入院・・・5
お母さんは、私に抱きついて言った。
「明日香・・・お願いだから無理しないでちょうだい・・・。お母さんには明日香しかいないんだから・・・。」
その言葉を聞いて、目に涙がたまった。
お腹の上辺りが妙に痛いのは、手術をした後だろうと思った。
生まれて4日後のときにやった手術と同じなら、長い線の傷跡が新しく残っているはずだ。
この傷には、小さいころからコンプレックスを感じていた。
(傷・・・長くなっちゃったなぁぁ〜・・・)
そう思っていると、そばに立っていた看護婦さんが話しかけてきた。
「こんにちは、明日香ちゃん。今日からあなたのお世話をする事になった、鈴木利緒です。よろしくね。」
「よろしく・・・お願いします・・・。」
利緒さんは、とても綺麗な人だった。30歳前後くらいだろうか?
半分見とれていた。
「それと、明日香ちゃんにお友達が会いに来てくれてるわよ? さっきから入ってこようとしないんだけど・・・。命奈実ちゃんだったかしら? どうぞ。」
「・・・・・・・・・・どうも。」
めなが入ってきた。
代わりに、お母さんと利緒さんは出て行ってしまった。
若菜も気をきかしたのか、出て行ってしまった。
めなの顔色はもとに戻っている。
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
長い沈黙があった。
別に話したくない訳ではないが、なんて言い出せばいいのかわからなかったからだ。
先に口を開いたのは、めなだった。
「具合は・・・だ、大丈夫? あーちゃん。」
声はかすかに震えていた。
「うん、大丈夫。ありがとう。それより、めなこそどうしちゃったの? 学校休んで・・・。」
そこまで言って私は考えた。
めなは下を見て震えている。
私にはなんとなく・・・その行動の意味がわかったような気がして、ぞっとなった。
なんだか怖くなってきた。
今、めなに聞かなきゃ・・・。