この地に天使が舞い降りた
――その日、地上に天使が舞い降りた。
とある地域を包んだ、原因不明の発光現象。
その余波として、二日間にもわたる広域停電が発生した。
復興作業は難航。原因究明に至らず、訳も分からないまま復活した。
そんな地域で住む俺はその災厄の正体を知っている。
というより、今知った。
「私様は天使なの。信仰心をもって私様の世話をしなさい?」
その発言で理解する。
地域では終わったと思われている災厄の続きを、俺だけが背負うことになったのだと。
一人称は俺様の私バージョン。
謙虚の欠片もない、偉そうに人に世話を頼む天使。
こんなのが隣に引っ越してきたのだから、災厄といって間違いないだろう。
ちなみに天使というのは比喩でもなんでもないガチ天使だ。
というか比喩なら使わない。こんなのに。
光輝く金色のストレートヘアーが滝のようにさらさらと流れており、透けるような真っ白い肌は豆腐のように滑らかだ。
整った鼻筋に長い睫毛に覆われた大きな瞳といい、異質な美貌を持った美少女だ。
だが最大の特徴は彼女を天使たらしめる部分。
背中の羽と、頭部に浮いている金色の輪っか。
それを見てガチ天使と思わない方が無理だろう。
そう。見た目は間違いなく天使。
だが言動が異次元に異次元だ。
そんな天使が隣に引っ越したことから、俺の騒がしい日々は始まった。
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