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体験 ホラー小噺  作者: せろり


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12/14

冥婚に巻き込まれた話 

あー…全年齢版でよかったのか…いやでもセーフ?どっち?!な心霊体験です…。

        ≪冥婚≫


冥婚って風習をご存知だろうか?

中国だったかな?赤い封筒が届くとかそういう噂がまことしやかに囁かれて一瞬オカルト大好き界隈で流行ったのを覚えてるだろうか?歴史的、民俗的にも風習自体はとても理知的で深く知ると納得するのだけども。

封筒を拾うと…ってのは完全ホラ話なので、万が一紅い封筒が落ちてたとしても安心して拾ってください。


冥婚に近しい風習が日本にも海外にもまだ他にあるんだけど、今回のお話は私の体験談。

完全巻き込まれちょっと怖い思いをしただけなので、禊も兼ねて聴いてほしい。

万が一咎が飛んでも、多分大丈夫。



多分私の育った土地は霊的にナニかが集中しやすい場所だったんだと思う。

友達が泊まりに来ても、庭が怖いと言われたり、廊下が怖いと行きたがらなかったり、家の中は丑三つ時の頃にはちょいちょいナニかが彷徨いてた。

お隣が生き神的な宗教的に熱心だったり、我が家も女人は拝み屋的なお仕事してたりでそういう物を呼ぶ土台があったんだと思う。

私自身は見込み無しと8歳くらいだったかな?それくらいの頃に早々に修行からは離脱してた(笑)

依代としてはまぁまぁ使えるけど、それを押し退けられないからダメと。めちゃくちゃ怖がりなので本人的にはありがたかった(笑)

中2の頃だったか、本家である我が家に傍家から相談というか、まぁいわゆる儀式が依頼された。

なんでも 婚約者がお亡くなりになり、残された婚約者は他の方と結婚なさったそうなのだけど、お亡くなりになった側が数年触りを起こしてる、と。

状況は詳しくは知らないけども、ならば結婚式をしてお宥めしようって話になって、傍家には大好きな従姉兄のお姉ちゃんとお兄ちゃんが居たのもあり、じゃあ付いていく!と遠路はるばる2時間近く車に乗って付いて行った。

本来その手の儀式の時はお禊の物忌みだのの潔斎状態にして行く。

私は付いて行っただけだし、なんならお兄ちゃんに遊んでもらいたかっただけなので、関係ないとばかりに前日に部活仲間の友達と某白ひげおじいちゃんのホットビスケッツを食べてた。ついでにコールスローサラダも食べたんだと記憶してる。(白ひげフードと言えばこの2品というくらい大好きで…。某マックならアップルパイ1択。めっちゃ大好き。お財布が許せば一度で2個くらいを美味しく食べたい。) 

閑話休題。お禊の時は赤米、ひじき、切り干し大根、高野豆腐か木綿豆腐か胡麻豆腐、出汁のない味噌汁、煮豆とかなんかそんな食べ物しか食べたらダメで、そういう時の家のごはんだと育ち盛り的には物足りないのもあって、結構隠れて食べてた。禊期間はそれぞれの月の満ち欠けだったか、潮がどうだったか忘れたけど、3日の時もあれば10日くらい続けられる時もあった。めんどくさいしお腹空くし、頼みの綱の美味しいお肉…ゲフンゲフン…美味しい給食も食べられなくなるしで、本当に嫌だった。


儀式そのものはまさに冥婚を模して、未婚の女性が花嫁さんになり、お写真とその方が生前とても大切にしてた品物とをならべて、新郎側を左、新婦側を右の逆さ並びになる予定だった。

鏡写しとでも言えば分かり易いだろうか?

儀式の全容をふんふんと聞き流しながら、やぁ本格的だなぁとしか思わないし、自分は関わらんつもりでいたし、実際に宗主サマ(ばあちゃんなんだけども、禊期間から締めまではばあちゃんって呼ぶと怒られる。)もそう思ってたと思う。

うちは基本的に拝み屋なので、祓い屋じゃない。今回の件は神にお伺いを立てて結婚という神の前での誓い、魂を神の領域へとお返しするのを交わすのが前提としてあるので受けたらしい。

詳しくは知らない。

ぼへぇー…と車から変わらない景色を眺めつつ、時々半分寝つつ、従兄姉の家に着いた。

その日は泊まって、お姉ちゃん(たしか専門学校生)とお兄ちゃん(高校生)にだる絡みして遊んでもらった。趣味でボードゲーム沢山集めてる叔父さんのを引っ張り出して怒られたのも覚えてる。やるなら誘って欲しかったそうで。いや知らんけど。


さて。翌日。儀式である。

なんと花嫁役がお姉ちゃん、と聞いてお化粧とかするの?!花嫁衣装着るの?!着物なの?!とすごいすごい!となんかテンション上がって、着るのみたいからついていく〜!と朝からはしゃいで怒られた。が。

ここで予定外の事態がおこる。

お姉ちゃん、翌年専門学校卒業したら結婚予定だった。要は婚約状態であると。

「あらー、よかったねカオリ、来年の〇〇くんとの結婚の予行練習になるじゃない!」とおばさんが言ったのを宗主が聞きとがめて

「あ、じゃあカオちゃんじゃダメだわ。アンタやんなさい。」って引っ張り出された。

なんで?!とお弟子さんたちも私自身もびっくり。

予定外ってのはダメなんだよ。本来。

禊期間にうちの神様に『これこれこういう事ですので万事宜しくお願いします』ってお伺い立ててるイコール神様との仮契約状態なので。

この予定が今回の場合、未婚の男女の仲を取り持ってくださいって言っちゃってるからプラスぶっちゃけ処◯性が大事だったらしい。(なろうなのでな、そこは伏字にしとく。)


宗主の中では、《学生だからお姉ちゃんはまだそういうのないでしょ?》で、結婚相手は親が恙無く紹介するものな認識で、明治大正時代の感覚のままだし、

お姉ちゃん側は高校の時から付き合ってる彼氏さんなんだから、無いわけナイでしょ当然でしょ、ていうか仮初めの結婚儀式で《単に役割だから若い自分に役が来ただけ》って認識だったらしい。ついでに結婚するよーってのは年明けてから吉日の日取りを読んで伝える予定だったりがあって、それぞれのジェネレーションギャップも甚だしい。


そんな訳で、いきなりお鉢が突然ドンッと廻ってきた。

言えない…禊期間にめちゃくちゃチョコとか食ってた事とか、絶対言えない。内心冷や汗ダラッダラだった。禊、うちのは砂糖だめなんだよ…

ここで食ってたとか言ったら絶対小遣い無くされる、とか考えちゃって言えなかった。


そこからはお化粧されて髪結って(ちなみに地毛である。当時切るの禁止だったため腰より長かった。太ももまで長さがあって普段はどちゃくそ邪魔なので常にお団子でしたよ。ん?今はシニヨンヘアっていうのかな?)

 白無垢着て、儀式の為に借りたっていう小さめな旅館の広間(小さめな宴会場)で結婚式をやった。ちなみに懐剣や鏡は持たない。あれは魔よけだから。

空の皿と空のコップとかがずらりと並んで、宴席はあるのに、誰も座らない。というか招待客は端からいない。花もない。御神酒で三々九度もない。超★略式である。

楚々と座らされた私の隣は、当然ながら知らない男性のご遺影写真と、その人が生前着てたっていうスーツとか眼鏡が置いてあった。眼鏡が歪んでて、どうやら本当のご遺品だと見て取った。ヤベーかもしれん…って経験的に危機管理能力的に思ったんだよ。

なんかめちゃくちゃゾワゾワするし。なんかモヤみたいなのも眼鏡が出してるし。

やだなぁって思いながら、どうにか祝詞だのなんだのと結婚式は終わった。

んでだ!

カタチだけ同衾しろって話があって、ひぃぃ、聞いてないよ!?って思いながらここで拒否は出来ない。もう宥める為の儀式が始まってるからだ。

泊まって朝まで眼鏡見てろって放り込まれて、マジか…テレビもねぇやん…って柱時計で時間を確認した。旅館なのに柱時計あるの意味わからんとか思った。

もしかすると旅館じゃなく、田舎あるあるの宴会場設備な公民館的場所だったのかもしれない。たまにあるんだよ。飲み会出来る宴会場完備なそういう施設。今の令和時代に残ってるのかはわからない。昭和時代にはあったんだよー。幼稚園のお泊まり会とか子供会のお泊まり会とかそういう場所だったもん。

 んでだ。当時PHSやポケベルすら存在すらしない時代である。正直に言うと留守番電話すら無かった時代だ。ほとんどのお家がジーコロコロコロ…な黒電話。おしゃれな家でプッシュホンの水色かクリーム色の電話機だった(知らないか…)

まぁそんな訳で、暇つぶしを出来る事が無いんだよ。

そうなると、宗主やお弟子さん達には悪いけど、白い布団の上に並んだ枕にはスーツと眼鏡置かれてようが部屋には自分1人なわけだ。漫画もないテレビもない、ラジオすらない。正直暇だ。暇イコールこれは寝するしかない、と思っちゃったんだなー。


「スーツ退かしたら怒られるかなー。なんかできれば一緒に寝ろとか言ってたし」と思いつつ、避けるためにとは言え、眼鏡触りたくない。

めちゃくちゃ触りたくない。なんならサブイボ出るレベルで近寄りたくない。

部屋の外では儀式の音が途切れなく聞こえてる。

うちのは護摩とか焚くわけじゃない。水を使う。

聞こえてるし、人の気配はする。それでもなんとなく部屋の重力が重くなっていく。

同衾しろって事は布団の上にいろってこと。

でも、上がりたくない。さっきからジリジリと眼鏡から圧を感じるし。

なんていうか、親戚とかじゃなく、知らないオッサン(多分仕事関係)が家で爺様とかと飲み会してる時の『大きくなったねぇ!こりゃ〇〇さんに似て別嬪さんになるな!』とか言われながら、隣に座りなさい!って言われて渋々座ると背中とか足とか触られるあの感じ。ぶっちゃけセクハラくせぇ…。じいちゃんの友達の小遣いくれる優しい爺さんたち以外はノーセンキューだった。仕事関係のオッサンとかマジでお酌させるだけだからな。小学生の頃まではよかった。子供は絶対酒の席に近づけないぞマンなママがいたからな。

中学生になると大人予備軍扱いで配膳させられたりしてたからなー…。酒の入った席のそういう視線には辟易してたのだ。なんか圧がソレに似てる。

そう、セクハラっぽい視線を眼鏡から感じてるんだ!って判った瞬間だった。

肩をナニかが撫でた。全身に寒気がしてヤベー!って分かりやすく言うと経文というかまぁ手順を踏まえた言葉を唱えた。必死に唱えつつ、正座して手を組んでほぼうろ覚えなまま唱えた。ちゃんとやっとけばよかった!!ってめっちゃ思った。

座って身を固めながらヤバいヤバいヤバいこれはヤバい!って必死に詞を唱えつつ、見たらダメだって目を閉じ続けた。

正座してる太もも撫で回されて、耳元で生温いのに生きてない息がした。うひぃぃぃ!!って寒気がしてた。

ばあちゃん早く早く助けて!って他力本願だけど外の皆に声を上げようと思ったけど、詞を唱えるのをやめたらダメだと感じてた。

見たらダメ見たらダメ見たらダメ…!目を開けるもんかと、全力で目を瞑った。

しばらくして、私の周りを歩く気配がした。

私の唱えられると言うか、覚えてるのが1個しかなくて、厨二的言い方すると結界というか聖域をお借りするだけのしか知らなかったりなので。

唱えてる限りは大丈夫、って思いながらもし噛んだり抜けたりしたらどうしよう、ずっと歩き廻ってるし、近いし近いし、怖い。

上から見てるのわかる、どうしよゔぅって半べそかきつつ、なんかこれ耳なし芳一だなぁ、まさに私生贄じゃーん!!って思ったんだよね。近くにばあちゃん居るから絶対大丈夫!絶対拙くなる前に助けてくれる多分!大丈夫!って思ってたのもある。

いや思い込まなきゃ怖すぎて無理だったんだもん。

はぁーーーーー………って深い深い吐息が髪にあたって、あ、やべぇやつだコレ、って思ったらもう詞が出てこなかった。

組んだ手を手首ごと掴まれたと思ったら引き倒されて、布団の上にすっ転んだ。

そのままズルズルっと引っ張られて、肉体に作用するくらい強い力で事象を起こされるのは初めてで、このままあの世とかに連れ去られたらどうすんの?!とパニックになった。

ヤダヤダヤダヤダ!って泣きながら声が出ない恐怖と、多分伸し掛かられてる状況にだんだん腹が立ってきた。

『巫山戯んな巫山戯んな!私はお前の好きな人じゃない!私はお前なんて知らない!こんなの浮気じゃん!好きな人の幸せ願って護ってやれよ!変態!私中●生だぞ!このド変態!!』って頭の中で罵りまくった。

多分もっと酷い言葉で罵りまくった。

ずっと部屋の中の圧というか重力が重い。

なんかほら、異世界系アニメの魔法とかでグラビティとかあるじゃん?あんなイメージ。ずずんって澱んだ空気が抑えつけてくる。

ギリギリと痛い手首と、背中から伸し掛かられて、首筋に多分顔が近づけられてて、気持ち悪くてゾワゾワする。

めちゃくちゃ暴れたいのに金縛り程まではいかないけど、多分恐怖とかで動けない、声が出ないのが腹ただしかった。

何が何でも触られたくないんだけど?!って腹たったせいで火事場の馬鹿力というか、必死すぎて怒鳴るレベルで、とんでもない台詞を吐いてしまうほどに。

「マジくっそキモいんだよ!誰でもいいのかこの浮気者!  (結婚)デキれば誰でもいいってか?!そんなキタねぇ思考してっからイケねぇんだろが!

(死に)下手か?!さっさとイけよこのドベが!くそっ!! どーっ!(い)てーっ!」

いやぁ…今思えば絶対違う意味合いですのぉフォフォフォっ(アレッすよ。『大人って…大人って…っ』てCM覚えてる?歯噛みするくらい子供だったんすよなぁ。なんせ奥手でしたし、恋のABCとか言ってた時代だし?確かうちのクラスではAが手をつなぐBがキッスCが結婚って言ってたな。情報がなかった時代なんすよ。)

なんとなく押さえる何かが動揺してたのを感じた。

めっちゃ経文唱え直した。

そしたらドアがバーーン!!って開いて婆ちゃんがドーン!って入ってきて、御神水をシャッシャッって撒きながら眼鏡を睨みつける。

曇りなき眼がなんたらかんたらーって言って、白い布で眼鏡を掴んだ。その時にナニかが霧散するみたいに空気が綺麗になって、ばあちゃんがキリッとしながら、これにて完了!みたいな事をご家族に伝えてたのと、腹減ったぁってのと、手首にくっきりと残る手の形のアザが、ホントに霊障ってあるんだなぁって改めて思ったわー…。


そんなこんなで、冥婚っぽい儀式に巻き込まれた話。


怖くはないですよね?

怖くはないですよね?

一番怖かったのはこのご依頼頂いたご家族のその後。

仮初めとはいえ結婚式したんだから、嫁だろ、学校転校して義理?の祖父母の介護をしろとその後半年くらい付きまとわれた事っすかね。


一番恐ろしいのはいつの世も生きた人間って話でした。



どっとはらい。


心霊的な触りを疎うお方は、今日これ読んだら

玄関の床を拭き掃除、お部屋の扉を拭き掃除、お部屋の窓を拭き掃除、お部屋の床を拭き掃除かほうき掛けをなかのモノを外に出すようにして、寝る前にはお布団の四隅の角をピンッと整えてくださいな。簡単な害意からの結界になります。

ただ…もう家の中に招いている場合、逆になるのでお気をつけて…。

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