銀の匙を出した。


そして、2つの液体を混ぜ、銀の匙でかき混ぜる。



適当加減な匙(オールオッケー)

「これが私がシャムシール団長からもらった魔具、私調合師を目指してるから。はい、ジョン!!」


フレイが混ぜ合わせた液体をジョンの脚にかけると、出血は止まり、傷口は塞がり始めた。


「すごい!」


「おぉありがとう!!」


「相変わらず見事な調合アルな!」


「神業だぜ!」


「しかし、ウォルフが旧型のキラーマシンなんかに手こずるとはな…」ジェイドは首を傾げた。


「きっと飲み過ぎたんだよ!」ジョンが着かさずフォローを入れる。


「まさか剣を弾かれるとは思わないアルよな。はい。」リーが遊死鉄線(デス・ワイヤー)で拾って来てくれた。


「あぁ…ありがとう。」


「まぁいい…しかし、フレイの屋敷も大変だな……見た所犠牲者はいないが……」


「うん…壊されたのは物置とか、書庫の方だから誰も怪我人はいないと思うけど…」屋敷にいた両親、使用人の姿が独りも見えないことに不安の色を隠せずにいた。



「ウィ…ウィーン…ガチャ・・」地に横たわるそれは微かな力を振り絞り、最期の手段(・・・・・)を取った。


「ビィ―!ビィ―!ビィ―!ビィ―!」突如、けたたましいサイレンが辺りに響き渡る。よく見ると、目が赤色に発色し、さっきまで無かったパトランプのような物を頭から出していた。


「なんだ?急に一体どうし…た?」皆の空気が凍りついていた。


「済まない…。止めを刺しきれなかったようだ…。」

「気にするな!さぁ逃げるぞ!」


皆は足早に逃げる用意をする。


「逃げるのか?ジェイドやドラコなら殺れるだろ!?」



「あっそうか知らないよなあれは殺戮兵器(キラーマシン)の最期の手段…無差別破壊者状態(デストロイヤー・モード)ああなったら、逃げろってシャムシール団長から教わってるんだ!」



無差別破壊者状態(デストロイヤー・モード)になったら、電源の持つ限り暴れまくって、自爆するの!パワーもスピードも段違いに上がるのよ!」


俺はそこまで聞くと走り出した。


「ウィ!ガシャン!パラララ!」それは起き上がろうとしながら、機関銃による射撃を開始した。


「カキキン。キン。」リーが遊死鉄線(デス・ワイヤー)で鉄の防御網を作る。


「早く皆走るアル!」


「ドシャ!!」「痛てて!」ジョンが脚をもつらせ転ぶ。


「ウィ―――――――ン!!ガッシャン!!」それは口から巨大な大砲を出した。


砲口はジョンの方を向いている…。



「野郎!?!?」ジェイドが慌てて、ジョンに駆け寄る!


「マズいアル!」リーも全てのワイヤーを集め、防御網を作り始める。


「この鉄屑が!」ドラコがヤツに突っ込もうとする・・・・



がそれより早く、俺は刀を抜き、殺戮兵器(キラーマシン)に斬りかかる。よく見ると、さっきまでとは違い、白い刀が眩いほどの光りに包まれている。


「ウォルフ!!止めて!!」フレイが叫ぶ!


俺だって止めたい…。だが、「体が勝手に動く」という感覚がある。まさにそれだ。俺の体はヤツが砲撃を開始する前にヤツを斬るつもりだ…だが、タイミングが非常に微妙な所だ。

よく死ぬ瞬間周りの景色がスローモーションになるという。今、まさにそれだ。殺戮兵器(アイツ)が大きく口を開けてる所。ジェイドがジョンの前に立ち、剣を盾にして覆い被さる所。リーがワイヤーで何重にも張り巡らした金属のドームを作っている所。ドラコが俺の後ろから追いかけてくる所。フレイが叫んでいる所。死ぬ瞬間の走馬灯…僅か数秒間の間に人生を回想して行く…まさにそれだ。たったこれだけの間にたくさんのことを考えられた。思えば、皆良いヤツだな。この世界で死ぬのも悪くないかもな・・・


『まだ早いだろ!?』


誰だ?


次の瞬間、「キュルキュルキュル…」何かが物凄い速さで飛んでくる…。


「ズドン!!!」重たい音と共に、殺戮兵器(キラーマシン)は真っ二つに引き裂かれ、頭部は粉砕された。


「斧……??」投げ込まれたのは大き過ぎてよくわからなかったが、両方に歯を持つ巨大な斧だった。


斧が飛んできた方を見ると500m先程、まだ残った建物の影に象のような大きさの馬に乗った大男がいた。


ゆっくりと大男が近づく…。


「戦斧…」ジョンが呟いた。


男は俺たちの所に来て呟く。「悪いね。手を出すつもりはなかったんだけど、流石に無差別破壊者状態(アレ)はマズいと思ってね♪」


男は爽やかに笑った。2mの巨体ジェイドよりさらに一回り大きな体、そして丸太のような太さの腕、短く黒い短髪。体のサイズを覗けば、佐○急便のお兄さんのようであった。


「あぁそうだ。」男は思い出したように話だす。


「俺は王国騎士団No.18『戦斧』のアレックス。よろしくな!」


「やっぱりか…あの巨大な斧…」

「本物は大きいわね。」

「『戦斧』ってあのウドガルド攻防の英雄だろ!?」

「聞いたことアルね!」

「王国騎士団が何故ここに…」


「まぁまぁ聞きたいことはたくさんあるだろうけど、一応俺の見立てでも『合格』かな!?じゃコレ渡しとく。」


アレックスは赤い封筒を全員に渡した。それはこの国の誰もが知っているもの。


「これは…!?」


「中央…即ちセントガルドに聳える巨城…アースガルド城への入城手形(キャッスル・パス)さ!!!」

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