約束・・・3
いつものように放課後は、公園のベンチに座った。
今日は誰も来ていないようだった。
ガサッ ガサッ ガサッ ガサッ
この足音は・・・安藤さんだろう。
今度は私の真後ろで止まった。
「あなた、明日香ちゃんっていうんだね〜。・・・よかったらいっしょに話さない?」
声が公園内に響く。
私は迷うことなくOKをした。
聞きたいこと、言いたいと・・・とにかくたくさんあったからだ。
「・・・あなたは何者なの? ・・・なんで命日が見えるの?」
話を最初に切り出したのは私だった。
安藤さんは即答した。
「私? 私は人間だよ!」
安藤さんは笑った。
でも、ふざけている という感じではなく、真面目に答えてくれている。
・・・少々天然らしい。
「命日はね、生まれつき見えたの・・・。たぶん遺伝だけどね〜。」
今度は、少しだけ悲しい顔をした。
私はそれを見逃さなかった。
生まれつき・・・か。
やっぱり安藤さんも嫌なのかな〜・・・生まれつきが。
「ごめんね、変なこと聞いちゃって・・・。でも、あの時の黄パンジーはなんで?」
「あの枯れそうだった花のこと?」
安藤さんは一息ついてから話し出した。
「・・・私、自分の命日を他の生き物に分け与えることが出来るの。信じられる? 無理だよね。」
「し、信じるよ! 実際にこの目で見たんだから!!!」
とっさだったので、怒鳴るように答えてしまった。
「アハハハ! 明日香ちゃんって、ものすごい変わってる。」
「安藤さんも、十分変わってる!」
2人で笑っていた。
おとなしそうに見えた安藤さんは、とても元気で明るい子だった。
私は、あんなに大きな声で話したのは久しぶりだった。