第十四話 「強き願い」
一瞬の事だった。建物が爆発して一度瞬きをした瞬間、破壊された建物や瓦礫が全て消えた。
「今……今確かに建物が爆発したぞ!」
「うるさいぞ。とっととリゼを助けに行くぞ」
俺の慌てた言葉には興味が無いのだろう。そのまま走って行ってしまった。
「ま、まてよ! おい! 今のはなんだ!」
「……今のは、黒桜と言う技だ」
男が止まると少し考えてから俺に話し始めた。
「黒桜はその空間にあった物や人を爆発と同時に消す技だ」
「爆発と同時に消す?」
「まあ、一瞬の出来事だったしよくわからんとは思うが、正確には黒桜で爆発させたものは全て時間ごと消し去る。だから他の人に聞いても誰もあの建物の事は覚えていない」
なんだそれ、土撃よりも強いんじゃないか?
「あ!」
「おお! なんだ」
土撃で思い出したけど、2人は大丈夫なのかな?
「おいそういや2人は大丈夫なのか」
「心配はいらん。後で合流できる」
「よかった。なあ、おっさん」
「なんだ」
俺もおっさんのような技が使いたい。黒桜じゃなくてもみんなの役に立つために何か技を使いたい!
「俺の師匠になってくれ!」
「……は?」
俺のおもわぬ行動に驚いたのか、一瞬間があった。
「俺も、おっさんみたいに技を使ってみんなの役に立ちたいんだ! 頼む!」
「……1つ条件がある」
「なんだ」
「諦めず、俺について来れると約束しろ」
「ああ、勿論だ」
俺とおっさんは互いに握手をした。
「それと……」
「……その技で……必ずリゼを助けろ!」
「条件は1つじゃなかったのかよ」
「そうだったな」
こうして、おっさん……いや、師匠と俺の絆が深まった。俺はそう感じた。
「リゼの居場所はわかっている。またいつ移動するかわからない、それまでに今から教える技を仕上げるぞ」
「わかった」
「今から教える技は、未だ俺しか習得していない技『黒龍桜』だ」
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