不思議な少女・・・5
その子は私の前に立って、そっと言った。
「今の・・・見たの・・・?」
小さく言ったつもりらしいが、この公園では響いたかのように感じられた。
今度は私のとなりにそっと座った。
「え・・・、う、うん。あなたがやったの?」
私は半信半疑に小さい声で聞いた。でも声はやっぱり・・・響く。
「私ね、・・・命日が見えるの。」
「め、命日? ・・・が見える? どうして?」
質問とまったく別の答えが返ってきたのに、また違う質問をぶつけてしまう。
「・・・ううん! ごめんなさい! 何でもないの!!! それじゃあ、私は帰るね! 今日のことは内緒だよ!」
その子は、一瞬何かをためらったようだったが、笑顔で言った。
それともう1つ、ベンチを立った時その子は不思議なことを言い残していった。
「あそこの黄パンジー、3ケ月後が命日だから!」
・・・意味がわからなかった。
名前も顔も知らない、初めて会った人に
『命日が見えるの。』
とか、
『3ヶ月後が命日だから!』
とか・・・そんなことがわかるの?
もし本当にわかるのなら、私の命日もあの子には見えていたのだろうか?
・・・すごく気になる。
でも、あの子の言っている事は本当なのかもしれない。
なんでって・・・・・
ぴったり3ヶ月後に、あの黄パンジーが枯れたからだよ・・・。