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第018話_王との会談、別の転生者_中編

マジで危なかった。書いたものを改していたら、上書きで二重に中編が出来上がるという惨事に、コピーとっといて助かった。

 個室というにはあまりに広い部屋に四人はいた。

 そうそうたる面々といえるだろう。


 一人は王その人、アルハザード・エルダインというらしい。

 茶髪で短めの髪に筋肉質な肉体と長身をあわせ持つ、明らかに肉体派の男。


 二人目は、その娘にして一国の第二王女、イグニス・エルダイン

 戦闘に鎧を着てに飛び込む、今12歳の少女だ。

 銀の髪は美しく、透けるような肌も御転婆にしては綺麗な方で、若干今のルナルより身長高めである。


 三人目は、護衛たるエドガーだが、若干考え事をするように眉根を寄せている。

 この男は、魔術師にして錬金術を収める、そして王国騎士団団長に返り咲いた男。

 今は王の護衛に回っているらしく、ついでに俺の監視を受け持っているようだ。


 四人目は、俺自身、ルナル・クロス身長に少しコンプレックスを持つこの中で一番小さい者だ。

 図式で言えば、国王>エドガー>姫>俺という屈辱的な身長さを実感していた。

 過去の異世界ではそれなりに身長はあったのだが、今は子供からやり直しているため身長差で見下されている最中な少年だ。

 魔法使いと言うらしい能力を持ち、技術屋として魔動騎士を作り上げたいと今、国に目下、吹っかけようとしている男である。

 実際は自分も王族なのだが、つい最近発覚したためか、貴族常識から離れて暮らしていたためか、あまり自覚はない。


 ファブニールも入れると五人になるが、絶賛お昼寝中に付き除外はやむなしだろう。


 ルナルには、この面子で話すことに一名の除外をするべきかどうかを悩む所だった。


「ルナル君。」


「かしこまった話し方でどうした王様?」


「確かに、シュバルツという男が第三子として、生まれていたことが分かった。そして、反乱の首謀者としても上げられ、君の容姿と似通ったある女性と何時も行動をともにしていたということも分かった。」


 やはり各国の情報は少なからずあるらしいことにルナルは少し胸を借りる思いだった。

 かなり相手の情報頼みの売り込みだったのだが、どうやら他国の情報はずいぶん前から探りを入れていたらしい。


「そして、エドガー」


 王は直立して立つ、後ろに控えた騎士に声をかけた。


「は、何でしょうか?」


 考え事から脱して、いきなりの呼びかけに答えたエドガーは、視線が集中していることに軽く動揺しながらも返答した。


「お前の屋敷が破壊された際なのだが、赤い機体で双剣使いの魔動騎士を見たそうだな?」


「はい、そこのルナルが召喚器から出した際に私の家が半壊したので、記憶は鮮明に残っています。」


 意図せぬ嫌味が含まれた言葉をルナルは聞こえないようにしながら、王の質問の意味を見定めるべく、話を聞いていた。


「やはりな、その赤い機体の情報は我が国にも残っている。」


「ほう、それは母のことだろうな…」


「な、なに……。」


 ルナルはあの母が軍役に居た頃の話をあまり知らない。

 意図して話してないような気もしたが、自分自身も注視していなかった事柄だったからというのもある。

 それ故に、他国でかたられる母の話には若干興味があった。


「まさか、あの殺戮姫(ジェノサイド・プリンセス)の本当に息子だというのか?」


 物騒な名前が持ち上がった。

 その名を聞いて、エドガーとイグニスが「ビクッ」と反応したが、何か有名な名前なのだろうかと耳を傾けてみる。


「しらないな……。しかし、あの機体は母のモノを譲ってもらったことには変わりない。」


 どうやったらそんなあだ名が付くのか、見当も付かないが自然と王の話を聞いてみたいような、聞きたくないようなと迷いが生まれた、何故か寒気のする話題が持ち上がる気がしたからだ。


「あの機影を見たものは、飛ぶ斬撃と瞬き残す残影を残し、倒されているという絶対の破壊者と言われた孤高の破壊者の異名だ。ここ十何年かは戦争が起きていないが8、9年ほど前に大規模な戦闘が行われた。アレは本来なら戦争になりうることだったのだ、魔動騎士が150体ほどアスガルドに侵攻したのだが、それを1人で全滅させた悪鬼とも言うべきその守護者が操った機体こそそれだ。」


 聞き間違いなければ、母はトンデモナイ魔術師であり、操縦者だったといえるのだろう。

 過去に検索かけた技、『断空旋』は確かに衝撃を飛ばす技だし、話に出てきた飛ぶ斬撃とは正しくそれだろうことがありありと分かった。

 しかしだ、1対150の戦力差で勝ちを得るとはどんな強さだとルナル自身、目を丸くして言葉もない。


「そして、戦いを終えた場所に立った一機のコックピットから黒髪に赤めの少女が1人出てきていったのだ。」


 『去れ、痴れ者が、我が双剣の刃は全てを殺すまで止めはしないぞ?』


 拡声器の端末を引っ張り声を遠くに届けえた故に、密偵としていたエルダインの者もブルッと震え上がったという。破壊された機体から、生きているものはその場から逃げ帰り、ことは戦争になりえる前に立った一機による撃退がなされたという。

 ルナル自身も知られざる母の異形な面をどう受け止めるか眉間に眉根を寄せた。

 実際に納得できる面は、向う見ずで即断即決な母なら、実力さえあればやりそうに思えたが、実話として聞くとありありとし過ぎて、怒らせたらやばいと改めて思い直したほどだった。

 だが、その口調は明らかに母のそれだろうことがルナルには分かった。


「母だな、そこまで桁違いなものとは思っていなかったが……。」


「そうだろうな、君の向う見ずな所は母譲りだろう」


 エドガーが断言してくれるが、俺自身転生前と後で何かが変わったのかは分からない。

 しかし、母の影響は少なからず有るだろうことは自分でも納得する所がある。

 暴走したときの自分自身と何となく感じが似ている気がするからだった。

 

「そういうことだ、実際調べて驚いた、あの殺戮姫はその後、一年ほどしてから子供を生んだということを最後に情報をたったがね、他国のことでも常識外な戦力には目を向けて調べた。」


「外見情報と貴族の出ではないこと意外は魔法兵団の団長と言うことと、シュバルツ氏とも懇意にしていたという情報だけだ。」


 だが、それのお陰で事実の確認が容易だったと王は語る。

 黒髪と赤眼はこの大陸ではあまり見かけない外見らしい事と、あのアルテミスという赤い機体を持っている事から、事実確認が取れたらしい。

 実際、誰の子供かと一番確認が要るところだが、一緒に居る男を見たのははシュバルツのみだったという。

 ここで言うことが事実なら、ルナル自身かなり物騒な異名を持つ二人から生まれたらしいことが分かった。

 母の話で聞いた戦闘狂(バーサーカー)殺戮姫ジェノサイドプリンセスだ。

 どこから見ても、強くて常識外な匂いしかしない。

 だが、自分自身の血統が如何にずば抜けたものかは想像の域を出ない。

 からだを鍛えることには少なからず意味があると思い直すことにしたルナルだった。

 それから、王は続けていった。


「君が王位継承者である裏付けは真実に近い形で得られたと言えるだろう。」


 そこで何故か、何も知らないイグニスは驚いたようにルナルを見ていた。

 実際の所、へんな趣味の少年に興味があったという理由と世話を焼いてくれたことにお礼を言うためにきたのだが、王は退出すら求めないで、今までは政治、情勢などの話には一切関わらせなかったが、ここで話しているのは国に関わりつつある話だと、いくら普段、御転婆な姫でも気が付いた。

 そして、付いて出たのは王位継承権保持というルナルの出自だった。


「なら、俺の要求にどうこたえる?」


 ルナルは、要求が快諾去れるとは思っていない。

 王政に関与しない、とはまずありえない事柄だからだ。

 戦争とは、権力者の思惑か、必要に応じて行うものでもある。

 事が情勢に流されて仕方なく、戦争をするにしても開戦するからには勝利し得る見返りが必要になるからだ。この要求はルナル自身却下されるだろう事が分かっていた。

 あとの二つは、こちらを信用する度合いによりけりだと思っているからだ。

 ルナル自身、一つ目の要求は権勢でしかない。

 王位を目論む、貴族的な要求を適当にしておかないと、何のために行動しているのか疑われると思ったからだ。事実、今は8歳の子供なのだから、その安易な発言だけでは通らないと思いわがまま意見に加えたのだ。欲望を持った者を人は簡単に利用する。

 それ故に幼い時から、そういう欲望を持っていると思わせる必要があったためのブラフだった。

 利用しやすいものと見せるための王になる宣言は、どう取られているのかこの話の胆はそれに近いとルナル自身思っていた。


「その答えを口にする前に、私の要求を言おう。」


 そう返されるとは、ルナル自身この王を見直した。

 敵対勢力たる王子の要求を、簡単に呑めるとほざくバカなら共闘する意味もない。

 逆に利用しようという悪辣さを備えていないとしたら阿呆(あほう)のすることだと思っていたからだ。だからこの要求により、どう転ぶかが決まるともいえる。

 エドガーやイグニスは事の成り行きを静かな驚きとともに清聴しているが、気になって仕方ないのだろう少なからず、腰を浮かしたり、視線を強くしたりと忙しそうだった。


 

「まず、こちらの条件は同様に三つだ。」


「技術協力はこちらもするししてもらう、そして作り上げた物は全てわが国に提出してもらう。」


「二つ目は、ファブニールのことだ。あの子はある意味で一番やっかいな存在だが、これから良識を覚えていけば、少なからず脅威にはならないと私も思っている。が、対策は必要だ力を暴走させない手段を君はエドガーともに模索してほしいことだ。」


 二つの意見は至極まともな条件だった。

 鵜呑みにできる条件でもないが、簡単なところは追々つめていけばいいとルナルは次が本題かと言いよどんでいる王が視線をイグニスに向けていることに何故か疑問がよぎる。


「三つ目は…」


 まて、とルナルは言った。

 魔術式が軽く出来上がったのだ。

 並列して作業と会話をしていたが、ことは母の話とかで意外と時間を食ってくれたことが事をそうし基本式だけでも作り上げることができた。実際、召喚器から抽出したデータと解析、追加のみだったのだが、本来ならもっと掛かる時間を急ピッチで進めていたから、速く済んだ。

 前世の杵柄は意外とこんな所で役立っている。

 だが、本来の使い道とは違う方法で、利用する積もりになったのだ。


「結界構築…範囲室内領域のみ、限定領域『遮断結界』展開」


 室内のあちこちに薄い文字が浮かび上がり、緑色の壁みたいなモノが出現していた。

 

「な、なにをした?」


「そう慌てるな、これは音声を遮断する結界だ。風の魔術と空間認識の応用だ。」


 そうこれから、言うことも語られることも聞かせないための簡易的な施しだった。

 あの魔女が、語った情報源が本当にこの国にいるのなら、ここでの会話を盗聴されていると危ぶんだためだ。そうしてこの魔術の適用により、領域外にはもれないような結界を施したのだ。

 風による音の遮断。空間魔術による把握とそれに付け加えて解析による把握、それによりここには魔術で要らぬ仕掛けがないと調べることもしてあるのだ。


「スパイが聞いていたらヤバイ会話だからな、外には漏れない様にした。」


「本当に、媒介無しの魔術を使うのだな、それにこんな魔法は聞いたことがない。」


「じゃ、早くしてくれ」


「ああ、すまない」


 王は、姿勢を正して、視野にルナルとイグニスを納めるようにしていった。


「三つ目だが、これはそちらの一つ目の要求に関わるものだ。」


「そちらの方では勝利したからには、王政に口出ししないでほしいというものだったな」


「ああ、俺が王になるんだ。傀儡(かいらい)で済ませるつもりはない。」


 王自身ある決断をするかのように、深く頷いて続く話を語る。


「本音から言えば、この条件を無しにしてもいいと思っていた。が、俺が王の時代にいらぬ戦乱を呼び込みたくはないからな、これは国と国で良好な関係を気づこうという俺からの善意の申しでだと思ってくれ」


 砕けた口調で王は、次の発言をした


「イグニスと結婚しろ」


 …………。


 ………。


 ……。


 「「「はっ?」」」


 三者とも、同じ帰結を得た。

 理解不明とルナル、イグニス、エドガーが同じく頭で理解することを拒絶した。 

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