第五話 「俺たちの旅」
リゼが俺とトラの旅について行きたいと言ったので、俺はそれを承諾した。その後、寝ていたトラを起こしリゼの話した。のだが……
「無理だ!」
この結果である。
「なんでだよ!」
「その娘は武術がつかえるのか? 魔法が使えるのか? その娘を連れて行っても足手纏いになるだけだぞ」
「そこまで言わなくてもいいだろ!」
俺はリゼがショックを受けたと思いリゼの顔を見るが、リゼの顔は悲しさどころか嬉しさがあり、トラに微笑んでいた。
「トラちゃんはやさしいんですね」
「ななな! なぜだ、なぜ私がやさいんだ!」
出た動揺してるトラ。
「少し話しただけですけど、トラちゃんと話すたび、心が温かくなって、トラちゃんの優しさを感じるんです」
トラはリゼの事を傷つけたくないんだな。
トラにも優しいところあるんだな。
「わかった。お前も来て良い。怪我はするな」
「はい!」
「やっぱり優しいな、トラは」
あ、まずい、つい口が滑った。
「お前も怪我はするな」
「お、おう」
急に優しくなるからびっくりしたぞ。
口滑らせた時、一瞬マジで殺されるかと思った。
その後、俺たち3人は、早速旅の準備をした。でも俺の荷物は刀と服だけだけど。
「では、これから私達が向かう所を説明する」
準備を終えると、トラが今後の予定を説明し始めた。
「この後向かうのは、一番近い土の竜神石のあるソイル。ここには土の龍、ハードサンド・ドラゴンの肉体がある。多分、ソイルに行けばハードサンド・ドラゴンも目覚めて私のようにお前の体を借りる事になるだろう」
「マジか」
「よし。今後の方針を決めた事だ、そろそろいくぞ2人とも」
この時のトラの顔は、とてもワクワクしている無邪気な子供のようだった。
「あ、ライアさん、でも今って……」
ああ、今後どんな新しい事が俺たち3人を待っているのだろう。このドアを開けると俺たち3人の旅が始まるんだ!
「それじゃ! レッツゴ……あれ?」
ドアを開けた瞬間俺を出迎えてくれたのは、辺り一面の闇だった。
「あれ? リゼ? 今って……」
「夜ですね」
「ライア、今は夜だ。また明日出直すぞ」
マジか。新しい日々の一歩目がこんな形で潰されるのか。ん? 今トラ俺のことライアって、
「おい。今俺の事ライアって……」
「風呂場でも一度言っただろ」
風呂場? 俺の頭の中に風呂場での映像が流れる。『っ! ライアのバカ!』たしかに言ってたな。
「それじゃ、トラ。リゼ。これからよろしくな」
「はい。よろしくお願いします!」
「ああ。よろしく頼む」
こうして、ここから俺たちの旅は始まる。
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