第十五話 「黒龍桜」
「いや、まてまて! 師匠しか習得していない技を俺がすぐにできるわけないじゃないですか!」
「師匠。いい響きだ」
師匠という言葉を聞き、嬉しそうにしている。
「まあ、俺が出来たんだ。必ずお前もできる」
「どこからその自身は出てくるんだ」
「いいから口じゃなく体を動かせ」
って言っても、リゼの所に行くまでの少しの間で技を習得出来るとは到底思えないのだが……やばい、少し心配になってきた。
「技の出し方はこうだ。まず腰を下げて踏ん張れ。刀を握り強く念じろ、『俺なら出来る』っとまあこの後にスバッと技の名前を言って敵を切る。ただそれだけだ」
「根性論とかそう言う問題なの? もっと詳しく教えてくれない?」
「口で伝えるのはこれが1番最適なだよ。後は向こうについてからぶっつけ本番だ」
っとまあ、こんな感じで何も出来ずただ話を聞いただけでいきなりぶっつけ本番とか言うアホ発言をされ、その後10分ほどでリゼがいると思われる敵のアジトへとやってきた。
「じゃ、こっから技を放ってみろ」
指示された場所は建物の目の前。ほんの数メートル離れた場所だ。
「え、でも中にはリゼがいるんじゃ……」
「大丈夫。『リゼを助ける』そう念じればな」
「本当か? まあ、やってみなくちゃわかんないしな」
俺は腰を下げ両足で体制を整えてその場で力強く踏ん張る。
刀を強く握りしめ、『俺なら出来る。リゼを助ける事ができる』そう強くねんじた。
「ぶっつけ本番。いい出来じゃないか」
俺は強く思いを念じながらこう言った。
「黒龍桜!」
俺は刀が建物に届かぬ距離から放ったにもかかわらず、技を放った瞬間、建物が桜の花びらように散った。
「リゼ!」
散った建物の2階からは数人の黒ずくめの男と眠っていたリゼが落ちてきた。
「師匠リゼが!」
「任せろ!」
師匠が勢いよく落ちてくるリゼの元に飛び出してリゼをキャッチした。
「師匠リゼは!」
「大丈夫だ。怪我1つない。それよりだ」
師匠は落ちてきた黒ずくめの方を見た。
「おやおや! 私の邪魔をしたのはあなた達ですか!」
黒ずくめの1人がこちらに歩み寄ってくる。
「久しぶりだな、リブラ!」
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