第1話 一人寂しい異界での一夜
執筆リビリ第二弾
そこそこ不定期更新。
ふと眠りから覚める感覚を味わう。いつの間に寝ていたのだろうか。
ここ最近、夜更かしをして遊んでいたのは事実だが、寝落ちすることなどほとんどなかった。
久々に寝落ちしてしまったな。そんなことを思いながら目を開ける。
!?
なんとそこは自室ではなく、見知らぬ岩壁に囲まれた洞窟のような場所だった。若干明るい。一体どうやってここに来たのだろうか? ここに来た記憶がないのでとりあえず寝る直前の記憶を遡ってみることにする。
昨夜、最後の記憶といえば酒好きな友人が部屋に尋ねてきたので一緒に遊び、酒を飲んで賑やかに過ごしたくらいだ。つまり、どこかに出かけたような覚えもない。
ならここはどこなのだろう。とりあえず洞窟を出て外を確認してみよう。
◇
「こりゃまいったね……」
現在地から洞窟入り口までは比較的すぐの距離だった。そんな洞窟の外の景色は私の期待を裏切るものだった。一面見える限り樹木が続く森だったのだ。
「さて、どうしますか。食べ物は……ない。帰ろうと思えば帰れるだろうけど、あっ、しまったなぁ。力の残量がない……」
どうやら元の場所に帰るための力もどこかに置いてきてしまったらしい。おそらく部屋なのだろうが……。これでは帰るまでに力を溜めなおさなければいけない。食料もないし、どうしたものか……。
「とりあえず食べられそうな植物を探して検索を掛けてみるか。できれば水や塩もほしいところだけど」
というわけで優先事項を決めておくことにする。
1.食料を探す。見つけたものは情報検索を掛けて毒性の有無を調べる必要がある。
2.水場を探す。水場と段差がある場所が望ましい。
3.キャンプ地の確保。水の煮沸にも使えるので比較的広い場所を確保したい。
4.塩の確保。人里があればそれでよし。なければ自力で探すしかない。塩抜きはきつい。
とりあえずこのような内容で進めていくことにする。面倒な野生動物がいなければいいが。
何もないなら気持ちを切り替えてさっさと行動するのが吉。ただし迂闊な行動は避けるべし。特に草むらや茂みは避け、樹木も上の方には注意する必要がある。蛇・蛭・そのほか有害生物がいないとも限らない。
「茂み探索のお供、木の棒。ガサガサしながら進むとしますか」
身は1つ、お供は1本。これが旅の始まりだった。
◇
しばらく茂みをガサガサしながら周囲を探索。茶色い椎茸のような怪しいキノコと木苺を見つけることができたので所持している端末を利用して情報検索を掛ける。するとどちらも食用であることがわかった。これはあとで食料としておこう。そのまま回収だけ回収。似たようなものが混ざってないかも一応検索で確認だ。
若干の食料を確保した後、次の行動に移る。つまり水の確保だ。とりあえず周囲には水音がないので川や泉のようなものは遠いだろう。動物もいるにはいるようだけど危険性はない。さて……。
水音は聞こえないものの一応よさそうな平らで開けた場所はいくつか発見することができた。ただ同じような景色が続くので同じ場所に戻ってこれるかは不安なので、目印だけ付けてその場を離れる。日の高さはわからないけど、とりあえずまだ大丈夫そうなので探索を進めることに使用。
◇
どれくらい歩いただろうか。相変わらず水場はなし。しかし動物がいるということは水場があるということ。とりあえず色々な木の実などを回収できたので食料は一旦落ち着いた。そうしてそのまま森を歩き続けていると突然森が開け、外の景色が飛び込んできた。
「海……だと!?」
そう、森の先にあったのは海だったのだ。もしかしたら湖かもしれないなんて思いもしたが、カモメのようなものが飛んでいるのでそれはなさそうだ。
「塩はまぁどうにかなるか。水は……ちょっと大変そうだね。うーん……」
何もない状況で真水にするとしたら真っ先に思いつくのは水蒸気化だろうか。ただし燃料も多くさらに時間がかかる。
「とりあえずこの近辺に簡易拠点を作ってまた真水を探すとしますか。まずは伐採用の道具を用意しないと。ここが私の知る世界のどこかなら使えるはず……。【アクセス デュオ クリエイトツール】」
言葉を口にした瞬間、目の前に半透明の青色をしたウィンドウが空中に表示された。ウィンドウの中では空っぽのインベントリと素材置き場のスロット、クラフトというボタンと成果物というスロットが配置されている。
「よしっ。効果範囲内だな。ならばまずは石斧からかな」
というわけで早速近くにあるちょうど良さそうな石と手頃な木の棒とちょうど丈夫で良さそうな草を繊維としてを集めて素材置き場スロットに配置。作れる道具が表示されるのでその候補から石斧を選択する。しばらくした後、成果物スロットに石斧が生成された。
「じゃあまずは焚火を用意して細めの木を切りますか」
というわけで早速もっとも簡単な小屋作りを開始することにした。とはいえそれなりの労力は必要なのだけど。従者を呼び出せるくらいまで力を回復するのに簡単な屋根付きの避難所があれば十分だ。
まず風対策に少し高い森の中付近に場所を決め、簡単に建てる範囲を石ころなどで決めておいて割った石の破片や木の破片などを使って地面を掘る。ある程度穴が掘り終わったら、事前に用意していた焚火を使い倒木や丸太などを利用して地面に接する部分を焼き柱の場所に埋めて建てる。次にさらに細い良い感じの枝で壁を組み、隙間に泥などを詰めていく。床面は石があれば石で、なければ最悪土になる。屋根も細い枝で組んだら大きめな葉っぱなどで雨漏り対策をして石などを置いて固定。これで簡単な避難所が完成する。
「すっかり日が暮れたけど、とりあえず簡単な避難所は完成か」
気が付けば外は暗くなりつつあった。あと気をつけなければいけないことは避難所の耐久度だろうか。正直すぐ壊れるくらいのものなので一時的な探索拠点にするほうがいい。水、塩、食料の目星がついたら洞窟の方向に戻ることにしよう。一応目印は着けてあるのでどうにかなるはずだ。
「ふぅ……。とりあえず一休みしつつ回復を待つか。明日になれば従者1人呼び出せるくらいの力は戻っているだろうし」
そう独り言ちて一日を終えた。
そして翌日、私は大変な目に合うのだった。




