事実
チュン・・・チュン・・・チュンチュン・・・
鳥のさえずる音が聞こえ、目が覚めた。
病院に入院して、ちょうど1週間になる。
いつもと変わらない朝である。・・・と思ったら、今日は違った。
なんだか、体の具合がよくなった・・・ような気がする。
スッキリとした開放感ある感じ・・・わかってもらえないかもしれないが。
なぜか、横に利緒さんが座っている。
「おはよう。目、覚めたのね・・・。よかったわ・・・。」
(???)
「おはようございます。こんな朝早くにどうかしたんですか?」
「実は、明日香ちゃんにいいお知らせがあるの。出来るだけ早く知らせたいなぁと思って。」
(いいお知らせ?)
「明日香ちゃん・・・今日で退院よ! おめでとう。もうすぐお母さんが来ると思うから・・・。」
「・・・た、退院? ですか?!」
もう2度と退院なんて出来ないと思っていたのに!
嬉しい!
家に帰って、自分のベットで寝られる!
お母さんの手料理が食べられる!
学校に行ける!
それに・・・めなに謝りたい。
また、若菜とめなと楽しく話したい!
ところが、嬉しそうな顔をしている私を見つめて、利緒さんは悲しそうに言った。
「それともう1つ。悲しいお知らせがあるんだけど、落ち着いて聞いてもらえる?」
「えっ?」
(悲しいお知らせって何・・・・・・・・?)
想像もつかなかった私は、次の利緒さんの言葉を聞いて絶句した。
「昨日の昼間、命奈美ちゃんがね・・・・・なくなったの・・・。この病室で。」