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目が覚めたら洞窟の中でした。仕方がないので生活環境を整えつつ帰還を目指します。  作者: Jまる


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第16話 人類史と空間結晶

 管理室まで続く通路は実に平和なものだった。

 さっきまでいたはずのガードロボはどこにも存在していない。

 彼らは警戒モードが解除されると自動的に所定の場所に戻り格納・メンテナンスされることになっているからだ。


「ガードロボはわたくしたちの攻撃にも強いので簡単に破壊することはできません。数が少ないのが幸いですね」


 こういった艦に配備されているガードロボは対魔魔法、対刃、対射撃、対爆に非常に強い耐性を持っている。

 確実に仕留めるのなら【星術】と呼ばれる特殊な術が一番なのだが、あいにく今の私ではそれを利用することはできない。

 とはいえ、少しずつ力は戻っているのでそのうち使えるようになるだろうけど。


「ご主人様はこの世界の人類について誰かにお聞きになったりしましたか?」

「人類について? いや、聞いてないね。街には1回行ったけど色んな種族がたくさんいたね」


 雛菊に問われて街の状況を思い出す。

 そういえばこの世界はいわゆる亜人が多いように見受けられるなぁ。

 ファンタジー系の基本ではあるけど。


「はい。実は今の人類は移民当時の人類ではありません。入植当時の人類を第一紀人類とし、第二紀人類、そして現在の人類の第三紀人類までがいます。第一紀以降は環境や状況に合わせた修正がなされています。特に人族以外の種はわたくしが直接手を入れたためわたくしたちに非常に友好的な種となっています」

「なるほど、道理で街に行った時に獣人系の女性によくモテたわけだ」

「それはそれでどうかと思いますが……。話は戻しますが、第一紀人類は生殖能力の低下が著しく、入植からしばらく経った後に徐々に数を減らし絶滅寸前となってしまいました。何かしらの環境要因が原因と考えたわたくしと配下の運営者たちは、第一紀人類のほぼ全てを一度時間凍結・保存を行うことにしました。ですので現在も当時の人類はまだ完全に消えてはおりません」

「ふむ」


 どうやら当初私たちと共にいた者たちはこの星の環境要因に悩まされていたようだ。

 ストレスが強い状況では確かに反映はしづらいのかもしれない。


「第二紀人類は魔法の影響を受け非常に頭が良く、第一紀人類の遺産を使い高度魔法文明というものを生み出します。それこそ魔法と科学技術を駆使し浮遊島なども運用できたくらいです」

「それはすごいね。うまくいけば宇宙開拓においても素晴らしい成果を収められそうだ」

「はい。ですが第二紀人類はある時を境におごり高ぶってしまうようになりました。それはやがて空間を操るようになり、様々な便利な道具を生み出します。その成果が【転移】や【空間収納】です。わたくしたちが扱っているものとは別のものですが中々の成果でした。しかし成果を出し豊になればなるほどもっともっとと求めてしまうもの。やがては別世界の資源に手を付けようとしてしまいます」

「なるほどね」


 そこで資源を求め別世界の扉を開くに至る。

 だが、そこで呼び込んでしまったものがあまりにもよくないものだった。


「第二紀人類が見つけ出した物。それが【空間結晶】です。彼らはそこで【結晶人】と出会います。それに気づいたわたくしたちは急いで止めようとしましたが気づくのが遅すぎました。いえ、正確にはわたくしたちが油断していたのでしょう。結果第二紀人類は結晶人を呼び込んでしまい、世界中に空間結晶の結晶株が発生するという最悪の事態が起きました。第二紀人類は主に今いる大陸とは別の、結晶に覆われている大陸で発展していました。もちろん様々な場所にも移動していた彼らなので今残っている大陸にもその痕跡はありますが」

「結晶株が発生し、その排除に追われどうにか被害を抑え込んだところで力尽きてしまったというわけか」

「はい……。結果的に空間結晶の影響で第二紀人類は大部分が死んでしまい絶滅しかけました。どうにか一部だけは生き残ることができたものの空間結晶が与えた影響は大きく、第二紀人類の生殖能力は皆無となっていました。そのためわたくしは眠りにつく前の最後にと新しい人類を創造。今の第三紀人類が誕生したというわけです。以後わたくしは後のことを配下に任せこの場所で回復を待っていたというわけです」

「ありがとう。よく頑張ったね」


 移動しながらも今まで起きた出来事を話してくれた雛菊。

 その小さな頭を軽くなでるとねぎらいの言葉を送った。

 しかし空間結晶か。

 あれは管理できないものが呼びこめば世界をすぐに覆いつくすような存在だ。

 まぁこの件は後で考えることとしよう。

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