また来る夜を
眠れない夜
最近の僕にとっては
珍しいことではなく
できたら、
眠らない、と言ってみたほうが
朝起きたときの
どうしようもない脱力感が
まちがいなく少ないのだから
やっぱり、
眠らない夜としておこう
夜中から朝方にかけての大雨
何度も聞いた天気予報
僕のまばたきの回数よりも
断然早く
雨音がひたすら聞こえてくる
もしも、
眠れない夜の理由を聞かれても
それは、自分のなかで
じゅうぶんに理解している
そうじゃないと
朝起きた僕は
シャツに腕をとおすことも
憂鬱になってしまうから
君を思いながら
眠ろうとしても
大降りの雨が
邪魔をする
君の笑顔を
ほほえましく思いながら
眠ろうとしても
蒸し暑さが
邪魔をする
そうして自分以外の
都合のいい理由をつけて
眠らない夜を過ごす
そして、
また来る夜を迎える