第13話 ルピナス級モジュールへの潜入1
艦内に発生したレーザーフェンスの解除方法は2つある。
1つは管理者権限を取得して解除する方法、もう1つはレーザーフェンス解除用の端末を直接操作して解除する方法だ。
レーザーフェンスは進行方向に発生するので、その向こう側には必ず設置されている設計になっている。
つまり迂回して解除することで先に進めるわけだが、大抵の場合小部屋とセットになっているので小部屋にたどり着ければどうにかなるというわけだ。
「となると、ダクト通っていきますか」
艦内の天井は高めだが必ず換気のためなどにダクトが存在している。
ダクトはあちこちに繋がっているので匍匐した状態で進めば目的の部屋にたどり着くことも可能だ。
ただどうしても区切られた場所はあるのでまっすぐ行けるとは限らない。
「とりあえずダクトに入るからみんな少し待っててくれ」
さくらたちにそれだけ伝えると、さっそく体を軽く浮かしてダクトの入り口となっている点検口に手を掛ける。
蓋となっている部分は溶接などされていないので少し力を加えることでずらして開けることが可能だ。
「よっと。ふぅ……。相変わらず狭い……」
手元に明かりを灯して明るさを常に確保していく。
ダクト内は狭いため頭をぶつけないように進まなければならない。
「それにしてもきれいだな。点検用のロボットが巡回しているんだろう」
艦内ダクトは人の手で整備することもあるが基本的には点検用ロボが巡回して整備している。
なのでカビや汚れは基本的に存在しないといってもいい。
艦内の主要設備の時間は凍結されていても、こういった機能だけは稼働しているのだ。
「ということは点検用のロボにも気を付けないといけないか」
匍匐でダクトをずりずりと進んでいく。
都度点検口から下を確認し、個室になっているかを調べる。
ついでにさくらから貰った艦内の設計図と道順を照らし合わせる。
おおよその当たりを付けて現在地の把握を試みる。
「同じような場所があるけど、うーん。おそらくこのあたりかな? とりあえず部屋を目印にしてみるか」
しばらく同じようなこと繰り返していると、部屋の真上にある点検口にたどり着く。
早速降りてみると、そこは医療機器が並ぶ部屋だった。
「照らしわせると、ここは第一医務室か。この部屋の奥に端末と医療カプセルがあるのね」
どうやら今いる場所は第一医務室という場所のようだ。
医務室には警備システム解除用の端末やシステムにアクセスできる端末が存在しているはずだ。
「ええっと、あぁ、ここか」
部屋の中は薄暗く明かりがついている場所はない。
せいぜい機械類に電源が入っているくらいだ。
そんな部屋の奥、事務長室のような場所にアクセス端末は存在していた。
第一医務室事務長室と書かれたその場所にある端末は医務室周辺の警備システムを解除することができるようだ。
「とりあえずこれでよし。さくらに連絡してみるか」
『さくら。第一医務室ってところから周辺の警備システムの解除ができた。そっちはどう?』
『こちらさくら。レーザーフェンスは消えています。この辺りのエリアは第一医務室の範囲のようですね。今雛ちゃんと鈴ちゃんがダクトを通ってそっちに向かっています。もうすぐ着くと思いますので次の解除の手伝いをさせてください』
『わかった。到着を待って次の行動に移るね』
さくらとのやり取りを終えたので一旦待機。
雛菊との繋がりは第一医務室ではなくもっと奥の方のようだ。
待っている間に第一医務室から繋がりを感じられる先について調べてみる。
そこには『特殊医療室』という記載があった。
「居場所は特殊医療室か」
特殊医療室とは一般の乗組員にはあまり関係のない、さくらたち従者のような特殊な存在が使用する医療室だ。
当然私も何かあればこちらを使うことになる。
「場所はわかったけど、この先が問題か……」
図を見る限り、今いる場所からはダクトは繋がっていない。
しばらく道なりに進まないと駄目なようだ。
「とうちゃーく」
「小さくても歩きづらい。ダクト嫌い」
しばらく待っているとダクトのほうからトタトタと歩いてくる音が聞こえてきた。
そのまま様子を見ていると、点検口から雛と鈴が顔を出し、そのまま降りてくる。
「お疲れ様。ここからは普通に歩いていくみたいだよ」
「それならよかった~」
「さすがにダクトは狭すぎるよ……」
どうやら身長60cm程度であってもそれなりに狭かったようだ。
「あっ、さくら姉は周囲を確認してから合流するって」
「物資庫とかありそうだからって~」
「了解」
どうやらさくらは物資が調達できそうな場所を探してから合流するようだ。
であれば先に進む方がいいだろう。
「じゃあいこうか。今までは妨害系だったけど、この後は防衛設備が配備されているようだからね」
「はーい」
「全部壊していいの?」
「どうしてもの場合はね」
「よっし、暴れるぞー!」
なぜか壊す気満々な鈴である。
とりあえず気を付けなければいけないのはレーザーマシンガンタレットかな。
「雛はレーザーマシンガンタレットに注意して。回避できればしたけど、ダメな場合は強行突破するからね」
「まかせて~」
雛の防御があればレーザーマシンガンタレットはどうにかなるだろう。
では、気を引き締めて先に進もうか。




