52、パイシー師匠の熱血指導
夜会のざわめきから離れた廊下を、案内役のメイドに連れられて、パイシーとイヴが並んで歩いていた。
先程まで歩いていた廊下とは違う。天井の魔導灯が、彼女らの影を床に落としている。先程までは影など見えなかったのだが。
「なんや、ええ感じに空気重なってきたなぁ」
「⋯⋯この状況でそれが言えるのほんと凄いと思う」
「素直に尊敬してくれたらええんやで?」
「この分野では本当にそう思うわパイシー」
イヴが肩を竦める。舞台が終わり、長い黒髪をまとめ、衣装に付いていた光を撒き散らす羽衣も取り外している。ただの綺麗な薄着の女の子だ。舞台上の彼女とは違い、少し幼く見えた。
パイシーは今のドレスアップを気に入っているのか、夜会に出た時のままにしていた。
「メイドのおねぇちゃん、待機部屋で休ましてもらろてええんやんな?」
部屋に案内すると言って前を歩いている王宮メイドに呑気に声を掛けた。
「⋯⋯勿論で御座います。どうぞ、ごゆるりとお過ごし下さいませ。こちらのお部屋で御座います」
メイドが扉を開いて中へ入り2人を室内へと促す。パイシーが笑って扉を潜る。褐色の肌に銀の髪が室内の魔導灯の光を返すように煌めく。続いて緊張した様子のイヴが室内に足を踏み入れる。
中は清潔な控えの間。中央のテーブルには二脚のソファ。入った瞬間、奥の扉が音もなく開き、一人のメイドが姿を見せる。
「こちらでおもてなしをさせて頂きます」
パイシーは何も言わずにソファに腰を下ろす。普段の彼女に比べれば幾分かは上品な所作だ。
「お疲れ様でございます。お二人に紅茶を──」
その声に、パイシーの目がわずかに細まる。笑みは消えないまま、彼女の足の指先が床を軽く叩いた。
「頼むわぁ〜。美味しいのチョーダイ」
「承知致しました。お茶菓子はそちらにご用意しましたものをお召し上がり下さい」
「さすが王宮、見た事ないわ〜こんな茶菓子」
パイシーが、何の躊躇も無く茶菓子を口にする姿を見て、イヴは毒気が抜かれたようにソファに腰掛けようと──。
「あ、イヴやんは反対側やで」
「え、そうなの? そういうもの?」
「ほら、案内役のメイドはんが左におるやろ?」
イヴは作法がよく分からないので、パイシーの指示に従って反対側に腰を下ろした。メイドが、パイシーから見て右側から、中央のテーブルに淹れたての紅茶を運んで来る。
「開始位置は平等にせなあかんからなぁ。なんせ⋯⋯2対2ぃやから」
ピシッ──。
空気が、裂けた。部屋に殺気が溢れる。
次の瞬間、紅茶を運んでいたメイドの袖から鋭い刃が閃く。紅茶のトレイが宙を舞い、目眩ましの茶が光の粒となって飛び散る。
刃は一直線に、イヴの喉元へ──。
パイシーは一歩も動かない。代わりに、手首のひらりとした動きで、後ろから振り下ろされた案内役のメイドの刃を流し、その手で今度は茶菓子を指先で弾く。
茶菓子の当たった刃の軌道がわずかに逸れ、イヴの頬をかすめて壁へ突き刺さった。パイシー右手の動きだけで、2人の暗殺者の初撃を防いでみせたのだ。
パイシーは刃を流した腕の右肩で、案内役のメイドを吹き飛ばす。見事に紅茶を入れたメイドにぶつけて、2人纏めて床に転がした。
「ほな始めよか。イヴやん、訓練開始や」
「はぁ!? 今!?」
「かすったなぁ。ちゃんと避けなあかんやん?」
「避けれないわよ! 急に殺しにきたじゃない!」
「そら暗部やもん。手加減なんてせぇへんわなぁ」
イヴは息を呑んだ。全身の肌が粟立つ。だが逃げるという選択肢は頭になかった。パイシーの瞳が「やれ」と言っていたからだ。
2人のメイド──いや、暗部の女は瞬時に状況を把握して、即座に立ち上がり背後に飛び退る。立ち位置のせいか1人にしか見えない。
先程とは違う、鋭い目でイヴとパイシーを睥睨し、そのまま無言で姿勢を低くした。床を蹴る音が爆ぜ、影が二つに分かれる。
案内役のメイドと、紅茶のメイド、2人が左右対称に同じ動きで左右に分かれる。
だがほんの少しの動きのズレから、どうやら、まずはイヴを始末するようだと、パイシーは判断した。
1人がパイシーをけん制、もう1人がイヴを攻撃する。パイシーの実力を測り、即座に作戦を立てたらしい。
「左やっ!!」
パイシーの声。イヴから見て左、ソファの背後から迫る。イヴの体が反射で回る。裾が舞い、腕を振る。舞の円の動きから繋がるように、魔力を掌に流し込む。
バチィッ!
放たれた掌打が空気を震わせ、紅茶メイドの肘に当たる。しかし浅い。衝撃を殺しながら紅茶のメイドが笑った。
「ふぅん、なるほど。『魔力操作』か。スキルとしては悪くないけど、まだまだ拙いものだわ」
「うるさいわね! スキルなんて持ってないわよ!」
「⋯⋯なに?」
イヴは無視して踏み込む。舞台で踊る時の足運び、リズム、呼吸。それをそのまま戦いの動きに変える。
「右手に力入りすぎや、決める瞬間まで脱力やで」
パイシーが声と、指先から何かを飛ばす。
「あーほら、3回死んだで。気ぃ抜いたらあかん」
イヴが止めを刺される瞬間、何かを飛ばして紅茶メイドの動きを止める。茶菓子では無いようだ。
案内役メイドと対峙しているはずなのに、サポートしてくれるパイシーの状況にも興味を惹かれるが、紅茶メイドから視線を外す余裕は無い。
イヴが回避行動と同時に、魔力で強化した手刀を放つ。それを紅茶メイドの手刀が迎え撃つ──。
ガキィンッ!!
空気が弾けた瞬間、パイシーの指が微かに動いた。
高速で飛ぶ何かが軌道をずらし、紅茶メイドが死角から放った刃は、イヴの肩をかすめるだけに終わる。
「今のはほんまにあかん。殺気が強すぎや。視野が狭なってるねん。力抜いて〜イヴやん」
「殺気、なんて、出してない、わよ!」
緊張感と高速戦闘の影響から、肩で息をするイヴに対し、ひたすら呑気な口調で助言を送るパイシー。
「出とるわ。ビリビリしてんで。相手は殺気を読むし殺気を消しよるからな」
額に汗を浮かべながら、イヴは息を荒くする。
「殺気⋯⋯身体の強張り⋯⋯ふぅ⋯⋯」
だが次の瞬間──呼吸を整えたイヴの動きが変わった。
踏み込みが軽く、腕の振りが自然になる。流れるように、まるでそこに吸い込まれるような動きに変わる。舞と戦闘が一体化し始めた。スカートの裾が弧を描き、掌から光が漏れた。
連撃を避ける紅茶メイドの瞳がわずかに見開かれる。気付けば目の前に手刀が迫っていた。すんでの所で避けるが、体勢が崩される。
その戸惑いを見逃さず、イヴは回転の勢いを利用して背後を取る。両手を組み、腰を落として肘を尖らせる。体の内側に流れる魔力を一気に解放した。
「──ッはああッ!!」
身体の内部から魔力が爆ぜた。輝くイヴの肘が脇腹に突き刺さった紅茶メイドの身体が弾き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
「ミーティア!!」案内役メイドの声が聴こえた。
静寂。
魔導灯が淡く瞬く音だけが響く。
イヴは肩で息をしながら、自分の掌を見つめた。掌の中心から、肘へ向けての微かな光がまだ消えない。
「……やった、の?」
「失神しとるなぁ。あ、ちょっと待ってや」
パイシーに視線を移動させると、下着姿のメイドさんとじゃれ合っていた。
「え!? 何でそのメイドさん脱いでるの!?」
「さっきからスゴイ頑張ったはるねん」
唇を噛み締めて、目には涙を溜めながら、自暴自棄になったように、恐ろしい速度でパイシーに打撃技を打ち込み続ける──端から見ていると健気な"下着姿の"女の人がいる。頭にカチューシャを付けているので、先程の案内役メイドである事が分かる。
案内役メイドは呼吸を整える為、飛び退って息を荒げる。
下着の他には、太腿まであるベージュの長いロングソックスを履いており、革のベルトを太腿と脛の位置に巻いている。恐らく投げナイフなどが納められていたと思われるが、今は1本も無い。恐らくパイシーの横の壁に突き刺さっているのが、それなのだろう。
「ど、どうして服を脱いでるの?」
イヴの質問に、下着姿のメイドがキッと睨みつけてくる。
「え、私なにか変なこと言った?」
「イヴやんの周りに落ちとるやろ留め具」
イヴが足元を見ると、確かにボタンやら留め金なんかが落ちている。
「さっきからこれ飛ばしてたの!?」
「手近に飛ばせるもんが無かったからなぁ」
パイシーは自分に向かってくるメイドの攻撃を避けながら、服のボタンや留め具を毟り取って、指弾として飛ばしていたらしい。
──格が違う
「イヴやんも実戦で成長してきたみたいやし、魔力操作も馴染んどる。そろそろいっとこか──2対1」
「⋯⋯は?」
言うが早いか、下着姿のメイドの横に高速で移動、パイシーは彼女を突き飛ばした。
「きゃっ!」
イヴの傍に横たわる紅茶メイドの横に転がる。
「ほら起きてや〜」
間延びした声とは真逆、パイシーはヒールを脱いで、足先に魔力を込め、床を踏みつけた。
部屋が細かく揺れる。その瞬間──
「かはっ、⋯⋯ゴホッゴホッ! なに!?」
イヴの肘打ちで失神していた、紅茶メイドが目を覚まして上体を起こした。
「なっ!? なんで起こすの! 正気なの!?」
イヴの叫びにパイシーが応える。
「当たり前やん♪ おはようさん、任務の途中で寝たらあかんやんか紅茶メイドはん。ほな再開やで」
「な、なにっ!? なんなの!?」
「ミーティア、大丈夫? あいつ化け物だよ」
「アリーシャ、え、どうして服を脱いで⋯⋯」
「それもういいから! 早く立って!」
「だって貴女⋯⋯あ、痣だらけじゃない!」
「だから⋯⋯あいつにやられたのよ!」
紅茶メイド、改めミーティアがパイシーを睨み付ける。しかし直ぐに異常に気付いた。
──無傷、服も、髪の乱れすらも無い
圧倒的な強者の気配。先程までは、わざと気配を抑えていたのだろう。ミーティアの額に汗が光る。
「ウチを殺りたかったら、まずはイヴやんからや」
いつの間にか部屋の端にあったキャビネットから、勝手にお酒を取り出している。グラスに注ぎながら話し出す。
「あんたら2人掛かりでもウチを殺すんは無理やで。せやけどイヴやんならどうや? ウチは手ぇ出さんから安心せぇ」
ミーティアと、ここまで案内役として付いていた、下着姿のアリーシャが、イヴを見る。
──こいつ1人なら勝てそうだ
ミルトの様な共感するスキルが無くとも、相手の考えていることが伝わってくるようだ。
「⋯⋯なめないでよね」
別に自分は戦闘を生業とする者ではないけれど、これはこれで腹が立つ。身体を使うことにかけて、自分が誰かに後れを取るのは許せない。
イヴは両手を前に、腰を落として指先を相手に向ける。舞の初めの動作を取った。身体に染み付いた動きが最も素早く動ける事を、イヴは既に知っている。
「それでええよイヴやん。自分の得意な動作の方がええわ。大事なんはセンスとマインド──ほんでイメージや」
全身が擦り傷と痣、手刀による切り傷で血も出ていて痛む。でも、やらなければ終わらない。イヴは覚悟を決めた。身体の中の魔力を練り上げる。眼球、指先、爪の先まで行き渡らせる。
「掛かって来なさい。私はイヴ。言っとくけど名字なんて上等なもんは無いわ。ただのイヴ。平民で戦争孤児の踊り子よ」
自分を殺したところで何の名誉にもならないが、それでも良ければ──。
アリーシャとミーティアは、顔を見合わせて頷き合う。
「アリーシャ・チー・オーデン。安心しなさい、名字なんて戦場では何の意味も持たないものよ」
アリーシャはカチューシャを外す。すると猫の耳の様なものが2つ、飛び出してきた。腰元に手を回して、下着に手を入れて、引っ張り出す。長いフサフサの尻尾を。
「おお、獣人ちゃんかぁ♪ その尻尾は猫やな。バネがあるから格闘戦は得意やね!」
格闘戦で手も足も出させなかったパイシーが煽る。
「⋯⋯あんたは後で必ず殺す。イヴの後に⋯⋯」
「ええ、この借りは必ず返すわ。私はミーティア・グー・オーデン。名字は後で貰ったものだけど、私達にとっては誇りなの。さっきは油断した。再戦の機会をくれて感謝する。貴女に恨みはないけれど、貴女の雇い主は私達の仲間を殺した。恨むならミルト・フェルムを恨みなさい」
ミーティアもカチューシャを外すと、今度は間違い無く、猫の耳が飛び出してきた。
「仲間を殺した? あ、あ〜そうね。⋯⋯なら仕方ないわね。ところで名字は同じでも種族は違うのね」
イヴの疑問にミーティアが答える。
「言ったでしょう。名字は後で貰ったもの。だけど、血の繋がりよりも濃いわよ──私達の絆は」
アリーシャが言葉を繋ぐ。
「見せてあげる、私達の連携!」
「ちょい待ち! グーとチー? ほなパーは?」
パイシーがどうでもいい事で待ったをかける。
「⋯⋯パーは私達の姉弟子よ。手を出さないなら邪魔しないでくれない?」
ミーティアが苛ついた顔で答えてくれる。
「あ〜ごめんやで、ちょっと懐かしなったんや。ほなどうぞ、続けて続けて」
「悪気はないのよ。それよりさっさと始めましょう」
イヴが構えを解かずに待っていた。
「さっきは舐めて悪かったわ。私達も本気でやるから許してちょうだい」
ミーティアがスカートの上から、ベルトを幾つか外して床に落とす。暗器が納められたベルトだ。
「本気でやるのに武器を外すの?」
「武器なんて弱い奴を手っ取り早く殺る為の物よ。私達、暗部に所属する前は、こっちが専門だったの」
ミーティアがゆっくりと腰を落として構えを取る。
「私達も元は孤児。孤児が習う拳法なんて1つしか無いんだから、分かるでしょ?」
アリーシャが、ミーティアと左右対称に構えた。
「え、分からないけど?」
「「白風拳に決まってるでしょ!!」」
そんな噛み合わない会話から、イヴ対アリーシャ&ミーティアの戦いが始まった。
メイド2人の行動の起こりを読み、イヴが身体から魔力を放出、一気に距離を詰める。2人の構えから、同時攻撃を予測、2人のタイミングをズラす為にアリーシャに向かう。待ちはしない。動きを止めれば、その瞬間に命を絶たれる。
(今なら2人の攻撃もある程度は見切る事が出来るはず)
アリーシャを起点に、2人ともに向けて攻撃の手を出し続ける。舞うように、時に鋭く、素早く柔らかく躱す。動きを止めない為に舞の動作を回避に混ぜ込んでいく。回転と捻りを加えて身体が止まらないように立ち回る。
3人とも身体はボロボロだ。武器の無い今、手刀がメイン武器だが、肘、膝、足も、頭や肩まで使う。全身で相手の隙を狙い、また隙を見せて誘い込む。
数秒の中に恐ろしい程の攻防が生まれては消える。
イヴが極限の戦いの中で成長し続ける。
(白風拳⋯⋯グーチーパーか、そうか⋯⋯生き返って初めて会ったわ。もう全然別モンやけど、スラムの孤児の子らに、自分より強い奴と戦う為に教えたヤツやな)
パイシーは嬉しそうに見つめていたが、違和感にも気付く。
(せやけどなんか、メイドちゃんらの動きが目に見えて遅なかってるなぁ〜)
イヴが誰にも話していない能力。キャラバンで最初に襲われた時に目覚めた力。
名前は無いが、周囲に魔力を拡げ、そこに自分の望む効果を付与する事が出来るが、あれから一度も再現できた事が無かったのだ。
(私が望んだのは『止まれ』だけど、動きが鈍る程度ね)
メイド獣人2人の身体能力が高過ぎるせいだろう。ほんの少し動きが遅くなる程度だ。それでも、この効果が無ければ、2人の連携技で、イヴは既に死んでいただろう。
しかしここでミーティア&アリーシャの攻撃に変化が訪れる。
「出すよ双獣の牙! アリーシャ!」
「合わせる!」
2人が上下のコンビネーションに切り替える。完成された好きの無い連撃。イヴの視界の中から外から鋭い攻撃が繰り出される。幾つかの攻撃を喰らう。
刹那、下から首を狙ったアリーシャの右の手刀を、左手に捻りを加えて外に逃がし、そのまま左肘でアリーシャの顎に肘を当てる。しかしその瞬間、ミーティアの水面蹴りがイヴの右脚の脛を打った。
イヴはグラつきながらも、痛む右脚を踏ん張って気合で前に出て攻撃に転じる。立ち上がるミーティアの頬にイヴの左膝が突き刺さる。ミーティアは失神しながらもイヴの左脚を掴んだ。
アリーシャは肘で脳を揺らされ、目眩を感じながら、先程とは逆の左手の手刀で首を狙う。イヴはミーティアに左脚を掴まれて回避出来ない。倒れ込む様に体を捻り、首への攻撃を外す。顔面で受ける──傷は残っても死にはしないだろう。
(手刀を左頬で受けて首を捻り、倒れ込みながら後ろ蹴りをアリーシャの顎に叩き込む──顔に傷が残るのは、諦める!)
ガチャ──「こちらでございます」
淡い香油の香りと共に現れたのは、ヴァルクリス王国の王妃、シュープリム・ヴァルクリス。
真珠のような白い肌に、薄紫色のドレス。落ち着いた色の金の髪をハーフアップにしている。とても2人の子を産んだとは思えない程に美しい。
アリーシャの動きが一瞬止まる。イヴはその隙を見逃さず、アリーシャの顎に後ろ蹴りを叩き込んだ。
アリーシャが顎を打たれ白目を剥く。しかしそのままイブに伸し掛かり、アリーシャ、イヴ、ミーティアの3人が床に倒れ込んだ。
王妃を守るように前に立つのは、怒りに燃えるメイド長。そして開け放たれた扉から続く廊下には、数名の護衛騎士が控えていた。
「何をしているのですか貴女達は!? 服は!?」
「ミーとアリー? 舞姫さんと何をしているの?」
メイド長が叱り飛ばし、王妃がマイペースに事の次第を質問する。
「双獣拳⋯⋯改良の余地有りやなぁ」
滅茶苦茶になった部屋を見回して、パイシーがチビリと酒を飲みながらニヤリと笑った。




