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目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。  作者: Jまる


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第17話 復旧

 一通りの事情を聴き終えた後、管理室前にたどり着いた私は閉ざされた金属製の扉を見上げる。

 上部にカメラは付いているものの現在稼働はしていない様子だった。

 この上部に付属しているカメラは監視装置の役割もあるのだが、同時に認識装置としての機能もあるものだ。


「扉の認証はわたくしでも可能ですが、施設の機能復旧には管理者権限が必要です。副管理者権限で管理者権限再取得の申請を出しますので、ご主人様はそのあとで認証をお願いします」

「了解。じゃあお願いするね」


 その言葉と同時に雛菊は管理室の扉に接続している端末に小さな手を載せる。

 すると、『副管理者:狐塚雛菊こづかひなぎくを確認しました。管理室の扉を開放します。警告:管理室及び施設の復旧には管理権限者:狐塚詠春こづかえいしんの認証が必要です。現在管理者権限者とのリンクは切断中……』とのアナウンスが流れだしたのだ。


「というわけです」

「なるほどね。とりあえず再接続空かなぁ……」


 リンクが切断されてしまっている理由が理由だけになんだか心苦しい気分だ。


「マスターの普段の行いの結果です。しっかり受け止めて反省してください。でなければ私が折檻しますからね」

「す、すみません……」


 さくらの冷たい視線を感じながら再度反省。

 ちらりと伺うと言葉にこそ出さないものの雛も鈴も同じように冷たい視線を向けていた。

 この様子だと他の従者たちも同じだろう。


「ふふ。反省は存分になさってください。とりあえずわたくしの要件を進めてしまいましょう。こちらです」


 姉妹たちの中では一番温厚な性格なのは間違いなく雛菊だろう。

 そもそも雛菊が怒るという事態を今まで見たことがないのだ。

 そんな雛菊は扉の先にある広い部屋へと進んでいってしまった。


 今いる場所はルピナス級という巨大な移民船に接続されていた移民開拓用のモジュールの1つだ。

 元々惑星開拓用に切り離して運用されてることを想定しており、単体でも様々な活動が可能だ。

 今見えている部分はこのモジュールのほんの一部分でしかなく、別の区画へ行けば大きな街1つ分の生活空間が確保されている。

 しかしそんな施設も現在、雛菊の話通りであるならほんの一握りの移民者が再度時間停止で眠っている状態になっているはずだ。


 そんなモジュールの管理室は広く、現在は稼働していない端末や機械がほとんどだ。

 埃などは被っておらず、定期的にメンテナンスロボが掃除や整備をしてくれているようである。

 その中の1つの端末の前に現在、雛菊が立っている。


「アクセスコードは********。副管理権限者狐塚雛菊っと。管理権限者再申請、対象狐塚詠春。申請方式は直接接触による認証っと。設定は以上ですね。さ、ご主人様。こちらへ」


 雛菊に促されるまま、管理端末の前に移動する。

 すると端末に光が灯り、青白い星型の光が映し出されたのだ。


『認証を開始します。星型の中央に手を載せてください』


 促されるまま手のひらを星型の中央に合わせる形でそっと置く。

 この端末に表示される模様が星型なのにはちょっとした理由があるが、今は割愛するとしよう。

 しばらく後、端末から光が上下に走り手のひらの何かを確認していく。

 その光景はまるでコピー機である。


『第一認証完了。第二認証にシフト。【星光力せいこうりょく】を端末に放出してください。強さは問いません』


 再び促されるまま、私たちのみが持ち得る【星光力】という力を少し端末に放出する。

 これは世界を渡り星々の海を渡ってきた私たちだけが持つもので、当然従者であるさくらたちもこれを持ち合わせている。

 この力は様々な創造や狭間の空間での防護などに利用されている。


『星光力の確認が完了しました。ようこそ管理者様。モジュール内部すべての権限を開放いたします。お帰りなさいませ』


 端末からそのようにアナウンスが流れると同時に、管理室に光が灯る。

 動力の復旧が完了したようだ。


「これで最悪の事態は避けられます。ありがとうございます、ご主人様」


 無事認証されたことに安堵したのか、雛菊がお礼の言葉を述べてくる。


「待たせてすまない。ようやく第一段階が完了したというところか。さてと。さくら、利用できそうな装備があるか確認してもらえるかな? 精錬装置関連は移住当時に持ち出されているだろうからないと思うけど」

「承知致しました。時間がかかりそうですのでじっくり確認していきましょうか。他にもやることがたくさんありますので」

「そうだね。とりあえず次は雛菊と雛と鈴の組合登録かな。活動に必要になるだろうし」

「そうですね。3人ともグレーメルの街へ向かうことにしましょう」

「はーい」

「うん」

「はい。姉様」

「んじゃ、さっそく外に出て転移しますか。管理室にも転移装置があることだしね」


 こうして私たちはグレーメルの街へ登録しに向かうことになった。

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