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好きじゃない、愛してる

たくさんの方に読んでいただきありがとうございます。



「あの時は、ごめ「ありがとう、嬉しかった。」ん、ん?」


 被ってしまって聞き取れなかった。


「今なんて言ったんだ?」


「私は、ありがとうって。悠くんはなんて?」


 やっときた謝罪のチャンスだ、ちゃんと謝りたい。


「ごめんって。」


 なんか二葉が笑顔なんだけど、怒ってないのか?

 これが噂の、いい笑顔ってやつか?

 目が笑って・・・るよな?


「も~、本当にごめんだよ~。悠くんが『好きじゃない、愛してる』なんて告白してくるから、仲良く出来なくなっちゃったんだよ!私が好きって想うだけならよかったのに、両想いで、しかも愛し合うってなったら仲良く出来ないじゃん!」


 うん、何を言っているのかわかりません。


 俺は愛してるって告白した事になってるのか?


 好きじゃない、愛してるんだよ。そう言ってるように聞こえたのか。なんだかそう言った気もしてきた。なんせ五年も前の事だ、記憶を書きかえてもいいよね。


 それより、今、好きって言った。両想いって言った。愛し合ってるって言った。くぅ~マジかよ、好感度ワースト一位からのナンバーワン捕った芸能人の気分だよ。しらんげど。


 ダメだ、にやけてくる。絶対気持ち悪い顔になってるなこれは。


 でもじゃあなんで避けられてたんだろ。仲良く出来ないってなんだ?


「それに、うちのお母さんも嘘を教えていて酷いんだよ。愛し合う二人が仲良くすると赤ちゃんが出来るなんて、そんな事言うから。だから距離を置いたのに。」


 お、おばさん。仲良くってアノ仲良くですよね?娘に伝わってないですよ。でも小学生にはそのくらいふんわり言うよね。


「悠くん?さっきから黙ってるけど、もしかして悠くんもそう思ってた?」 


「まあ、仲良くするとっていうのはあるんじゃないかな?」


 何を言わされてるんだ俺は。


「ふふ~ん、悠くんはお子様だなぁ。私は知ってるんだよ、アレをしないと赤ちゃん出来ないって。」


 そう言って胸を反らしてくる二葉。制服を押し上げるそれに視線が向いてしまったが、これはしょうがない。


「だからアレをしなければ私達仲良く出来るの!」


「あの、わかったから、あまり大きな声でアレって言わないで!」


 周りの皆が見てるから恥ずかしいだろ!アレってアレだろ?しないよ、そこまで言うなら、したいけど。


「じゃあ今日から婚約者としてヨロシクね!」


「は?婚約者?恋人じゃなくて?」


「な~に、恋人の方がいいの?プロポーズの返事もしてくれたのに?」


 後半は聞き取れなかったけど恋人より婚約者の方がランクが上なんだよな。確か恋人以上婚約者未満っていう言葉があったはず。


 じゃあ決まってる。


「婚約者でお願いいたします!」



 婚約者ができました。

 



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