事実・・・3
「なんで、めなが・・・。私、最後の最後にめなに言った言葉が『出てけ!』って・・・。なんで・・・なんでよめな―――。」
私の目から涙があふれ出てきた。
その姿は、とても中学3年生に見えないだろう。
ただただめなを思って泣いた。
そして途中で考えた。
「利緒さん。めなの両親はどうしてるんですか?」
「それがね、命奈美ちゃんの両親そろってこの世には・・・」
・・・うそっ!
めなは、あんなに明るい子だったのに、お父さんもお母さんもいなかったなんて!
そういえば、会ったことない。
「命奈美ちゃんの名前はね? お母さんが付けてくれた名前なんですって・・・。『たくさんの生き物たちに、あなたの優しさを配ってあげなさい・・・振りまいてあげなさい。あなたなら、たくさんの命と優しさを実らせてくれることでょうね・・・。』って。」
めなにそんなことがあったなんて・・・。
『ありがとう、めな! 私これからは悲しませないようにするんじゃなくて、悲しんでもらえるような子になりたい! 努力するよ! 努力するよ! 約束する!』
『うん! 一緒にがんばろうか!』
何気なくしためなとの会話・・・。
この1文には、どんな気持ちが込められていたのか・・・。
「命奈美ちゃんは、あなたに出会ったとき、『この子に決めた。この子に生きるって楽しいっていうことを教えてあげなきゃ!』って、純粋にそう思ったんじゃないかな?」
そうだったんだ・・・。
めな、そんなこと思ってたの?
・・・?
おかしいよ。
そっきから、なんで私の知らないこと、利緒さんが知ってるの?