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3-10 剣の10

いよいよアル様と私の結婚式が近づいてきた。

王太子の結婚式ともなると準備が色々あって、目の回るような忙しさだ。

そんな中で、ふと不安になるときがある。

(本当に私、このままアル様と結婚するの?)

これがマリッジブルーというやつなのだろうか。

バタバタし続けていて、気持ちの方が追い付いていない気がする。

(アル様は本当に、まだ私の事を好きでいてくれている?)

そんなことも考えてしまい、気分が落ち込んでしまう。

お互いに忙しくて、たまに会えても事務連絡くらいしか話していない。

いつもならこんな時は、アル様が「マリナが足りない。」なんて言って、会いに来てくれた。

それもないということは、アル様もかなり忙しいという事だろう。

そう考えると、自分から会いに行くのもどうかと思ってしまう。


「マリナ?どうしたの?」

そんなことばかり考えて、表情が暗くなっていたせいか、エリィ様に気付かれてしまったようだ。

「エリィ様・・・。いえ、何でもありません。」

マリッジブルーなんて、四歳にはまだ分からないだろうと思い、ごまかそうとする。

でも、エリィ様には通用しなかった。

「あのね、私はマリナにお話を聞いてもらうの嬉しいよ。だから、マリナも私にお話しして?」

四歳なりに、私が悩んでいることを察して、何とかしようと考えてくれている。

相手が子供だからといって、(あなど)ってはいけないのだな、と感じた。

「エリィ様は、ルーイ様と遊ぶのは楽しいですか?」

「もちろんよ!ルーイはいつも優しいもん!」

「私は、最近アル様とあまりお話できていなくて、寂しくなってしまったんだと思います。」

「なぁんだ!それなら、遊びに行けば良いよ!」

エリィ様は簡単に答えを出す。

「でも、アル様も忙しそうですし、邪魔になるんじゃないかと・・・。」

「マリナは、忙しいときにアルバート殿下が来るの嫌なの?」

「いいえ。嬉しいです。」

「それなら、やっぱり遊びに行けば良いよ!」

あまりにもシンプルな答えで、私は目が覚めたような感じがした。

そう、私は忙しくてもアル様が来てくれると嬉しかった。

忙しい合間をぬって来てくれたんだろうな、とか、会いたいと思ってくれてたんだな、とか考えて、心が温かくなったのだ。

なら、同じ気持ちをアル様に返しても良いのではないか。

「エリィ様のおっしゃる通りです。私は、何をウジウジと考えていたのでしょうね。」

「元気になった?」

「はい。早速、アル様に会いに行ってきます。」

そう言った私に、エリィ様はとびきりの笑顔を見せてくれたのだった。


しかし、そう簡単にはいかなかったのだ。



ありがとうございました。

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