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骨董の食器や骨董の着物が好きなんですが、こういう古い物には時折憑いてる事があるんです 善きにしろ悪しきにしろ何かしらの気持ちが籠もってるのかもしれませんね。
わたしの友人にジーンズ系のアンティークが好きすぎてバイヤーやってるっていうのが居るんです。
彼は好きすぎて英語話せないのに単身アメリカに渡り、十年くらいかけてバイヤーとして身を立てたっていうおもろ可笑しい人なのですが(そして何故かドイツ系飛行機会社のオーストリア美女キャビンアテンダントさんと結婚したっていう。)そんな彼にボロ市で買った明治時代の紬の着物から手が出てきたって話をしたら
『あー………オレもそういうの経験したわ…』と話し始めてくれたんですね。
何でもアメリカのとある農村地で、面白いジーンズがあるんだ、と聞きつけ仕入れに行ったそうです。
行ってみるとかなりのダメージジーンズがわんさかと出てきて、これはいつ頃の?と聞いたら、どうも元々のジーンズをリメイクしたものらしい、と。それもかなり昔のものではあるようで、折り返された裾を解して伸ばしてみると銃弾のような穴がいくつか開いてる。これは個人的に欲しいな、日本でも確実に売れると仕入れてきたんだそう。ついでに多分同じ時代にジーンズ生地をトランクカバンにリメイクされたものもおまけに貰ってホクホクしながら帰国。
トランクはかなり使い込まれているけども、中地もビロード張りで、鍵もしっかりしてるし、大きすぎず小さすぎずで売れなければ自分で使いたいなと思っていたそうで。
洗浄とプレスなどなどの売る前の手入れをして、写真を撮る為にボディスに着せ、天気の良い時に撮影しようと準備して数日。
ある日スタッフの何人かがなんだか変な焦げ臭と鉄錆の匂いが鼻につく!と事務所で困惑気味でいたようで、パソコン周りや電子機器周辺を掃除してみたり、ちょっとした怪現象になんだろう?と思ってた数日間。
月末収支かなんかで残業してた時に、ふとうとうと寝てしまった時だったそうです。
パタパタパタパタ…と何かが翻る音にふと目が覚め、窓でも開いてる?と事務所の中を見回したら、ボディスに着せてるジーンズが歩くような変な動きで両方の裾が交互に持ち上がるのが見えて『は??』と思わず声が出たんだ、あの時なぜ無言でやり過ごせなかったんだろう?と今でも思っていると。
カタリ…ガタリ…ゴトッと硬い何かが床で動いてるのも感じて、よく目を凝らすとあのジーンズ生地のトランクカバンが動いてて、なんだこれは…と呆然としてしまったそうです。
ジー…と見ていると【バァン!バァン!バァン!】と銃声音がして、ジーンズがどす黒い何かを流しながら、動かなくなったのが見えたそうです。
『その後も何日か眺めてみたら、何度か同じシーンを繰り返していたのであのジーンズの記憶なのかもしれないねぇ。150万で売っちゃったけど(笑)』と語っていました。