第十話 「炎の恐怖」
「なんだ……これは」
俺達はの目と前には、炎に焼かれた建物や植物、肉の腐った匂いが漂っていた。
「何もかもが焼かれてしまっていますね」
リゼが悔しそうに拳を強く握る。
「トランスペアレント・ドラゴン、これは……」
「フレイムバーン・ドラゴンの力の暴走によるものだろうな」
「ここの精霊達はまだ生きています。話を聞きましょう」
「精霊? 精霊ってなんだ?」
トラが精霊とは、と話をし始めてサンは急に一人で話し始めた。
「前にハードサンド・ドラゴンが土撃を使っただろ? あれも精霊の力を借りて生み出した技だ。精霊と交流できるのはハードサンド・ドラゴンの能力なんだ」
ああ。前にトラが使ってたのも能力だったな?
サンはそんな能力だったのか。
「ライア様」
「お、おう」
テクテクとこちらに近づいてくる姿が少し愛らしい。
「ここの精霊によると、火事が起こったのは2時間前だそうです」
「2時間前!? それにしては炎が残ってもいなかったし、誰かが消したのか?」
「これはフレイムバーン・ドラゴンの能力だ」
出たよ能力。
『黙って聞いていろ!』
はい!
急に叫ぶからビックリしたぞ。しかも毎回心に直接しゃべりかけられると気持ち悪いし。
「フレイムバーン・ドラゴンの能力は、あらゆるものを一瞬で消す能力だ」
「それって……かなり強力なんじゃ……」
「ああ、かなりな。だが、この能力を使うと体にもだいぶ負担がかかるがな」
デメリットがなかったら、暴走した力によって世界は滅んでたな。危ない危ない。
「村はもうない。休みたいがこのままクリムゾンまで急ぐぞ!」
「わかった。リゼ大丈夫か?」
「はい……たぶん……大丈夫だと」
「なんかあったらすぐに言えよ。こっからは今までより急ぐからな」
「はい」
こうして俺達は更なる被害を防ぐために、炎の王国クリムゾンまで急いで馬車を走らせた。
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