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第017話_情勢予想、宣言

 



 投獄されルナルを待っていたのは冷たい独房ではなく。

 ふかふかのベットの上だった。

 天蓋付の豪華なベット、そこに横たわっている。

 ファブ二ールも隣にいるがご満悦に涎をたらして寝入っている。

 先ほどまで口に放り込める限りのお菓子を食べまくっていたのだ、無限と思われた胃袋も1時間ほど前に打ち止めだった。

 山ほどあった長いテーブル上のお菓子を全て一人で間食した。

 あの中年国王も、かなり驚いていたようだった。

 宿の部屋とは比べ物にならない何倍も広い部屋を見渡した。

 入り口にはエドガーが立ち出ることを拒んでいる。

 そして、部屋の中には暗闇を照らすシャンデリアのみ。

 ここは豪華な監獄の中だった。


 「ヌム、主、もう食べられぬ」


 在り来りな寝言を吐くファブ二ールを横目に脱出できない現状を改めて理解する。


「偉く、懐かれているようだな……」


 唯一の出入り口を塞ぐエドガーが呟くように話しかけていた。


「そりゃね、あの後、常識を軽く教えたのも俺だからな…」


 親顔負けの自信に親と言えるエドガーは言葉も無い。

 実質、親と認識された直後に正拳突きを食らったのだから、親の面目なんぞはたからない。気落ちしているのかと顔を見れば、意外とすがすがしい顔をしていた。


「よかった、お前のような親代わりがそばにいてくれて…」


 なんとも木っ端ずかしい事を言ってくれるものだが、状況的にかなり悪い方向だと思っているのだが、エドガーは気づいていないのだろうかと探りを入れることにした。


「エドガーお前は状況を分かっているのか?」


 簡単な質問にエドガーの表情はそれほど翳っていない。

 

 「ああ、ファブニールについては大丈夫だ、俺が取引したことで軍事関連には」


 「お前は、実直すぎるな俺はそれほど他人を信用できない」


 権力者と言う者は時として、口では信用させて状況が悪くなれば裏返るものなのだルナルは知っている。やれ誰かを護るため、このままでは駄目だと自分と状況の変化に敏感なのだ。それも何かを犠牲にして勝つ、誰かを護るために犠牲に、と都合よく口を着いて出る。まして王とも成れば、民のためと大言壮語かざす筆頭だそんなものの言葉を信用でいるわけがないとルナルは思う。

 取引では駄目なのだ、契約しあちらにも打撃を与えるほどの重さを持たせなければそんなものは紙くず同然の安請け合いに過ぎないのだ。


「実直さは時に愚かにしか見えないな」 


「愚かだと?」


「ああ、愚かだとも、お前、ここ数年で戦争が起きたことはあったか?」


 簡単な推論だ、国の情勢にどれだけ疎かろうと、変化するものはきっとある。

 それに、こちら側も、約6年内にクーデターが起きる。どう転んでも、国自体に打撃があることは否めないはずだ。それを隣国が黙って見逃すほど甘くは無いとルナルは思っていた。実際にルフランは同盟と称して加担してきている。あの魔女が同盟と口にしていたが、それがどこまで護られるのか、想像の域を出ない。

 そんなときだからこそ、力が必要になるのだ。

生物兵器しかり、技術者しかり、はたまた忠実な騎士しかり。

状況が悪意を呼び込むのだ、普段のいい人面等、お飾りに過ぎないのだと言葉に出来たならどれだけ楽だろう。


「いや、戦争など俺が生まれたくらいからはほとんど無い。」


戦争を知らない世代なら、それが分からないのも仕方がない。

ルナルはウツミだったときにもう幾度となく見て来たのだ泥沼の戦争と権力をかざいした愚かしき行いを、人の本性がどれだけ汚いものかと8歳の体の奥にしかと刻んでいる。

 実年齢しか生きてないエドガーには酷なことだろう。

 見た目には20歳ぐらいだ、騎士と研究者として両立してきたのだろう。

 それに、権力云々では、エドガー自信に思慮を持たせるほど期待してはいない。

 実際そういう権力をつぶしたりも仕事の内だったのだろう事はドラネルのことで知っている。だが、戦時のそれは激しさも移り変わりも全然違う。

 人を駒としか思はない盤上に配置される兵。そして頭はああではないこうではないと無残に兵を殺していく。勝利も敗北も一種の興でしか語れない。

 平時が普通だった人間を平気で殺人者に変えるのが戦争だ。

 愚かしく、権力や夢想、という天秤に狂わされる国が、そのとばっちりを一身に引き受ける。

 ルナル自信、どうでもいいと思っているが、どちらの世界も終わっているなと苦笑を刻むのは仕方ない。

 だからこそ、兵器を作るのはやめられない。と心で思うのだ。


「そうか……。」


 そしてこの対応は俺に何かやらせるつもりなのだろう。

 ルナルの作ったものに興味を抱き、作ったことをしつこく聞いてきたことはそれをうきぼりにし、そして護衛騎士を吹っ飛ばした奴に何もしないなんていうのはありえない。

 まぁ、何故か怪我一つなく、そこに立っているエドガーには疑問を投げかけたいがそれは後になりそうだった。

 ガチャリと戸をあけて部屋にあの王が入ってきたからだ。


「おお、だいぶ待たせてしまったなぁ…」


「ノックもなしに入るのが王の態度なのか?」


「そう…気にするな、俺自身も気にせん。」


親子共々、なんと傲慢なのだろうかとルナルは娘の方場まだ可愛げがあるがと悪態をつく。

あの時は、逃げるのに忙しかったが、目の前の王はがっしりとした筋肉質な男だった。


「俺は何も協力はしないぞ?」


言うことも語ることも面倒だったので即断即決でルナルは答えを提示してやった。


「ほう、意図を察していたか」


「察するまでもなくな、ここ最近に民間で修理しだした過去の魔動騎士とその技術者が行方不明という事が関係しているのだろう?」


「そこまで分かるとはやはり、前世の経験という奴か。」


 ピクリと眉根が反応するが、冷静に見せるために付いて言葉をとめない。


「その言葉、なぁるほど、技術者って言うのは魔法使いだったのか」


何となく結論を出した。

そして同様に、ルナルがどういうものか辺りをつけてきたのだ。


エドガーに正体を見破られた時点で事は積んでいたのだ。


「軍備増強が、お前たちの目的か」


「そうだ」


 渋面を持ってうなずいた王。

 ルナルは意地悪く立て続けに質問してやる。


「ファブニールに手出ししないというのも場合によりけり破るつもりだろう?」


ぐっすりと眠る少女に視線を向けながらルナルは問いかけた。

隣にいるエドガーもそのことで目を見張っている。


「なるべくはそうしたくはない。」


「そんな……王、約束が違います。」


エドガーが食って掛かる勢いで、王に詰め寄った。


「仕方がないのだ、最近になり、ルフラン地方で密偵から報告があがった。」


「大量の魔動騎士が量産され、軍の再編成を行っているという情報だ。」


 なるほどと俺は納得のいく感想を得た。

 下準備というわけだ、とルナルは感想を頭の中で言っていみる。

 年密な計画だとしても、何故そこまで戦力の増強が必要なのかは後の三国に牽制する意味合いもあるのかとルナルは納得する。それでもアスガルドを落すメリットがない。

 アスガルドは、内陸部の王国だその権力は軍事国となった今ではかげる一方だが、王政時代の権力はすさまじかったとかいてあったことを思い出す。

 それにより国は他国を管理できるほどの強さを持っていたのだ。

 現在は、他国に閉じ込められて封鎖されている閉じこもったような状態だ。

 それをとれば、同じく三国の牽制もしくは三国の一斉攻撃にあう憂き目がある。

 実際、この国は先んず力を手に入れようとあらゆる手を進めているようだが、結局アルガルドを手に入れることで入るものは他国の要らぬ警戒と領土拡大による治安悪化だけのデメリットの方が多い。それ故に四国はあの馬鹿な政策すらも無視してきたのだろう。

 だからこれはそれを知る者に聞くのが一番に思えた。


「率直に聞くぞ王様?、アスガルドに何がある?」


 そこまでの考えにいたったルナルをまじまじと王は見た。

 エドガー自信内部事情を知るものとしてはそれをおいそれと話せないと思っていたのか口をつぐんだ。


「本当に転生者なのだな、魔法使いというのは、子供と話している気にはならんよ」


「しかたがない、これは極秘だ、あの国にはかつて月を破壊した魔天(まてん)の弓が存在する。」


魔天(まてん)の弓」


 しらないが、軽く伝承くらいは書物で見た。

 何かを撃退したためにあの月が今あると確かそんなことを書いてあった。


「うん千年も前から、それがあったのか、なるほどねあの馬鹿な政策もそれが後ろ盾にあれば、あまりにも強固で脅しの効いた盾だな」


 ルナルハ納得したように呟いた。

 王族は無碍にされても、その力は依然としてアスガルドには健在。

 そして、あの王戦は格好の口実になるわけだとルナルは大体が読めてきた。

 魔女の思惑の上を行くには、俺が独りでに強くなるしかない。

 他を凌駕し利用しなければこの戦いに利用されえて滅ぶのはアスガルド一つではないだろう。

 大々的にルナルにはやることがあった。


「王、力を貸してやってもいい。」


 王自信は先ほどの回答とは別に何か言い知れぬものを感じた。


「どういう風の吹き回しだ。」


 怪訝そうにこちらを見るがルナルは笑いながら、条件があるという。


「王に条件を出すとはな、いいだろう王としてゆるす申してみよ」


偉そうに傲慢きまわりない話方だなと俺は思ったが今はそれはいいと話を進めることにする。


「条件は三つだ。その前に俺の身分を明かしておく。」


「我が名は、ルナル・クロス・ロードアスガルド」


「王位継承第三位にして、次期王に就こうとする魔法使いだ。」


驚愕を持って王とエドガーが俺を見る。


「条件は、アスガルドが王政に返り咲いたときは不介入とすること」


「二つ目は、ファブニールの今後は一切を俺に預けること」


「三つ目は、俺に魔動騎士を作らせる場を与えることだ。」


途方もないほど、ルナルは欲張った条件を提示する。

だが、続く言葉には依然として他を魅了する何かがあった。




「安心しろ、俺が王になる。最強という魔動騎士を携えてな。」


 当然と言えば当然に、わがままにして大胆な宣言の後、ルナルはそのまま部屋に軟禁される事となった。

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