イザヴェラ
伏線だらけの意味深な会話をお楽しみ下さい。
~時は遡り~
シャムシールはギルドにいた全員を帰し、煙草の煙を大きく吐き、闇に向かって叫んだ。
「いつまで隠れてるつもりだ!出てこいよ!」
闇は一点に集まり、金色の長い巻き髪の女へと姿を変えた。
「あらあら、冷たいのね。二人きりになるために人払いをしてくれたんじゃなくって。」
「この間会ったばかりだろ!王国騎士団のNo.2ともあろう者がこんな田舎に何のようだイザヴェラ!?!?」
「フフフ…だいたいの察しはついてるんじゃない?貴方こそいつまでこんな田舎で燻ってるつもり…『鋸』のシャムシール。」
「俺をスカウトしないといけないほど、中央も人手不足ってわけか!?」
「そのくせ、あんなに易々と殺戮兵器を中に入れるとは魔術師達は何をやってるんだ!?」
「あらあら、知らないのね。今この国に結界は張られてないのよ。」
「何ッ!?!?バカな……そんなことをしたら西国の侵入を防げなくなるぞ!?」
「今王国の魔術師達は総出で『魔具』の製造に取りかかってるの。その代わり、オーディン様が独りで感知障壁を張っているわ。」
「王国トップクラスの魔術師を数十人使って作る結界を止め、少ない魔力で作れる感知障壁に切り換えたのか!?」
「少ないって言っても王国全土を覆う障壁よ!?それも感知レベル最大の!!一筋縄じゃ行かないわ。」
「膨大な魔力を持つ、オーディン国王にしか出来ない芸当だな…まぁ国王自らやらなきゃいけないほどヤバい状況なんだろ!?!?」
「『魔具』製造のエキスパートだったどっかの誰かさんが勝手に居なくなるからよ。」
「・・・俺のせいだって言いたいのか…!?」
「フフ…すぐ熱くなるとこは変わらないわね。もう1つ別件で『新型』の殺戮兵器を倒した子達に興味があってね…。」
「そっちが本命か!?」
「王国騎士団のスカウト陣からのオファーがすごいのよ。今ちょうど『旧型』と戦闘中みたい。」
「何…??西の方…フレイの屋敷の方か!」シャムシールは意識を集中させ、殺戮兵器の気配を辿った。
「あら…選定の邪魔はさせないわよ?」イザヴェラは凍てつくような敵意の眼差しを向けた。
「チッ!!お前が相手じゃ部が悪すぎるしな…アイツらに万が一のことがあったらどうするつもりだ!?」
「それはご心配なくNo.18『戦斧』がもしもの時に備えて観察してるから。」
「戦斧……アレックスか!?!?てっきり先攻隊に召集されてると思ったが……」
「今回の指揮官が『獅子王』なのが関係あるのかしらね。」
「名将も采配を間違えたか…!?ちなみに、俺はどうなる?」
「あんたは………」
No.2イザヴェラ
王国騎士団でNo.2の称号を持つ実力者。騎士団最強の魔法使いでもある。シャムシールとは武術学校の同級生。その妖艶な美しさから虜になる者は後を断たない。