表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/63

3-1 正義

夜会から数日。

私はお妃教育や新しいヒーラーの育成など、忙しい毎日を過ごしていた。

そんな折、アル様から執務室へ来るよう呼び出しがあった。

話の内容は予想できた。

貴族が多く住むあたりで、大捕物があったと聞いていたからだ。

アル様の執務室の扉をノックして、中に入れてもらう。

「マリナ。忙しいのにすまないな。」

「忙しいのはお互い様です。大事なお話なのでしょう?」

互いに執務室内のソファに対面して座って話しをする。

オリバーさんが紅茶を淹れてくれた。

「反乱を企てていた貴族を捕縛した。」

「はい。伺っています。」

「様々な調査を進めていく中で、隣国の王族。といってもまだ四歳の子供だが、それを担ぎ出して反乱を起こそうとしていたらしい。隣国の一部貴族と我が国の一部の貴族が繋がっていた。その証拠をつかんで、逮捕状をとり、今回捕縛に成功した。」

アル様が詳しい内容を説明してくれる。

「担ぎ出された隣国の王族はこちらで保護することになった。事実上の人質状態だな。これで反乱は事前に食い止められたから、マリナも安心して過ごしてくれ。」

「その隣国の王族の方とは会わせていただけますか?」

まだ四歳の子供だというその子のことが気にかかった。

「ああ。王女だということだし、できればマリナに世話を頼みたいと思っていた。良いだろうか?」

「はい、もちろんです!」

私は即答した。

それを聞いて、早速アル様は私をその王女様の元へと連れて行ってくれた。

事実上の人質。

そうアル様は言っていたけれど、できるなら笑って過ごしてもらいたい。

仲良くなれるだろうかとドキドキしながら向かった。

アル様が扉の前で警備していた騎士に目配せすると、心得たように騎士たちが扉を開いた。

中は、私が最初に借りていた客室よりも豪華で、貴賓室なのだと分かる。

人質とはいえ王族だから、という配慮だろうか。

中には数人の侍女と、幼い少女がいた。

彼女がその王女だろう。

大人の汚い部分に多く触れたからだろうか、その顔に表情は無い。

ウェーブのかかった金髪にエメラルドの瞳の美しい顔立ちをしていて、まるで人形のように椅子に腰かけている。

アル様がそんな彼女に声をかける。

「エリザベス王女。彼女が俺の婚約者のマリナです。何かあれば、彼女に相談してください。」

私は彼女に最上級の礼をとる。

「マリナ・ロレーヌと申します。仲良くしていただけたら嬉しいです。」

そう言って微笑みかけてみるが、反応は返ってこない。

それだけ心が傷ついているのだろう。

「エリザベス王女様。私、今夜はここに泊まらせていただいてもよろしいでしょうか?夜にお一人では不安でしょう?」

そう提案してみると、わずかに瞳が揺れたのが分かった。

拒否はされていないように見受けられたので、勝手に了承されたと判断する。

「アル殿下。私、今夜はこの部屋に泊まります。許可いただけますか?」

「ああ、構わないが・・・大丈夫か?」

「お任せくださいませ。」

そう言って、胸を張る。

「わかった。よろしく頼む。」

こうしてアル殿下が執務室に戻った後、私はまず部屋にいた侍女たちにエリザベス王女様の様子をリサーチする。

彼女たちはもともとシュトライゼン王国の城の侍女であるらしく、エリザベス王女様がここに来てから世話をしていたらしい。

「お好みのお菓子とかドレスとか、何かわかっていることがあれば教えてほしいわ。」

そうお願いするも、皆にもよく分からないらしい。

それならばと、お茶とお菓子を適当に用意してもらうよう頼んだ。

時間的にもちょうどおやつの時間だ。

「エリザベス王女様、私とお茶を飲みませんか?お菓子も用意しますから。」

そう声をかけると、無表情のままだが、ソファに移動して、紅茶に口をつけてくれた。

私は少しホッとしながら、自分も紅茶を口にして、彼女を注意深く観察することにしたのだった。




ありがとうございました。

続きが気になっていただけたら、下の「☆☆☆☆☆」をポチっとして評価をお願いします。

また、ブックマーク登録もしていただけると嬉しいです!

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ