1-19 戦車
連続投稿祭り 二日目の五本目です。
次のマナー講義の日。
私は講師のベルナール先生に相談をしていた。
「私がアルバート殿下をお茶にお招きするのは失礼になるでしょうか。」
お礼のプレゼントの渡し方に悩んだ私が辿り着いた答えがお茶に誘う事だった。
お礼なのだから、できれば直接手渡ししたいし、渡すだけで「はい、終わり」っていうのもどうかと思ったからだ。
ただ、相手が王太子殿下だということを考えると、気軽にお茶に誘うのもどうなのかと思い、こうして確認しているのである。
「王城内でお茶を飲まれる程度でしたら、お招きしても失礼にはならないでしょう。ですが、殿下がお断りになったら、すぐに引き下がるようにすべきですね。」
「わかりました。」
「そして、お茶をするのであれば、その際のマナーも学んでおく必要がございます。本日はそこを重点的にお教えしましょう。」
「はい!よろしくお願いいたします。」
こうして私は、お茶会のマナーについて勉強したのだった。
おぼつかないながらも何とかお茶会マナーを頭に叩き込んだ私は、早速アルバート殿下宛に招待状を書くことにした。
アニエスさんに招待状用の紙とペンを用意してもらって、机に向かう。
ちなみに言葉だが、この国の言葉は日本語ではない。
異世界転移の時の特典なのか、話す・聞く・読むの三つは問題なくできた。
しかし、この国の文字を書くとなると難しく、ましてや文章を書くのは困難だった。
そこでマナー講師のベルナール先生に招待状のテンプレートを教わっておいた。
あとは王城内にある図書室で辞書を借りてくる。
このテンプレートと辞書があれば、何とか招待状を書けるはずだ。
パソコンやプリンターは無いので、もちろん手書きだ。
私は簡単に下書きをした後、一文字一文字ていねいに清書した。
こうなると、招待状一つ書くだけでも重労働だ。
苦労しながらも何とか書き上げた私は招待状を封筒に入れ、アニエスさんに殿下へと届けてもらうようお願いする。
どんな返事が来るだろう。
なんだか変に緊張してしまう。
ただ待っているだけではソワソワしてしまうので、お茶会を開く部屋を使えるよう手配したり、茶器や茶葉を選んだり、お菓子を選んだりして時間をつぶした。
あ、もちろんアニエスさんを始め、侍女の皆さんに協力してもらった。
私一人ではどう考えても無理だったから、仕方ないよね。
でも、重要な部分は自分で考えて決めた。
どうしたら殿下が喜んでくれるのかを考えるとドキドキして楽しかった。
そうこうしていると殿下からの返事が届けられた。
気になる返事の内容は・・・OKとのこと!
私はますます張り切ってお茶会の準備をした。
ありがとうございました。
本日の連続投稿祭りはこれで終わりです。
また明日の昼に連続投稿しますので、よろしくお願いします。
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連続投稿祭りの詳細は、12/24の活動報告をご覧ください。