彼女のアレとは
初投稿です。よろしくお願いします。わからない事だらけです。温かい目で読んでいただけると助かります。
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「ねえ悠くん、もしアレなら一緒にお昼食べよ。」
高校入学してもうすぐ三週間となる今日、親友が休みのためボッチ飯になるのを覚悟していた俺、田林悠真は、声のした方へ顔を向けると天使が微笑んでいた。
まともに話をするのは五年振りになる幼馴染みで初恋の相手で今でも好きな隣の家の美少女八条二葉だった。
は?まてまて急にどうしたんだ?
二葉とは小学校五年のあの日から話もしてもらえなくなっていたのに二葉から話しかけてくるなんて。
少し考えてみる。
あっ、そういえば今日のこのクラスの様子が朝から少しおかしい気がしていた。
いつも一緒に食べている親友が今日は休みで、しかたなく何人かのクラスメイトに一緒に食べないかと聞いてみるが、
「ごめん今日はちょっと・・・」とか
「きっと大丈夫だよ。」なにが?
「リア充爆発しろ。」誰が?
そんな風に誰も相手にしてくれないのだ。
最後にあまり話した事のない後ろの席の佐藤君にも聞いてみると
「・・・無理。・・・葉新井さんと・・・」
いつも通り口数が少ない彼は隣の席の葉新井さんに視線を向ける、見つめ合う二人・・・
二人とも、顔赤くなってるけどそういう事なの?付き合ってるの?知らなかった。この二人がリア充かよ。
そんな事を思い出していると
「ねぇ聞いてる?」
「・・・ふた、八条さん?」
「八条さん、ね。まあいいわ。もう一度言うわよ、もしアレなら一緒にお昼・・」
「?」
「やっぱり変えるわ、もしアレなら一緒にお昼食べよう。」
何も変わって無い気がするが、もし食べる人がいないなら一緒に食べてくれるという事なんだろう。
それは助かる。
返事をしようとすると二葉が
「お願いします!」
と、右手を前に出してお辞儀をしてきた。
あっ、これ前にテレビで見た事あるやつだ。何の番組か忘れたけど返事のセリフは覚えてる。
確かこうだったはず。
「ふつつかものですがヨロシクお願いします!」
たぶん合ってるはず、これで手を握ればいいんだよな。
ぎゅっと手を握る
「っっ!ありがと!」
そう言うと二葉は顔を真っ赤にして満面の笑みを見せてくるのだった。
「ねぇ、前みたいに名前で呼んでくれてもいいんだけどなぁ。」
「そっ、それはちょっと周りの目があるというか、距離感がわからないというか。」
久しぶりに話して名前呼びとかハードル高いよ。
「悠くん。小学校の頃みたいな感じでいいんじゃないかな?」
「おっ、おお。」
「じゃあお弁当持って来るね」
そう言って自分の席に戻ろうとする二葉に声をかける
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる。」
そう言って教室を出ていく・・・ん?なんか今教室からため息が聞こえた気がするが、気のせいか。