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第014話_汚職貴族と王国騎士団

かなり改竄、文章が書き直し前のものでした。

色々ふがいない文になっていたのでできれば読み直してください。

流れは変わらないので、気にならない方は大丈夫です。

 

 戦闘後、ルナルはファブ二ールとエドガー邸(廃屋)の前まで来ていた。

 ルナルとしては漁夫の利を得て動くものに期待したい所だった。

 しかし利益だけを算出する捨て駒になる気はないし、あまつ利用されるだけの駒にもなる気はない。

 ルナルはエドガー邸跡地へと踏み入りその経過を確認しなければならなかった。


 

「貴様、あ、痛い痛い痛いイタイイッ……。」


 

 威勢よく聞こえてきた声は男の苦痛を(あらわ)にする声だった

 途中から止めてくれ、と悲鳴に変わったが確か、ドラネルとか言う貴族の最後の護衛の生き残りの方の声だ。

 荒れた木々や泥道を避けながら、屋敷敷地内に入り込む。

 数本気が折れていたり、足跡が痛ましいほど、地面をえぐっている場所もある。

 しかし、それにまぎれるように数人が通った足跡が見て取れた。

 数十人の簡易鎧に身を包んだ、帯剣した者達が誰かを取り囲むように集まっているのがみえた。

 すぐさま、俺はファブニールと近くの草むらに飛び込むように身を隠した。

 ニョーッといきなり動作に反抗しないのはありがたいが楽しそうにするのはいかがなものかとファブニールを見て仕方がないと声を出さないようにと小さく言い含めた。

 様子を伺うつもりで身を隠したワケではない。

 俺自身半信半疑ではあったが俺は隠し事をされている事へ少なからず警戒していた。

 

「隊長、ご命令どうり突撃班ただいま到着いたしました。」

 

 1人の女性が、その中央に居るエドガーに対してそういった。

 よく見ればそこにはエドガーを取り囲むように数名が居て、そして数目に踏みつけらた王国騎士団団員と名乗ったもう一人がいた。

 抵抗できないように荒縄で四肢を完全に拘束してある状態は虫のようだ。

 口だけは自由にしてあるためにどうでもいい雑音は垂れ流しだが、ふと耳を傾ければもう一つ雑音が混じっていた。

 

「おのれ、エド……私をどうするつもりだ。」

 

 同じように芋虫が瓦礫(がれき)の手前に転がされているのが見えた。

 紳士などではなく俺は変態(ペドフィリア)と揶揄せねばならない貴族ドラネルだ。

 状態は同じく芋虫のそれだが、他の者たちに危害を加えられているもう一方とは貴族ゆえか対応が違い殴られている節は見受けられなかった。


 

「何もしませんよ、叔父上」


 

 そこに居たのは同一人物だろうか我が目を疑った。

 金髪を髪留めで止めて、表情をあらわにした瞳は俺の前で見せた生活不能者の顔ではない。

 歴戦のツワモノを思わせる微動だにしない冷徹な眼がそこにはあった。

 自体は収拾を収めていた事からどうやら万事あちらは思惑を果たしたようだった。


 俺は、騎士達の居る場所まで、歩み寄った。

 いきなり殺されると言うことはないだろうと踏んでのことだった。

 

「エドガー」


 ルナルは、短くそいつの名を読んだ。

 心底驚いた顔をしたエドガーがそこに居た。

 

 

「貴様!?……何者だ?」


 

「いい、下がれメルフィナ」


 

「し、しかし…」


 

 それ以上はエドガーが語らせなかった。

 目線だけで下がらせるとはなんとも頼もしい奴である。

 しかし、俺の命の保険はここではこのエドガーしかない。

 この男が手を出すことはないと俺はなんとなく感じていた。


 

「倒したのか、ディシエントを……。」



 事実確認のように、苦笑しながら語るエドガーはルナルの知る生活落後者の方だった。


 

「ああ、あの機体の名前か」


 

 ルナルはファブ二ールと連れ立って、騎士達の間を抜けエドガーのそばにちょうどいいイスがあるのを確認しそこに腰掛けて、正面に座り込む。

「グエ」と、ある騎士の内臓がつぶれもれる声が聞こえたが気にはしなかった。

 周囲のものもそれを咎めはしないし、逆にいいざまだと笑うものさえ居た。


 

「エドガー、どこまでが嘘だ?」


 ルナルは単刀直入に事の真相を聞こうとした。 

 ニヤリと笑みを浮かべるエドガーは、どこまでが真実かを見極めるルナルを面白そうに見ていた。

 周りの騎士達は事情を知らないのか、ただ単に命令がない故か微動だにせずに立ち尽くしている。

 それでも、奇妙な子供が隊長と親しげに話している光景には少なからず全員が驚いているようだった。


 

「どこで気づいた?」


 

「質問を質問で返すな」


 

 ルナルの非難めいた言葉に、分かったと両手を挙げたエドガーは改めてまいった降参すると言ったエドガーにはどうやら俺とファブニールを如何こうすることはないようだった。

 相手の善意に多少は見返りを与えるべく、仕方がないとこちらが妥協していくつかルナルは話してやることにした。


 

「最初に気づいたのは、軍関連書物と他国の情報が記載されている本が町のボロ屋に住む錬金術師の家にあるということだ。

この時点ではそんなに疑ってはいない。だが、国が関わっているのかと匂う情報はいくつかあった。」

 

 それに、とルナルは続けた。

 

「魔法使いでも魔術師でもない研究者、錬金術師。それがあそこでのお前のたち位置だったはずだが、あのバカ貴族の護衛に雇われた奴らは結構強いはずだ熟練者(プロ)をいとも簡単にのして俺の方まで来たことが戦い慣れしてることを浮き彫りにし、何よりもエドガーおまえ自身に不可解さを覚えさせた原因だ。」


 ここまでくれば、いくつも不思議な点が出てくる。

 何故、あの時動けたはずのこいつは羽交い絞めにされるがままだったのか。

 何故、ファブニールと俺を引き合わせるなんてことを何故一研究者として行ったのか。

 何故、あそこまであのバカ貴族の思うままに行動させたのか。

 それを考えて、俺は一つの予想を立てた。

 あの貴族に何かをさせるための下準備だったのではないかと言うどうにも煮え切らないよ予想だった。


 

「ご指摘どうも、しかしこちらは巻き込むつもりは無かったんだ。」


 そう返すエドガーに俺は少なからず確信を得ていた。

 俺自身に含む所がない。

 つまり、俺の正体には感ずいていないことを踏まえてあの貴族の愚行のみに的を絞れば

 自ずと答えは出るような気がした。


 

「ホムンクルスの話は?」 


「本当だ、事実しか話していない。」

 

「研究者というのは?」 


「半分が正解、もう一つの顔はエルダイン王国騎士団団長」


 

 また、偉い肩書きがでたな。とルナルは内心呻いた。

 顔には出さず、聞いておくべきことを聞かなければならない。

 この質問だけは絶対にせねばならないだろうから、質問を終わるわけにはいかない。


 

「最後の質問だ。 俺以外が触っても、このファブニールは目覚めたか?」


 

 ルナルには氷結した卵の結晶に閉じ込められていたのではないかという疑念があった。

 契約を俺と結ばせると話すときのこいつは何故か喜色ばんだ研究者の目をしていた。

 新たなことが分かったと言う理解者の目だ。

 こいつが正しく、目覚めさせ方が分かっていなかったとしたら、初めて反応があった研究対象にして娘と揶揄する実験動物にこんな貴族を通すことはない。

 なら、餌を持って何かを釣ることを画策しているのではないかと俺にはそれぐらいしか頭が廻らなかった。



「的確なほど鋭いな。正解だよ。このファブニールだっけ君がつけた名前。」 


 

「ああ、」


 

「我、ふぁぶにーる。」


 

 分かってると頭を撫でる、猫みたいに目を閉じてされるがままの動物だ。

 これに戦闘能力を期待すると言うのは酷だろうが、兵器として開発されたものだ見た目で判断できるほど柔でないのは実感していた。


 

「あのバカ貴族が触ったらどうなっていた?」



 それは何となく事も無げに浮かんだことだ。 

 エドガーがいとして、俺に契約を結ばせたいと考えていならすんなりと見えてきた。

 本来は接触すら禁じえぬほどに厳重な『封印』だったのだ。

 それに触れることはどんな目的で、どんな効果があったのか定かではない。


 

「死んでいただろうね」


 唐突にエドガーはその効果を明かしてくれた。


 

「なんだとっ……。貴様、私を謀ったのか!?」


 

 絶賛、芋虫中のどこぞの貴族様は怒鳴り散らさんばかりに言った。


 

「失礼だね、ドラネル、君はもう生殺与奪の権利を自分で持っていないんだよ?」


 

 本当はあの時死んでくれればよかったのにと小さくエドガーは呟いたがそれは聞こえてない。


 

「な、何っ!?」


 

 ドラネルは飛び上がらんばかりに驚いていた。

 睨み付けるエドガーの冷め切った視線が初めて自分に向けられたことへの恐怖もあったのだろう。

 見下し嘲弄し語るエドガーはSに目覚めているようだった。


 

「これだから馬鹿はこまる、君は言っただろうに貴族を殺しまわって王になると、それは既に謀反だよ、縛り首に処されるのも当たり前の罪だ。実際実行しようとしたよね?」



 

「何をばかな証人もなしに…」


 

「王国騎士団団長エドガー・クォーツでは不服かな?何なら、これら騎士団に身柄を引き渡してあげるよ。君に飲まされた煮え湯を斬殺と言う行為で返すこともできるんだよ?」


 

 王室警備の者に直接聞かれ、しかもクォーツ家のものにその行動も止められた。

 既に言い逃れと言う範疇を超えている。

 逆臣としての斬首がドラネルの最後と決定していた。

 言葉もないのかとその顔をみたら真っ青にして白目剥いて気絶していた。


 

「あらら、気絶したな。」


 

「そっちの喋りが地か、それより聞かせろこの子は何の目的で作られたんだ?」


 

「それは俺にも予測が付かなかったんだ。ただ、魔力を根こそぎ吸収するし生命力って言うのかなそういうものを食らうんだよ彼女は、だからずっと眠り姫を続けていたんだ。まぁ、そこを軍事目的に利用するとどこぞのバカが申請出してきたものでね。実際は阿呆うな理由だったが、逆にそれを利用して捕縛することにしたのさ」


 

「じゃあ、俺に依頼したのは?」


 

「それは全く偶然さ、君が騎士を所持していることもね」



 どうにか事に説明を得た気がしたが、それとは別に周りに反応があった。

 

 周りの騎士達は少なからず息を呑んだようだった。

 それの意味するところはこの少年が魔動騎士を操り、ディエントに勝利したことを意味するからだった。

 1人血気さかんな少女は否定するように少年を指差し叫んだ。


 

「嘘を言うな!! 貴様のような子供がデューイを打ち破ったと言うのか」


 

 身長はルナルより少し高い程度のまだまだあどけなさが残る少女だ。

 長い銀髪は美しく、白い肌に生える。

 小さな鎧は特注で作られたのか、小さな体についている分ただの張りぼての様だがその木目細かいつくりはかなり手が込んでいるようだ。

 どこかの貴族の令嬢といえるかもしれないが、何故こんな場所にと自然と思案顔になった。

 他の騎士達は止め様ともしないが、事実心情は一緒なのだろう。

 エドガーに至っては最初は驚いた表情を見せたが、今に至っては含み笑いしながら観察するだけにとどめている。


 

「何なんだ、このお嬢さんは……。」


 

 ルナルに至っては、この噴火寸前の少女にどう答えればいいのか判断が付かない。

 仕方がないとエドガーはチョイチョイと指先だけで合図をした。

 ルナルの方も仕方なく、腰を浮かして近づき耳を寄せた。


 

「彼女はさる貴族のご令嬢でな、(まれ)に騎士団に仮入隊しにくるんだよ」


 

「何だ……そのもの好き」


 

「実際そう思うがね、こちらからは一切言い含めても無駄だったんだ。それにね、彼女の後ろには有力貴族が控えているんだ。軽はずみな非礼は俺達の首が飛びかねないんだ。」

 


 と内緒話はそこで内切りになった。

 背後に仁王立ちしたそのお嬢さんがひどく俺を睨んできたからだ俺は小さく低頭しこんにちはと返した。

 

 

「ずいぶん仲がいいようだなエドガー。」

 

 あっさり無視されている。

 空笑いのエドガーはどう答えたものかと決めあぐねいているようだった。 



「ははは、」

 


 

「そうだ…。デューイの奴はどうした。」


 

 エドガーは思い出したように関係ないことを言った。

 逃げの一手でかわすつもりのようだ。


 

「ああ、アイツかアイツならフラフラと岩石地帯の所をうろついている筈だ。」


 

 そうかとエドガーは数人に命令を飛ばし、それに従って数人が待ちの外へ向けて走り出した。

 それを見守っていた少女は話をと最後まで言ったが、間に入ったファブニールが彼女を睨むことでそれはお流れになった。


 

「我、ファブニール。」

 


 なんだと貴族令嬢らしい少女はその間に入った黒いドレスの幼女をみた。

 


「何だと言うのだ?」

 


「名前言わない、悪い子だ」

 


 当たり前のことを当たり前のように言う。

 ここにくる途中にルナルが何気なく語った名前の使い方。

 それを踏まえて、ファブニールは名乗らないで突っかかる少女にもの申したいらしい。

 純粋にそれだけを言うファブニールに少女は怯み、だからこそ一介の貴族として自分は名乗りもしてないことに非礼を感じたらしかった。

 

 

「失礼した。私の名はイグニス・エルダインだ。」

 


「うむ」


 よろしいと強請する教師のようにうなずいたファブニール。


 

 少女達の会話でルナルは『ブッ』と吹いた。

 少女達の動作がおかしかったわけではない、ある単語が耳に聞こえたからだ。

 驚愕した顔を、エドガーに向けると額に手を当てて困り顔をさらす。 



「あぁ、こっちが伏せてたのに」


 

 どうしようもないと呻くエドガーからそれが真実だと読み取れた。


 

「つまりアレは…」


 

「そうだ。アレいや彼女こそこの国のお姫様と言うやつだ。」

 

 

 

 全く持って度しがたい、ルナルにとっては厄年なのか、騒動の種は依然として俺に降りかかるらしい。

 ルナルは呻くようにもう夕日が差し掛かる空を見た。

 壊れた月が異世界の証明であるように、ルナルは自分の居場所を確認した。

 それが変わらず異世界であることにルナルは妙に納得した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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