事実・・・5
「私の命日、明日なの。それを命奈美ちゃんにあげれば、明日まで また一緒にいれるでしょ?」
「・・・・・?!」
私は口をポカンとあけて呆然としていた。
「明日香ちゃん。今まで内緒にしててごめんなさいね。私、命奈美ちゃんと同じ力があるの。」
利緒さんの顔は本気だった。
「本当は、最後の最後に明日香ちゃんにあげようと思っていたんだけど、なんだか同じ人に2回つかえないらしいの。」
「同じ人って・・・? 私、もらったことなんか・・・。」
「あるでしょ? "生まれて3日後303号室"で。」
・・・・・!!!
最近考えることがなくなっていた、あの看護婦・・・
顔も声も記憶に残っているはずがなかったが、ずっっと憎んでいたあの看護婦・・・。
「まさか・・・。うそ? 私をあのとき看護したのが・・・利緒さんだったなんて!」
「驚くのも無理ないわね・・・。本当にごめんなさい。」
「そんなっ! そしたら、利緒さんは40歳のはずです!」
「私は、40歳よっ。」
・・・・・???
ある日突然、利緒さんに2回も脅かされることになるなんて、予想していなかった。
でも、それならすべてのつじつまが合う。
「・・・な、なんで・・・? なんであの時私を助けたの?! ・・・こうなるだけだったのに・・・!!」
私は涙ながらに訴えた。