「美しい人の話」
ある国に、皇女様が住んでいました。
小さな国でしたので、贅沢な暮らしをする事はなかなかできませんでした。
飢饉も続いていたし、人の心も荒みきっていて、決して良い状態ではありませんでした。
また、それに釣り合うかのように、皇女様もあまり美しくありません。
美人ではないけれど、不細工ではない。並みの女性。
そんなおり、皇女様の前に魔法使いが現れました。
魔法使いは言いました。昔、貴方に助けてもらった小鳥です、と。
皇女は、気まぐれに巣から落ちた小鳥を助けた事があったのです。
小鳥だった魔法使いは言いました。願いを3つだけ叶えてあげる。
皇女様は1つ目の願いに、国の人に沢山の食べ物をあげてくださいと頼みました。
すると、国中の畑はみるみるうちに豊かになって、多くの人たちがお腹をいっぱいにする事ができました。
2つ目の願いには、国の人々を喜ばせて欲しい頼みました。
こんどは、国の真ん中にある大きな木が見たことのない、木の実を実らせました。
それは、食べるととても、美味しく。これから作る酒は、素晴らしい味で、人々の心は豊かになっていきました。
最後の願いに、皇女様は鳥だった魔法使いの為に使うことにしました。
「この国で一番、美しい物を貴方にあげましょう」
魔法使いは、喜んでその願いを叶えました。
目の前の皇女様はみるみると鳥の姿に変わっていったのです。
鳥の姿になった皇女様に魔法使いは言いました。
「貴方の心は、小さな国でなによりも美しいですよ」
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