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3-14 世界

「これより、女神アマルティアの御前にて、アルバート・デ・ロス・シュトライゼンとマリナ・ロレーヌの結婚式を執り行います。」

司祭様の言葉でいよいよ結婚式が始まった。

「アマルティア神は全てをご覧になり、全てを愛で包んでくださいます。その愛を感じ、感謝して日々を過ごすことこそ、神々の示す道です。すべての神の祝福が二人に降り注ぎますように。」

司祭様の後ろには、女神アマルティアの大きな像がある。

荘厳なその姿は圧倒されるものがありながら、温かく包み込んでくれるような優しさも感じられる。

来賓も含めたその場の全員で聖歌を神へ捧げる。

美しい歌声で聖堂のすべての空間が浄化されていくような感じがした。

「アルバート・デ・ロス・シュトライゼン。貴方はマリナ・ロレーヌをいかなる時も愛し、守ることを誓いますか?」

「はい。誓います。」

低く響いたアル様の声が頼もしく、聞きほれてしまう。

「マリナ・ロレーヌ。貴女はアルバート・デ・ロス・シュトライゼンをいかなる時も愛し、支えることを誓いますか?」

「はい。誓います。」

私も決意を込めてしっかりと誓いを立てる。

「では、誓いの証として、指輪の交換を行います。」

そう司祭様が言うと、私たちの結婚指輪が差し出された。

アル様が私の左手薬指に指輪をはめてくれる。

私もアル様の左手薬指に指輪をはめる。

指輪の交換が終わると、私は静かにひざを折って頭を下げた。

アル様が私のヴェールを上げてくれる。

上げてもらったところで顔を上げてアル様と見つめあう。

ゆっくりと優しく、アル様が私の唇にキスをしてくれる。

「女神アマルティアの名において、ここにアルバート・デ・ロス・シュトライゼンとマリナ・ロレーヌが夫婦となったことを宣言いたします。」

司祭様の宣言と共に、皆から私たちへ拍手が贈られる。

祝福の拍手を聞いて、何だかジンとしてしまった私は涙ぐんでしまった。

私が望んだ、皆に祝福される結婚が、愛する人とできたのだ。

そう思うと感慨深くて、涙は止められそうにない。

「幸せです・・・アル様。」

そうこっそりとつぶやくと、アル様はとろけそうな笑顔で

「ああ。俺も幸せだ。」

と返してくれたのだった。


その後は民へのお披露目として、屋根のないオープンな馬車で城下街を回る。

その中にはヒーラーとして働いていた時に来てくれたお客様をちらほら見つけられて、嬉しくなる。

私とアル様は、祝福してくれる民たちに手を振って応えながら街の大通りを一周して、王城へと戻ってきた。

祝いの宴は明日の夜に改めて王城で行う予定だ。

だからここからはアル様と二人の時間。

新たに用意された王太子夫妻用の部屋へと入る。

真ん中に夫婦の寝室があり、その隣に王太子用の部屋、反対隣に王太子妃用の部屋が繋がっている。

とりあえず王太子用の部屋でソファに座り、今日の疲れを癒す。

アル様が私の肩に手を回し、引き寄せてくれる。

「ああ・・・。やっとだ。やっとマリナが俺の物になった。嬉しい。」

「アル様・・・。」

そんな私たちの様子に、侍女さんたちは最低限のお茶の準備等だけしてさっさと部屋を後にする。

さすがはプロである。

素早い行動に改めて驚かされる。

アル様が愛おしそうに私の髪を撫で、頬を撫で、顎に指をかける。

そうしてゆっくりと口づけをかわした。

唇を離すと、私は自分からアル様の胸板に頬を摺り寄せた。

そんな私をアル様はぎゅうっと抱きしめてくれる。

最初は、雲の上の存在だった王太子殿下。

今は、この腕の中が一番落ち着く場所になった。

この場所にいられる私は、きっと今、世界一幸せだと思う。

結婚式で司祭様が言っていた通り、この世のすべてに感謝を。


『ありがとうございます。』




ありがとうございました。

このお話は、とりあえずこれで完結となります。

需要があれば続きを書くかもしれないので、感想やレビューでお知らせください。


また、新連載を始めています!

「冒険者ギルドで門前払いされました。生まれつき怪力で嫁の貰い手が無いので、故郷の温泉街で自警団に入ります!~勇者様、私に惚れたって本気ですか?~」

https://ncode.syosetu.com/n6296gv/


こちらもぜひとも、よろしくお願いします!

スタートダッシュで連続投稿しますので、今日だけで5話読める予定です。


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