第七話 「サンと俺」
「おっとMr.ジョー! 早速攻めていく!」
「おら! どうした小僧!」
いやいや! 俺刀なんてまともに振り回したことなんてないのに急にこんな大会に出場させられるなんて! 俺は上手く敵の攻撃をかわしながらとにかく敵の隙を見計らう事にした。
『ライア様大丈夫ですか?』
戻って来たのか、この状況で大丈夫だと思うか?
『少なくとも相手の剣の腕は底辺です。なぜこの大会に出たのかもわからないほどに下手。ただ隙の多い大振りな、力任せな技を使っているんですよ』
分析ありがと。でも、この状況をどうにか出来るほど、俺は上手くはないよ。
『わかりました。では、』
ぐっ! お前がやるって事だな!
俺は心臓が痛くなり一瞬その場に止まった。敵はその隙を突こうと攻撃したのだろうが、それはもちろんサンがかわした。
「急にいい動きになるじゃないか」
「はい。ライア様のお体に傷を付けるわけにはいきませんので」
あ、なんかカッコイイ。
シュっと素早い動きで敵の間合いに入り、
「私の勝ちです」
首の前に刀を向け一言いった。
やっぱ、カッコイイ。
「き、決まったー!」
その瞬間、会場が歓声で溢れかえった。
「すごいぞー!」
「カッコ良かった!」
良かったなサン。
『あのような男に勝つなど簡単な事です』
本当、助かったよ。
俺がそう言うとサンが「それと」と続けて言った。
「ライア様のお体に何かあっては、私も困るので」
頬少し赤らめ、そんな事を言った。
そうか、ありがとう。
「おいてめー! うちの弟に何してんだ!」
「何者ですか」
「俺はカイドウ、ジョーの兄だ」
その名前を聞いた直後から、また会場がざわめき始めた。
「カイドウって、あの街道か?」
「そうよ、きっとあのカイドウよ」
サン、お前ならカイドウってわかるのか?
『はい。名前は聞いた事があります。少し前に、自前の剣で近くの村を襲ったモンスターを撃退したと聞いています』
じゃ、結構強いんじゃないか?
『人間で言うならまあ、下の上って所でしょうか。私の足元にも及ばないですけどね』
なかなかの辛口だね。
「次は俺と戦え。もちろんお前が勝ったらなんでもしてやる」
「本当なのでしょうか?」
おいサン! ほうとうにやるのか!?
『はい。先程も言ったとうり、私の足元にも及びませんから』
わかった。頑張れサン!
俺がそう言うとサンは少し頬赤らめて、
『はい。頑張ります』
「いいでしょう」
「突然の乱入者! カイドウとライア・ホルスの勝負! それではレディー! ゴー!
読んでいただきありがとうございました!
これからも頑張りますので、ブックマークと感想よろしくお願いします!