不思議な少女・・・2
お母さんが24歳のときに、私は生まれた。
お父さんとお母さんは、私が生まれると知ってすごく喜んでいたとおばあちゃんから聞いていた。
・・・が、生まれてきたのは私。
私でよかったのだろうか・・・?
お父さんは、私が生まれたという知らせを聞いて病院に来る途中に交通事故で命を落としているから、なお更そう思ってしまうのだ・・・。
私は 大血管転移 という生まれつき心臓の病気だったのだ。
生まれたときは、普通の元気な赤ちゃんだったかのように思われた・・・。
何ともなかったのに・・・。どうして? どうして私が?
私が生まれてから3日後、病院のみんなが寝に入ったときのことだ。
たまたま診まわりに来た看護婦の人が、303号室で真っ青になっている私を見つけて、すぐさま保育器の中に入れたのだという。
手際よく看護をしてくれていたため私は助かった。
その看護婦の女の人は25歳という若さで私を救ったのだ。いや、救ってしまったのだ。
おかげで今の私は毎日のようにその看護婦のことを思っていた。
はっきり言って私はその看護婦が憎かった。
憎くて 憎くてたまらなかった。
その看護婦の人は、出世をして今頃は裕福な暮らしをしているのであろう。
自分のために他人を巻き込んでおいて。
あのとき死なせてくれればよかったのに・・・。