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朝が来る

作者: 月影 ゆかり

忘れないでほしいんだ。



朝起きた時、君は目を丸くするだろう。


テーブルの上に置かれた手紙を見て泣くだろう。


そして、今日一日 君は僕の姿を探す。



忘れないでほしいんだ。


生きていれば辛いことがあるということ。


そしてその中に小さな、ほんのささやかな幸せがあるということ。


僕と話したこと、笑ったこと。


君はきっと、他に素敵な人を見つける。


そして、幸せを手に入れる。


でも、きっと僕の姿を探してしまうと思うんだ。


ふとした瞬間に君は泣くだろう。


その度に強くなる。



忘れないでほしいんだ。


僕たちが見つけたもの全てを。


僕たちが紡いできた時間を。


君の隣に僕がいたことを。


そして、また朝が来るということを。

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