第十七話 「再会」
「ライアー! リゼー!」
俺とリゼが王国の門の前でトラ達が来るのを待っていると聞き覚えのある声が元気よく聞こえて来た。
「トラ! サン!」
「こっちですよー!」
リゼが両腕を上げてピョンピョンと跳ねている。
2人に会えて嬉しかったのだろう。
「よう2人とも! 大丈夫だったがああ!」
感動の再会のはずだが、最初に俺に飛んできたのはトラの拳だった。
パワフルな右ストレート。さすがトラ。
「なにずんだいぎなり!」
「お前こそ1人でリゼを助けに行って戻ってこなくて! 挙げ句の果てお前の気をたどってみれば炎の国クリムゾンにいるなんて! ぐびっ……じんばいじだだろー!」
俺のこと心配してくれてたんだ。悪いことしたな。
「本当ですよライア様! 私達がどれぼど心配じだが!」
サンも、ほんとすまないな。
「2人ともごめん! 1人で飛び出してすまなかった!」
「これくらいで良いでしょう」
「よし。許す。ライア、お前どうやって一瞬でクリムゾンまで来たんだ」
「は?」
「なんだわからなかったか?」
「いや、そう言うことじゃなくてだな……」
この2人さっきまでないてたよな? なんでいつもの2人に戻ってるんだ?
「2人とも、さっきまで泣いてたよな?」
「は? 何を言っている。私はお前に謝らせるためだけに泣き真似をしただけだ」
「さっき確かに涙が出てたよな?」
「何を言っている。私は涙など流してはいない。そんな事よりリゼは大丈夫か?」
そんな事って、つまり俺のことは心配してないってことか? 悲しい。
「私は大丈夫ですよ!」
リゼはニコッと笑ってみせた。
「そうか、それならよかった」
「では2人とも、今から祠の方に向かいましょう」
「わかったよ……」
俺は落ち込みながら歩き出すと、トントンとリゼが俺の肩を叩いた。
「どうしたんだ?」
リゼは俺の耳に顔を近づけた。
「2人とも目が真っ赤でしたよ。心配しなくても2人ともちゃんと心配してくれてます」
その時、俺はリゼと急いで2人を追いかけて、
「2人とも!」
「ん? なんだ?」
「なんでしょうか?」
「心配してくれてありがとな!」
この時の俺はたぶん、満面の笑みだっただろう。 そして、2人も少し笑ってくれた。
「リゼもありがとな!」
「はい! こちらこそ!」
こうして俺たち4人は無事に再会することができた。
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