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1-11 金貨の8

連続投稿祭り 一日目の二本めです。

土曜日の仕事終わり、私は護衛のエリクさんとディオンさんに声をかけた。

「明日なんですが、休みなので街へ出てみたいんです。大丈夫ですか?」

そう言うと、二人の表情が少し曇った。

「街へ、でございますか・・・。」

うん、警備が大変だから簡単には頷けないよね。

「街でどんな物が売っているのかを見たいんです。お仕事に役立つものも売っているかもしれないですし。」

仕事のためだと説明すると、二人は少し悩んでから頷いてくれた。

「わかりました。アルバート殿下のお許しが出ましたら、お連れいたします。」

「ありがとうございます!」

二人は私の専属護衛とはいえ王国の騎士なので、主は私ではなく王太子と国王だ。

なので、やはりそちらの許可は必要なのだろう。

街へ出られるなら、やりたいことはたくさんある。

王立病院の私のサロンは、まだ最低限のものしかない状態だ。

本当はアロマを焚いたり、ヒーリングミュージックをかけたりもしたい。

占いの依頼が増えるなら、今のタロットデッキ一つでは足りなくなるかもしれない。

部屋の内装だって、もう少し手を加えたいところだ。

色々と構想が膨らんでワクワクしながら、その夜は眠りについた。


翌朝。

アニエスさんに町娘風のワンピースを準備してもらい、それに着替える。

一目でヒーラーだと分かる服装だと狙われる危険があるし、ドレスでは悪目立ちしてしまうだろう。

そうして概ね準備が整ったあたりで、部屋の扉がノックされた。

てっきりエリクさんとディオンさんだと思っていたのだが、顔を出したのはアルバート殿下だった。

しかもこれまで見た王族らしい服装ではなく、ラフな服装だ。

少し嫌な予感がする。

殿下の後ろからは、オリバーさんも続いて入ってきた。

こちらは普段通りの服装だ。

「マリナ。おはよう。今日は俺も共に行って、街を視察することにした。よろしく頼む。」

アルバート殿下がそう言った。

イケメンと街を歩くとか、何の苦行ですか。

というかその前に・・・。

「えっと、私の護衛はエリクさんとディオンさんですよね?殿下の護衛は・・・。」

そう、あんまり大人数だと移動も大変だ。

そう思って確認するとオリバーさんが解説してくれた。

「殿下は剣も魔法も得意なので、あまり護衛を必要とはしないのですよ。なので、エリクとディオンの二人だけで充分です。」

オリバーさんの言葉の中に、耳を疑う単語があった。

「魔法・・・?」

「ニホンには無かったのか?」

殿下が私に尋ねてくる。

「物語の中だけのものでしたね。」

「なら、近いうちに俺が教えてやろう。簡単なものならマリナもすぐに出来るようになる。」

「はい!ぜひお願いします!」

実は機械技術が現代日本に劣るこの世界での生活に不安もあったのだ。

それを魔法で補えるなら、それはそれで面白い。

新しい技術にワクワクしていた私は、後ろでオリバーさんが呆れ気味に苦笑していた事には気づかなかった。

そんなこんなで、私と殿下とディオンさん、エリクさんの四人で、街を見て回ることとなった。




お読みいただき、ありがとうございました。

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連続投稿祭りの詳細は、12/24の活動報告をご覧ください。

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