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03話 俺の異世界ライフは終わりを告げたも同然である・・・

 体に物凄い浮遊感を感じる。俺は確か、首を吊って自殺をした。

仮に失敗して、床に落ちるにしてもあまりにも時間が長すぎる。

目を開け自分の状況を確認しようと辺りを見渡す。

あれ? 可笑しいな。雲が見えるんだけど。

もう一度、目をこすって見て見るがやはり其処には青空が広がっていた。


(あれ?俺ひょっとして空から落ちてるの?)


 元々死ぬのが目的であった俺でも流石にこんな訳の分からないまま死にたくない。

しかし、地面との距離は刻一刻と縮まっている。


「誰かたすけてくれ!!」


 大声を上げ意味の無い助けを求める。

そしてやがて俺の体は地面へと落ちた。

うん。落ちたのだが何故だか衝撃がやってこない。


(助かったのか?)


「はいどうも!」


 俺が助かったことに安堵していると、小さい妖精が俺に喋りかけてきた。

その身長は俺の人差し指位であり、目は赤色、髪も赤色。

そして服までもが赤色と言う赤一色で統一されていた。


「お前は?」


「私? 私はあなたのナビゲーター。 天の使いレティーナよ」


 レティーナと名乗る妖精は無い胸を踏ん反り威張っていた。

ナビゲーター。其のことについて彼女に問いかけてみたところ、

俺がこの世界で生きれるほどの実力が身につくまでの補佐をしてくれるらしい。


「んで、俺は何でこっちの世界に転移したんだ?」


「転移? 何言ってるの? あなた転生したのよ」


「転生だと?」


 レティーナは俺に手鏡を渡してくる。其処に移っていたのは十四歳位の若い少年。

髪は黒く目は金色。そしてかなりの美形であった。


「何で俺はこんな女みたいな顔なんだよ! 可笑しいだろが!」


「何か不満でも? 貴方の生前の趣味に合わしたんだけど?」


 何にも悪いことはしてないと言うような顔で俺のことを見るレティーナ。

生前の趣味。妹好きであり、更にはロリコンにも成りかけていた俺。

当然そういった類のゲームなどを購入するほどには好きだったけど!

でもな。自分がなるのはまた別なんだよ。


「あ、そうだったわ。 貴方がこちらへ転生してきた理由!」


「もう顔のことはいいや。 俺が転生した理由は何だよ」


「其れは貴方が一番魔王討伐に適しているからよ!」


「魔王?」


 魔王といえばRPG系のゲームでは必ずと言っていいほど存在する、

悪役である。魔王は普通、魔物の軍隊を持っておりそれらは人間に被害を齎す。

故に、その魔王を討伐するのがRPGの醍醐味だったりする。あ、世界平和はおまけ程度なところはあるな。


「そう。 この世界には魔王が存在するわ。 同時に私みたいな天使もね。

 貴方は魔王を討伐するのに必要な相手のことを良く知る能力。 

 これが最も優れていたということで今回こちらに転生して貰ったの」


 相手のことを良く知る能力。成る程な。俺は引きこもりの間数々のRPGゲームをクリアしてきた。そこらへんの人間よりは異世界の情報収集に長けていると言う事か。


「あ、因みにその相手のことを良く知る能力ってのは誰と比べたんだ?」


「ん? 貴方と一緒であっちの世界で無くなった者たちの中からよ」


 成る程な。てことは俺は其の無くなった人たちの上に立って

新たな生を受けたわけだ。また、死ねない理由が増えちまったな・・・


「なぁ。 レティーナ。 俺はこの後どこの町に向かったらいい?」


「何? やる気になってくれた?其れは私としても喜ばしいことだわ」


 レティーナは笑顔を見せ、ついには鼻歌まで歌っている。

曲は聴いたこともないものだったが、心が安らぐようなメロディーであった。

「じゃあ早速いこうか! 町へ!」


「・・・・・」


「どした?」


 レティーナは何故か押し黙る。其れに対しての予想はついていたが否定する。

いや否定したい。何だって彼女はナビゲーターだ、そんな事あるはずが無い。

うん。彼女を信じよう。


「私ね?天使の使いなの。 だから経験上でのアドバイスは出せるわ。 けどね

それ以外の事は無理なの。 だって自分が知らない事を相手に教えるって

無理じゃない?」


「つまりどういうことだ?」


「私、こんな何も無いところなんて知らないの。 ここまでは神様が送り届けてくれ

 たから行きは良かったけど、帰りは無理なの!」


「・・・・」


 俺は空をみた。空はどこの世界も何時だって青いんだなって思う。

もう考えることはやめよう。このポンコツが役に立たない時点で俺の異世界ライフは終わったも同然なのだから。

前回の本文で誤字などがあったので訂正しておきました。


今回の話は結構面白目に書いたつもりです!


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