約束・・・2
ガラガラガラ―――ピシャン。
先生が入ってきた。
でも、それどころではない。
(心臓が・・・痛い!)
「えー、それでは授業を始めようと思うんだが〜その前に転入生を紹介しよう。」
周りがざわついた。
「安藤命奈実です。よろしく・・・。」
聞き覚えのある声に思わず顔をあげた。
そこにはあの子が立っていた。
公園にいたあの子・・・。
命日が見えると言った、不思議な力を持った・・・あの子が・・・。
命奈美 と書いて めなみ・・・。
変わった子だと思ったけど、名前まで変わっている。
その子は、教室中をゆっくりと見渡した。
きっとみんなの命日を見ているのだろう・・・。
直感だが、そうだと思う。いや、絶対そうだ。
そんなことを考えているうちに、その子・・・安藤さんと目が会った。
安藤さんは にこっ と笑いかけてきた。
とても柔らかな、暖かい笑顔だった。
・・・また安藤さんに命日を見られてしまった。
いつの間にか、自然と心臓の痛みは治まっていた。
「それじゃあ安藤は・・・そこが空いてるな。よし、そこにしよう。」
私の斜め前の席だった。
1日中安藤さんと話すことはなかったが、心臓に激しい痛みも起こらなかった。